新旧問わず、最近ハマっているアルバムを紹介します。





Andraé Crouch/don't give up (1981)
 
 ブラック・コンテンポラリーやAORと呼ばれる類の音楽が最も輝きを放ち、多くのリスナーに受け入れられていたのは70年代後半から80年代前半のわずかな時期であり、その限られた期間に生み出された音源をある程度聴いてしまうと食指はゴスペルやCCMの世界に伸びてしまう…なんて人が増えてきているのではないでしょうか。これはゴスペル・シンガーの重鎮アンドレ・クラウチが大メジャー、ワーナー・ブラザーズと契約して発表された作品。まさにメジャー・レーベルらしい、当時の旬の音で綴られたコンテンポラリー・ゴスペルの良作なのです。A・クラウチが作る曲はやはりどこか宗教色が少なからず感じられるのですが、それでも彼の何も気負うところのないスマートなヴォーカルと洗練されたメロディー、アレンジが優しく包み込むように聴いているこちらの偏見的な耳を解きほぐしてくれます。まずは最初の“waiting for the son”ですでに良盤の気配を感じ、続くタイトル曲は〜everything is gonna be alright〜のコーラスがいかにもゴスペルなミディアムで早くも引き込まれてしまい、その後も捨て曲がひとつも無し。しかもバック・サポートがとても豪華で、単なる寄せ集めではなく各人の音のパーソナリティがさりげなく出ているところが嬉しいのです。以前からのサポートメンバーであるエイブラハム・ラボリエルのベースを中心に、同じくプロデュースとドラムスを務めるビル・マックスウェルと共にWBからのリリースという事で音作りにも一層力が入ったのでしょう。同時期にヒットしたブラコン/AORアルバムと比べても遜色がないクォリティーのヴォーカルアルバムに仕上がっています。ここ数年続く怒涛のCD化ウェイブに乗ってこのアルバムも企画されないものでしょうか。ゴスペルである部分は抜きにしても、それほど価値のある内容だと思うのですが。 (2007/11/29)


SIDE ONE

01.WAITING FOR THE SON
02.DON'T GIVE UP
03.I CAN'T KEEP IT TO MYSELF
04.HOLLYWOOD SCENE

SIDE TWO

01.HANDERITING ON THE WALL
02.I LOVE WALKING WITH YOU
03.SAVE THE PEOPLE
04.I'LL BE GOOD TO YOU,BABY(A MESSAGE TO THE SILENT VICTIMS)
05.START ALL OVER AGAIN


Produced by Bill Maxwell and Andrae Crouch

Andrae Crouch (vo)

Bill Maxwell (ds)
Abraham Laboriel (b,g)
Louis Johnson (b)
David Paich (org)
Steve Porcaro (syth)
Greg Phillinganes (syth,p)
Joe Sample (p)
Tom Keene (p)
Jerry Peters (p)
Mike Lang (p)
Dean Parks (g)
David Williams (g)
Hadley Hockensmith (g)
Wil Keene (g)
Paulinho da Costa (perc)
Alex Acuna (perc)

and others...




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