L.A.EXPRESS (1976)
 トム・スコットが離れ単体のグループとなった第一作。ひたすら痛快なL.A.フュージョンの草分け的存在であったが、各パートの熱い掛け合いがクルセイダーズの“spiral”にも通じた雰囲気を持つ“midnite flite”から始まる本作は、特にベースのマックス・ベネットの影響が強いのか、意外とクールでセンシティブな面が強調された。以前からのメンバー、M・ベネット&ジョン・ゲラン(ds)のリズムとロベン・フォード(g)に、ビクター・フェルドマン(key)が新たに加入したのも大きい。そして、T・スコットの穴を埋めたデヴィッド・ルエルの歌心のあるサックスがしっかりと存在感を出しています。陽気で軽いだけじゃないのネ。
L.A.TRANSIT/de novo (1986)
 スピック&スパンの吉田和雄プロデュースによるブラジリアン・クラシックスのモダン・カバーアルバム、と言うとなんだかお洒落ですが要は全編ヴォーカル入りの80年代フュージョン・カバーアルバムと言った方が正しいですね。日本語と言うものは便利なもので形容の仕方ひとつで受け取り方は大きく変わってしまう。しかし当時としてはこれがかなりモダンではなかったか、との思いからあえてそう言ってみました。とにかくこれはほとんどアレンジやオリジナル楽曲を提供した横倉 裕のアルバムとなっていて、西海岸系のプレイヤーがバックなところも後の「Brazasia」あたりの音と同じ。「LOVE LIGHT」後なりを潜め、GRPから再デビューする前の活動でしたがYutaka好きにはもうひとつのリーダー・アルバムとして押さえておくべき一枚でしょう。自分としてはYutakaの代表的なナンバーとなっている“summer without you”が収録、アルバム・タイトルからもこの人の音楽的な一貫性に思わずニヤニヤしてしまいますね。
「NOVO complete」
LAKESIDE/The best of lakeside (1995)
 はい、典型的なディスコサウンドを思い出したい人はこれです。今で言うとダンス☆マンにパロられてしまいそうですが、一般的にブラックというとこんなサウンドのイメージがありますよね。良くも悪くも、黒人の世界での歌謡曲。時代を懐かしみたい世代にはうってつけのベスト盤です。
Lalah Hathaway (1990)
 親の七光り?いえいえ、そんな風にいやらしくとってしまうと実際に聴いた時に自分の思考回路の小ささに嫌気がさしてしまうくらい良く出来たアルバムですよ。歌はメッチャクチャうまいというわけではないのですが、なかなかクールでカッコ良いladyです。
Lalah Hathaway/a moment (1994)
 前作よりもさらに幅広いサウンドになっていて、より聴く人間の間口を広げた感がありますね。よりPOPで親しみやすく、ラストはピアノをバックにジャズ風にと。ジャズ系ミュージシャンとも親交を深めて行き、日本でもマーカス・ミラーバンドのヴォーカルとして来日を果たしていますが、その後の活動はあまり聞こえてきません。どうしているのでしょうか。
Lani Hall/sundown lady (1972)
 セルジオ・メンデスを離れてリリースされたソロ第一作。プロデュースは夫ハーブ・アルパート。レーベルはもちろんA&M。レスリー・ダンカン、エルトン・ジョン-バーニー・トーピン、ポール・サイモン、ミシェル・コロンビエ等カヴァー、作者陣が多彩な佳曲揃いで、語りかけるようなさりげない歌が癒される。おお、ドン・マクリーンもやってますね。懐かしい。裏ジャケの日が沈む海辺がこのアルバムの全てを語る、優しくどこか物悲しいサンセットタイム・ポップス。
Larry Carlton (1978)
 カールトンもすっかり歳をとって、ハゲちゃいましたねえ。これはまだロン毛でバリバリ、リー・リトナーとともにフュージョンギターブームの火付け役となった有名盤です。一時はクルセイダースのメンバーでもあった彼ですが、このアルバムを聴くと「真っ白けっけ」さが良くわかります。ドラムスは今は亡き、あのJeff Porcaroが全面的に叩いていますよ。
Larry Coryell-Alphonse Mouzon/back together again (1977)
 ラリー・コリエルとアルフォンス・ムザーンのクセ者二人が組んだフュージョン・アルバム。たしかにギターとドラムスがしっかりと主役を担った音楽となっていてとてもカッコいい。心地良く流れるスタイルの曲もあれば、二人がユニゾンバシバシ決めるジャズロックもあり、全体的には決してヤワな作りではない事は確か。A・ムザーンのリーダーアルバムはどちらかと言うとピンと来ないものが多かったのでコリエルのようなギタリストとのコラボレーションにより彼の魅力が最大限生かされたという印象。これは一枚持っていて損なしです。
Larsen-Feiten BAND (1980)
 よくやった!確かにFULLMOONを知っている方なら、納得のアルバムですが、おおよそ「JUNGLE FEVER」のニール・ラーセンのイメージからは、想像のつきにくい商業POPナンバーがめじろおし!早すぎたバンド、FULLMOONの復活です。もちろん、独特のオルガン・インストルメンタルナンバーも歌ものの間にしっかりと収められています。 あ、AORで紹介した方が良かったかな。
Leah Kunkel (1979)
 なんと言っても“under the jamaican moon”の作者バージョンが聴ける盤として有名な、AORと言うより70年代アメリカン・ポップの名盤。夫のラス・カンケル&リー・スクラーといったTHE SECTIONメンバーがしっかりとバックアップしてゆったりとした良質のポップスを聴かせてくれます。バックがどうのと言うより、メロディーを大切に曲を作っていたこの時代の音楽に歳を追うごと、戻っていくものなんですね。決してうまいとは言えない彼女のヴォーカルもその淡々とした語り歌が自然でいいなぁ。
Lee Oskar (1976)
 知る人ぞ知る「WAR」のハーモニカ奏者、リー・オスカーの初ソロアルバムです。side-Aの組曲仕立てナンバーがカッコ良くて、つい買ってしまいました。スティーヴィー・ワンダーともトゥーツ・シールマンスともまた違った趣のハーモニカ・サウンドが聴けます。どちらかと言うとフュージョンファン向きの音をしているアルバムです。
Lee Ritenour/captain fingers (1977)
 ギター・フュージョンブームを巻き起こした中心人物の初期作品。EPICから出せたのは良かったですよね。おかげでサウンドもアカ抜けていてグッド・サウンドになりました。スリリングな曲調もありテクニックも堪能できます。「isn't she lovely」ではビル・チャンプリンがボーカルをとっていて、ブレイク前のDフォスター/Jグレイドンや、ジェフ・ポーカロのドラムプレイを聴くことができます。
Lee Ritenour/feel the night (1979)
 ラリー・カールトンの「夜の彷徨」の登場により、クロスオーバー・ギタリスト第一人者として作らざるを得なかったアルバムといって良いのではないでしょうか。ロック的なアプローチをするにあたって選ばれたのはカールトンがグレッグ・マティソンだったのに対しリトナーはデビッド・フォスターだったのでした。しかし、やはり彼はハードに攻め一本で行く、というわけには行かず元々好きだったナイロン弦を入れたり、アフロな「uh oh!」なども収録するあたりはすべてを捨てて対抗したいとまではいかなかった気持ちが読めるような。ドラムスもジェフ・ポーカロではなく全編スティーヴ・ガッドですしね。
Lee Ritenour/rit (1981)
 おいおい〜。リー・リトナーまでAORだよ〜。デヴィッド・フォスター、ハーヴィ・メイソンと共にプロデュースされた「流行もの」アルバムですが、当時としては、しかたがなかった流れなのでしょうね、やっぱり。日本ではかなりウケて、ヴォーカルのEric Taggが日本企画のソロ・アルバムを出していたりしましたね。
Lee Ritenour/rit2 (1983)
 とりあえず、つまらないです。これは、RIT1の勢いで無理やり作ってしまったようなアルバムですね。曲が良くありません。いくらAORでも軽すぎます。クラーク・デュークプロジェクトの2でも同じような印象を受けましたが、やはり、企画ものはなんでも2発目が1発目を超えることはないようです。
LEMURIA (1978)
 ハワイ発のアーバン・コンテンポラリーバンドの名作。リアルタイムでは聴いていなかった私、カラパナのようなサウンドを想像していたら、それよりもかなりフリー・ソウル的なアプローチをした作品でした。これはその元カラパナのカーク・トンプソンがほとんどの曲を提供して仕掛けたバンドで、アイランドポップ・バンドとしてはかなりセンスが良いですね。女性ヴォーカルを使っていますがまるでSEAWINDのようで、カラパナよりも広い視野を持って製作されていたことがうかがえます。
Lenny White/big city (1977)
 しかしまあ、後にブラコンの世界に目覚めてしまうドラマーという所はナラダ・マイケル・ウォルデンと共通する部分があるのですが、この人はすべてにおいてBランクとなってしまうのは惜しい!これはその悪しき目覚め前のフュージョンアルバムで、参加ミュージシャンの多彩さが興味深いですね。タワー・オヴ・パワーのバックアップによるブルースジャズ楽団的なタイトル曲、ブレイク前・若いマーカス・ミラーの粗いチョッパー・ベース、あのニール・ショーンと当時活躍したレイモンド・ゴメスのツイン・ギターによるジャズロックなど、バラエティに富んだ面白い作品です。ハービー・ハンコックも参加しているのでこうなったらジャコも乱入していればもう少し知名度が上がったアルバムになったかもしれませんね。
Lenny White/streamline (1978)
 時代背景やジャズからという似た経歴を持つ他のドラマーがPOP路線で開花をしはじめた頃の影響もあったか無かったか、この人もこの後TWENNYNINEの結成など同じ道を歩みます。このアルバムはその布石とも言うべき存在ですかね。ラリー・ダンがプロデュースと言うのも興味深いし、実際に彼の煌びやかなシンセも出てくるのですが、ここではまだまだブラック・コンテンポラリー一辺倒というわけではなく、彼のドラミングを生かしたインスルメンタルの中にヴォーカルナンバーを数曲はさんだポップ・フュージョンアルバムとなっています。
Lenny White/attitude (1983)
 まさに、1983年の音楽そのものと言ったところ。トウェニーナインのブラック・コンテンポラリー路線をそのまま引き継ぐ形ながら、ザ・システムの二人やビル・ラズウェル率いるマテリアルなど、当時の新鋭ミュージシャンが参加し生楽器とテクノロジーがバランス良く溶け合ったブラック・サウンドとなっている。マーカス・ミラー、バーナード・ライトら後のジャマイカ・ボーイズとなるメンバーもほぼ全面的に参加しているところも、このアルバムが80年代のレニー・ホワイトとしてひとつのフラグとなっているのでしょう。
Leon NDUGU Chancler/old friends new friends (1989)
 ドラマーとしてサンタナやウェザー・リポートジョージ・デュークなど数々のセッションに参加している彼の密かに発表されたソロアルバム。「レオン・チャンクラー」よりも「ンドゥグ」の呼び名のほうが通ってますね。定番的に一時はブラック・コンテンポラリーの世界にも踏み込んだこともあり、これまでのそんな音楽的経歴を集大成したような内容となっています。まんまサンタナのような曲もあり、ネイティヴなドラマー・アルバムとしても楽しむことができます。キーボードにパトリース・ラッシェン、ベースにアルフォンソ・ジョンソンが参加。
THE CHOCOLATE JAM CO./the spread of the future (1979)コチラ
NDUGU & THE CHOCOLATE JAM CO./do I make you feel better? (1980)コチラへ。
Leon Ware(1st) (1972)
 ファーストアルバムです。後に彼独特のメロウ・セクシーソウルのスタイルを確立するのですが、このファーストでもその姿を見ることはできます。ただ、どちらかと言うと結構骨っぽいR&Bアルバムだったりするところが面白いですね。
Leon Ware/musical massage (1976)
 マーヴィン・ゲイに売らざるを得なかった「I WANT YOU」の代償として作られたと言うアルバム。UK再発のこの2枚組では「come live with me angel」や「I wanna be where you are」のリオン版が収められています。彼のディープな世界に浸りたい方には必聴のアイテムでしょう。
Leon Ware/inside your love (1979)
 比較的アップ・ナンバーの多い構成となっていて、アルバムを発表するたびに華やかになっていく感がありますが、デビッド・T・ウォーカーや、おなじみワー・ワー・ワトソンのリズム・ギターもリオン・ウェアの独特なメロウ・グルーヴをしっかりと固めています。(テケテケは健在!)「I WANT YOU」のような一貫したコンセプトは感じませんが、良く出来たアルバムです。

Leon Ware/rockin'you eternally (1981)
 当時の売れセンを意識してのことか、ちょっと中途半端なシンセ・ディスコサウンドもありますが、タイトル曲などの後半からは彼らしいミディアムセクシーグルーヴを聴くことができます。返すがえすも、もし、「I WANT YOU」が彼のオリジナルアルバムとして世の中に発表されていたら・・・それは、良かったのか悪かったのか。答は出ませんが、個人的には聴いてみたかったです。
Leon Ware(5th) (1982)
 ゴリゴリの黒い音楽と言うより、メロディアスなセクシーソウルであった彼がついにAORになってしまった隠れた名盤。もちろんバックはTOTO−David Fosterらがつとめ冒頭の「slippin’away」からついにやったか!と言う感じです。ジャニス・シーゲルとのデュエット「why I came to California」は代表曲。
Leon Ware/velvet nights (1992)
 実は「undercover」と言う名で1987年に発売されたアルバムらしいのですが、5年後の日本で「最新作」として届けられた作品。シルキーヴォイスは健在で、独特のメロディーラインは好きなのですが、内容的にはかなりマニアックになってしまいましたね。80年代前半に当時流行りのAOR路線に乗ったアーティストって、その後の活動が急に地味になってしまう人が多いのですがどうしてかな?
Leon Ware/taste the love (1995)
 活動拠点をイギリスに移した彼の実質的には1990年代唯一と言える貴重な作品です。前作よりもまたリオン・ウェアらしいディープでセクシーなサウンドが戻って来ています。嬉しいですね。1曲目は「come live with me angel」のセルフカヴァー。やはり、あのアルバムは思い出深い作品なのでしょう。
Leon Ware with Don Grusin/candlelight (2001)
 ピアノのドン・グルーシンとのコラボレーション・アルバム。基本的には、ドンのピアノをバックに「マイ・ファニー・バレンタイン」や「ラウンド・ミッドナイト」、「ミスティ」などのジャズ・スタンダードを歌い上げて行く構成となっています。こういった作りのアルバムは初めての試みですね。だんだんと円熟味を増して行くリオン・ウェアがここにあります。
Leon Ware/love's drippin'(2003)
 ソロとしては実に約8年ぶりに完全なオリジナルアルバムをリリースして戻って来てくれました。 とにかく彼の独特な雰囲気が好きな人ならまず一曲目の「all around the world」を聴けば「あーっ。良くぞ戻って来てくれました(泣)。。。」と感動してもらえることでしょう。そして、続く他のナンバーもアルバム全体を一定のリオン・ウエア・グルーヴとして統一された作りになっていて、いま彼のファンがどんな音を求めているかと彼自身が個性を持つアーティストとして作り出すべき音がうまく合致したと言えましょう。 Wah Wah Watsonのファンキー・チャカチャカギター参加が嬉しい3曲目のミディアム・アップナンバーもあったり、おそらくアルバムのイメージを決定づけるであろう5曲目「is it drippin' on yourself」はスローを作る今の若いアーティストにも聴いてもらいたいし、9曲目の「hands on my heart」は70年代を今に蘇らせたような感動の一曲。一枚通して共通のコンセプトを持った作りとなっているのも嬉しいですね。今回はLeonに師事し修行されたソングライターのKanaさんからのご紹介にも大感謝です。ありがとう!
Leon Ware/deeper (2003)
 これは90年代に作られたデモ音や未発表曲を中心に一枚のアルバムとしてパッケージングされたもので、たしかにホワイトノイズの多い曲もありそれらしいのですが、完成度は高いです。しかも全編あのメロウな世界が続きます(02はなんとジャニス・シーゲルとのデュエット!)から安心してお求めいただけるでしょう。それにしても、こんな作品を世界に先駆けて発売してしまうのですから、日本人の音楽に対する貪欲さったらすごいですね。聴いてくれる人がいなければ(売れなければ)企画すらされないわけで、このアルバムだけの話ではなくて、世界の様々な音楽を細かなところまで吸収できる土壌をもった国として、日本は世界の音楽マーケットの中でも(アメリカはおいといて)英国を軽く抜いて一番の多嗜好国家になったんじゃないかと思います。
Leon Ware/a kiss in the sand (2004)
 これは昨年亡くなられた愛娘ローラに捧げられたものであると共に、いつもお世話になっている「リオンの弟子」Kanafu Marieさんとの共作曲が初めて収められたアルバムでもあります。今回は全編ブラジリアンサウンドを基調としつつ彼独特のメロウなヴォーカルが浮かんでいる作りですが、確かにリオンのメロディーとボサノヴァは良く合いますね。アルバム全体の統一感が素敵な一枚です。マルコス・ヴァーリと共作したタイトル曲、リオン節全開な「night in Brazil」、密かにJames Ingramがコーラス参加した「攻め」の一曲「spirits lovin'」など聴き所が多いですが、特にKanafuさんとの共作曲「hearts alive」は期待以上のナンバー。切ないメロディーに静かに盛り上がるサンバでこのアルバム後半のハイライトとも言えるものでした。この曲をこの位置に置くか置かないかでかなり雰囲気が違ってきたのでは、と感じましたね。今年は自分もひとつの節目を迎え、人生なんかもチョット考えてしまったりしますが、こんな哀愁漂うアルバムを聴きながら毎日大事に生きなきゃアカンぞ!なんて思ってしまうのでした。
Leroy Hutson/feel the spirit (1976)
 The Impressionsのリードヴォーカルを経てソロに転向、“The ghetto”をダニー・ハサウェイと共作した事で知られる彼が70年代に残したニュー・ソウルの隠れ名盤。ファンキーな“It's the music”で始まりつつも、どこか黒っぽさを抑えた線の細いヴォーカルが中性的な魅力を醸し出す。しかし曲作りはもちろんアレンジ、プロデュースとすべてやってしまうマルチ・プレイヤーと言うのはやっぱり凝るところがあって、全7曲しかないのに最後に7分にも及ぶインストルメンタル・ファンクを持ってくるなんて凄いな。こんな自己満アーティスト、好きです。
Leroy Hutson/paradise (1982)
 そんな良くも悪くもマルチ・プレイヤーが80年代のブラック・コンテンポラリーに乗って作られたのがこれ。洗練されたサウンドの中にリロイ・ハトソンの高音ヴォーカルがマッチするが、スローもアップ・ナンバーもひたすらスウィートで、センス良くまとめられてはいるのだけど、一人でなんでも仕切ってしまうレンジの狭さも音に感じられてしまう。れっきとしたブラックには間違いないが、上品で薄味。一言でガツンと来るものを求める人には物足らないかも。
Les Dudek/say no more (1977)
 オールマンブラザース・バンドやボズ・スキャッグスのバックでキャリアを積んだ、ギター通には玄人好みのスライド・プレイヤー、レス・デューデックの2ndアルバム。ブルースを下地としたサザン・ロック、いかにもなアメリカン・ロックが第一印象のところ、インストの2曲、特に“one to beam up”はフュージョンを意識した曲調、“zorro rides again”は持ち味のスライド・ギターから渋いソロまで堪能できるハード・セッション。ヴォーカル・ナンバーもサザン一辺倒ではなく変化をつけてなかなか飽きのこない内容でヨイです。その中でも“old judge jones”はまるでボズ・スキャッグスを聴いているようで、そのボズ繋がりでDavid PaichやJeff PorcaroらTOTOの面々も参加に加え、他にもさりげなく豪華なメンツが隠れていますヨ。
Leslie Smith/heartache (1982)
 Peter Bunetta&Rick Chudacoffの全面プロデュースにより、CRACKIN'解体後もソロヴォーカルとしての新たな活路を見出したレスリー・スミスの言わずと知れたアダコン名盤。B・ラッセルの名曲「it's something」やマントラで有名な「nothin' you can do about it」をカヴァーするあたりはこれらのアーティストが当時いかにAIRPLAY(フォスター&グレイドン)の影響を受けていたかがわかるほんのひとコマだったりします。タイトルを象徴するネッド・ドヒニーによる「love's a heartache」ではNed自身がアレンジやA&E・ギターで参加。80年代になり録音も良く聴きやすいこのアルバムがいまだCD化されないのは、いろいろな理由があるのでしょうが一番は参加アーティストの知名度の低さによるものかな?今聴いてもアダルト・コンテンポラリーとして佳曲揃いの極上盤だと思いますが。
Leslie Smith/“les”is more (1992)
 元クラッキンのヴォーカル、レスリー・スミスがAORの名曲とされたナンバーを中心にカヴァーしたアルバム。黒人ながらコテコテなブラコンよりも比較的白っぽい曲を好んで歌うところに味がある。フォスター/ラッセルの「it's something」に始まり「after the love has gone」、「we're all alone」などの超定番曲が続き、「I just wanna stop」までやってくれちゃうサービス盤です。それもそのはずこれは日本企画盤ですから(笑)。しかし、ファンにとっては全曲とても嬉しい選曲と言えるでしょう。聴いて損なしですよ。 
Letta Mbulu/there's music in the air (1976)
 だんだんここは何でもアリのホームページになって行くようです(笑)。かつてあの「ROOTS」のテーマを歌った、1970年代を中心に活動をしていた南アフリカの歌姫(?)、76年に発表された好盤の再発CD。リアルタイムではなかった彼女、元々はチャック・レイニー、リチャード・ティージョー・サンプルら当時のトップ・サポート陣に惹かれて手を出したようなものなのですが、聴けばなかなか味のある歌。しっかりと英語を中心に、しかしお国の言葉も交え、洒落たアレンジの中にも民族音楽的な楽しさもある作りとなっています。超スタンダード、“feelings”のカヴァーが高速ヴァージョンで面白い。幕開けのナンバー、“music man”で聴けるブリブリのベースは若きルイス・ジョンソンなのでした。
LEVEL 42/forever now (1994)
 ベースのマーク・キングを中心としたUKジャズファンクバンドの完全POP化路線アルバム。1曲目からカマしてくれます。白系ポップ・チューンのオンパレードですよ。ただ、こういったサウンドをバンドとして続けて行くのは、MIDIサウンド全盛の今となっては無理があるのでしょうね。これを最後に解散をしてしまいました。
LINXS/intuision (1981)
 VO,B,KEY,DS,Gのバンドスタイルをとった軽いブラコン系の音を出すグループですが、実質的にはジャケの二人、特にVOのDavid Grant中心となっているようです。ピッタリ80年代初頭のブラックといったところで重すぎず黒すぎず、広い層に受けそうな音のカラーが多彩なところはなかなか。特筆はソウル・セッションドラマーとして活躍したオリー・E・ブラウンがプレイだけでなくプロデュースもしている所。そのナンバーはモダンながら一番黒さを感じさせる2曲となっています。他のゲストはNathan Watts,Paul Jackson.jr,Michael Boddickerなど。
LIPS (1979)
 ここでのリップスは「ファンキータウン」のではなくて(笑)、スタンリー・クラークのバンドで活動をしていた(と記憶していたけど違ったかな)ブラス隊のことで、ここでもS,Clarkeプロデュースという強力なバックアップがあったにもかかわらずたいして売れなかったワン・アンド・オンリーのアルバムです。ベースは彼とマーカス・ミラーが半々で担当、ドラムはレニー・ホワイトNDUGUが半々、他にはロニー・フォスターやレイモンド・ゴメスなどなかなか私好みのバック・サポート陣で音もかなりファンキー・ポップなイケるクチだったりします。なんで売れなかったんだろう?やっぱり以前はテクニカルな作りじゃないとダメだったのかしらん。
Lonnie Liston Smith & THE COSMIC ECHOES/expansions (1975)
 70年代のグルーヴィー・ジャズにおける鍵盤アーティストとして人気の高いL,L,スミスの代表的作品のひとつ。スピリチュアルでメッセージ性を持ちながら、ジャズのそれよりもややソウルファンに受け入れられそうな親しみがある。エレクトリカルな楽器は彼のキーボードのみで他はほとんど生音楽器を使っているその重厚感がズシンと脳に響く。特にセシル・マクビーのアコースティック・ベースでのファンキーなプレイはこのアルバムの大きな柱となっていますね。あえてベースギターではない、というところがまた。
Lonnie Liston Smith/loveland (1978)
 フュージョン・クロスオーヴァーブームが始まっても、独自の路線を歩みつづけたロニー・リストン・スミス。「froating through space」のような煌くオルガン・サウンドが彼の真髄と言えるでしょう。デビュー間もない若き日のマーカス・ミラーが参加。ブラッキー・フュージョンの世界をもっと知りたい人はこの人を知っておくのもいいですよ。
Lonnie Liston Smith/dreams of tomorrow (1989)
 以前はただの脇役であったマーカス・ミラーがこの時代になるとプロデューサーに出世してロニー・リストン・スミスをサポート。もちろんベースとキーボード、コーラスとプレイヤーとしてもほぼ全面的に参加しています。マーカス作のブラコン的ヴォーカルナンバーが初っ端に来ますが、やはりLLS独特の煌くエレピサウンドを中心に渋く渋〜く流れていく作りになっています。夜が似合いますね、この人は。
LOS LOBOTOMYS (1989)
 David Garfield主宰のアメリカン・ハイパーフュージョン・ユニットのライヴ・アルバム。そのメンバーは錚々たるもので曲によって入れ替わるドラムスは何とJeff Porcaro,Vinnie Colaiuta,Carlos Vegaの3人。これにギターがSteve Lukather、ベースがWill Lee、そしてBrandon FieldsのサックスとLenny Castroのパーカスでオリジナル・メンバーと言うのだからライヴと言えどもその音の安定感はさすがと言うしかない。ロック・フュージョンで構成される中にさらにはJoe Sampleがピアノを弾く“jorainbo”ではガラッと彼の存在感が浮き彫りになって行く。今となっては物理的にも再現不可能ななんとも贅沢なライヴの記録である。
L.T.D/love to the world (1976)
 love,togetherness & devotionと、人間愛に満ちた単語の頭文字から来たL.T.D.。これはミゼル兄弟の全面的製作による3rd。ストリングスの使い方もリズム&アレンジもまさにスカイ・ハイプロダクション。黒っぽさ満開でカッチョいいですぞ。曲もほとんどミゼル兄弟によるものですが、スキップ・スカボロウの名曲「love ballad」が収録されているのもこれ。ファンク良し、スロー良しの名盤です。
L.T.D./something to love (1977)
 一曲目の歌謡曲、いやサタデーナイトフィーヴァー的なアレンジはナニ?とは思いましたがとりあえずヒット狙いならこれはこれでしょうがないんでしょう。だけどいきなり2曲目ではグッとスロー・バラード。何をしたいのか良くわからないまま3曲目でイカしたファンキー・ソウルに。そうそう。本来はこれがやりたかったんでショ?これを含む5、9曲目のファンクはベースラインをなぞっちゃうほど気持ち良い。バラエティに富んだ構成ですがやっぱりジェフリー・オズボーンのヴォーカルを聴くバンドなのかしらねぇ。ジャケの派手なコスチュームと共にかなり商業的なニオイのする作品。
L.T.D./love magic(1981)
 ジェフリー・オズボーンがソロ活動のために脱退、その穴をレスリー・ウイルソンが埋める形で生まれ変わったL.T.D起死回生の一発アルバム。これがまたヒットしてしまうのだから素晴らしい。“kickin' back”のような一曲目からガッチリつかみを入れるダンス・クラシックスがあるのは良盤の証で、数少ないマイケル・ストークス・プロデュースの作品の中では誰しもが五指に必ず入れる名作かなと。とにかくジャケ写からすでにツカマレてますよね(笑)。
LULU/independence (1993)
 →コチラでドーゾ。
Luther Vandross/never too much (1981)
 ブラックと言うより、「男性ブラック演歌歌手」しちゃった彼にはほとんど興味がなかったのですが、バディ・ウイリアムス、マーカス・ミラー、ナット・アダレイJr.らにガッチリとつかまれてファンキーさのあった本作はけっこう好きです。それでもこれからの方向性が示されているようなゴージャス感はありますけどね。ブラック・コンテンポラリーのお手本のようなサウンドに乗って、まだソロとしては「かけだし」のルーサーも初々しくてヨイですぞ。
Luther Vandross/your secret love (1996)
 ピーボ・ブライソンがブラコン界の細川たかしなら、この人は五木ひろしといったところでしょうか。ジャケ写で掛けているクリスチャン・ロスのサングラスがインパクトッています。マーカス・ミラーのサポートを得て、とても上品なアルバムで、ブラック演歌の聴きたい人にはこの人。スティーヴィーの「knocks me off my feet」カヴァー収録。
Lyle Mays (1986)
 これは、まさに白人が作り出す音ですねー。パット・メセニーグループで音の核になっているのが彼であることが良くわかります。ポップでもなければテクニカルでもなく、はたまた癒しの音楽かと言うとそうでもない。芸術性が多少あるようには感じますが、これを聴く人っていうのは実際にキーボードをやっている人かメセニー・ファンくらいなんじゃないかなと思うくらい間口の狭いアルバムです。志は感じるのですが自分は苦手。
Lynden David Hall/the other side (2000)
 UKソウルですねー。シンプルです。バックトラックの打ちこみから、もちろん歌も曲作りもすべて自分でやっているようです。派手さのないソウルで、この無駄のないスカスカ感がいいですね。リラックスして聞き流す(失礼!)のにもってこいです。こういうのは。


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