↓最近ハマっているアルバム↓






Gino Vannelli/the best and beyond (2009)
 
 ついにアルファベット・コーナーも含めてアップしたアルバムが900を超えました。地味に続けているこのサイトですが、今後もとりあえず1000枚目指してゆっくりやって行きますのでどうぞよろしくお願いします。さて、 祝・900枚突破記念と言うわけではないのですが、ここで特に思い入れのあるシンガーのアルバムでもと言うわけでのGino Vannelli。そう言えばこのFAVOURITEでジノをupしたことがありませんでしたね。これはとりあえず最新アルバムと言う事ですが、昨年末にはすでに発売されていましたからジノ好きはもう手に入れている方も多いと思います。しかし、70年代からの彼のファンで、直近数作のアルバム傾向から半信半疑であった人や、まったくそんな先入観もなく、ジノに限らず良質のアダルト・コンテンポラリーを求めている人にもハッキリとおすすめできる仕上がりになっていますから、あまりweb上で取り上げられていないようなのでそれならここで紹介しなきゃアカンなぁと。

 内容はアルバム・タイトル通り、セルフ・カバーアルバムなんですね。過去の代表曲を今の音でニュー・レコーディングした、と言うと安っぽいですが、その「今の音」が期待ハズレに終わる事が多い中、ジノはしっかり期待以上のモノを持って来た。「今の解釈で」と考えるとどうしてもオーバー・アレンジになったり、まったく別モノに変えてしまいがちなところがありますが、これはまず原曲のアレンジに忠実である事を基本に作られています。でも、まんまじゃない。中にはニヤニヤしちゃうような新しいアイデアもちゃんとあります。そうでなければ意味がないですからね。

 まぁとにかく、一発目の“people gotta move”を聴けばわかります。衰えのないジノの熱いヴォーカルとプログラミングを使わず全て人の手によるプレイ、中でもこのドラムを聴けばw 少なくとも私は「ああ、久々に来たなこの感覚」と感じましたが。今回セレクトされた曲は以下の通りで、個人的にはほぼベスト。なにしろ最初に聴いた時には大変ショッキングだった“black cars”がメチャメチャ格好いいのです。この人のかつてのアルバムにおける共通のキーワードとして、「ドラムスのパフォーマンス」があるのですが、「a good thing」ではjazzyに抑えていたReinhardt Melzが叩きまくり。原曲とは対照的な、なんとも重厚な“black cars”になっています。さらに同傾向の作りであった次作からの“wild horses”は最後が“バードランド”になっちゃってるよ! いやいや、ただひたすら軽かったこの頃の2曲がこんなに味わい深いものに変わるとは、必ず見直す事間違いなしです。

 録音が変わり(もちろんプレイヤーの力量もありますが)むしろ70年代の頃よりもタイコが前に出ているようで、比較的新しい“venus envy”や名曲“wheels of life”、そして“I just wanna stop”。これらのゆったりとした曲でも細かなワザの一粒一粒が際立ち、もちろん“brother to brother”では言わずもがな。スローからハイテンション・ナンバーまで全て高濃度なアレンジになっている中、なんと言ってもジノ自身のヴォーカルが「あの頃」よりも円熟し、さらに巧くなっている。この無限に上昇し続けるジノ・ヴァネリのエモーショナル・ヴォーカルには驚かされますね。

 もちろんこれだけのパフォーマーですから、「yonder tree」や「canto」の世界も納得できる。いや、やっておかなければならなかったのでしょう。しかし、歳を重ねて表現法を拡げながらも、彼の名を知らしめた「こちらの世界」も忘れていなかったところが嬉しいじゃないですか。「こちら」を知っている方なら、きっと愛聴盤になるはずでしょう。てっとり早いのはiTunesでの購入ですが、必ず全曲仕入れて曲順通りに聴いて欲しいところですね。1〜2曲の抜き出しではこのアルバムの理由がわからないと思います。そんな古い私はディスクが欲しかったのでアメリカのAMAZONでCDを購入。ジャケがライト過ぎるところだけが難点ですかね。まぁいいや、とにかくジノ・ヴァネリ・リターンズ、ここにあり。ドルが100円を突破しないうちに買っちゃいましょう。 (2010/4/20)



01.PEOPLE GOTTA MOVE
02.WILD HORSES
03.HURTS TO BE IN LOVE
04.BROTHER TO BROTHER
05.I JUST WANNA STOP
06.CRAZY LIFE
07.BLACK CARS
08.LIVING INSIDE MYSELF
09.VENUS ENVY
10.WHEELS OF LIFE
11.JUST A MOTION AWAY
12.THE SUREST THINGS CAN CHANGE
13.PUT THE WEIGHT ON MY SHOULDERS



Produced by Gino Vannelli

Gino Vannelli (vo,p)

Reinhardt Melz (ds)
Allen Hinds (g)
Sandin Wilson (b)
Randy Porter (p)
Greg Goebel (p)
Patrick Lamb (sax)
Tim Wilcox (sax)
Paul Mazzio (tp)
John Moak (tb)
Leisa Heart (back-vo)
Sean Holmes (back-vo)
Eddie Conard (back-vo)


Amazon.Com

iTunes

Gino Vannelli (GROOVY HOUSE)

Gino Vannelli (OFFICIAL)

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