LULU/independence (1993)
 
 今回は1円で買ったCDを紹介します。あまりにもコスパが高くてあらびっくりと。

 Luluは60年代から活動を今も続ける英国の国民的歌姫らしいのですが、実際この人のアルバムはこれが初めて聴いたモノ。それもユージン・ワイルドを調べていてたまたま辿りついたと言う偶然で、なかなか良いアルバムを発見してしまいましたが、本人は大ベテラン歌手と言うことでドーモ・スイマセン状態。

 この時は45才くらいの頃のアルバムでしょうか、Lulu本人はシンガーに徹していてベテランらしい歌いっぷりで危なげなし。曲作りには関わってはいないようですが、この並べられたナンバーそれぞれが粒ぞろいで素晴らしい。しかも、全体に統一感があってグッとこみ上げ系の曲がこれでもかとたたみかけて来る構成。1曲1曲をさまざまなアーティストに任せた場合はアルバムの全体像が散漫な印象になってしまいがちなのですが、ここでは90年代版ブルー・アイド・ソウルにガチッとまとめあげられていて、相当選曲に力を入れたところがうかがえますね。なにしろ捨て曲がないのですから。ほとんどがタイトル・ナンバーになってもおかしくない程です。

 さて、そんな力の入ったアルバムの先頭を飾る、そしてタイトル・ナンバーとして選ばれたのはリオン・ウェア作の“independence”。そう、いきなり'90s“I want you”の世界で始まります。もう、これだけでニヤニヤなのですが、続く“there has got to be a way”は対照的に明快なメロディーラインながら懐かしいアシッド・ジャズを彷彿させるアレンジにまたもやニヤニヤ。そして3曲目の“restless moods”も同様のアレンジで冒頭の流れに戻り、極めつけはその次、ボビー・ウーマックとのデュエットでキメた“I'm back for more”。この泣きの1曲がここで来てしまうのはもはや名盤の部類かと(90年代ポップ/ソウルとしてはネ)。

 さらにもう一つのハイライトは前夫、故モーリス・ギブとバリー・ギブのプロデュースによるビージーズのカヴァー“let me wake up in your arms”。ここではガラッとビージーズ色に染まった軽快な流れになりますが、さすがはドラムスにスティーヴ・フェローンを持ってきただけあってイントロのシンバルの渋いフィルインに思わず唸り、バリー・ギブのコーラスが飛び出しては膝を叩く状態に。この曲は特に思い入れがあったらしく、アルバム最後に全く違うアレンジで再収録されています。(曰く、[romantic reprise]との事)

 他にも“you left me lonly”〜“rhythm of romance”のミディアム連打も素晴らしく、この2発があるおかげでアルバム全体のバランスが整い、一枚通して良い気分のまま聴き続けられるようになっているのもイイですね。とにかく1曲目からラストまでクオリティが下がってない。2011年を迎えた今聴いても新鮮な楽曲ばかりで、まぁ確かにリズム・プログラミングに若干の懐かしさはありますが、レベルの高い楽曲陣とソウルフルなLulu本人の歌でそれも全く気になりませんね。んー、ちょっと褒め過ぎかな。なにしろ1円で手に入れた音源ですから、お買得感が高くてよほど嬉しかったんだろうとでも思っていただいて、気になった方は騙されたと思って聴いてみて下さい。騙されたっても送料込みでもコーヒー一杯分にもなりませんからw (2011/2/3)



01.INDEPENDENCE
02.THERE HAS GOT TO BE A WAY
03.RESTLESS MOODS
04.I'M BACK FOR MORE→
05.HOW 'BOUT US
06.UNTIL I GET OVER YOU
07.LET ME WAKE UP IN YOUR ARMS
08.YOU LEFT ME LONELY→
09.RHYTHM OF ROMANCE
10.I'M WALKING AWAY
11.A PLACE TO FALL
12.LET ME WAKE UP IN YOUR ARMS(ROMANTIC REPRISE)




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