Rachelle Ferrell (1992)
 限りなくブラック・コンテンポラリーに近いサウンドなのですが、基本的にはジャズ・ヴォーカリストで、よりメジャーになるべくPOPに仕上げた2ndアルバムと言えるでしょう。彼女自身のペンによるミディアムナンバー中心で、メロディーセンスはなかなかのモノ。ジョージ・デュークが品の良いアレンジでサポートしています。それにしても、フレディ・ワシントンのタイトなベースはブラコン系の音にバッチリはまりますね。
RAH BAND/rah (1980)
 ビートルズとの活動で知られる英国のアレンジャー、Richard Anthony Hewsonのソロ・プロジェクト、その頭文字を取ったRAH BANDの2作目。時代背景からかこのプロジェクトの中では一番UKジャズ・ファンク色の強い音楽になっていて、Rey Warleighのサックスをフィーチャーしたファッショナブルなインスト・アルバムとして製作されたもので、英国産らしいジャズとポップのフュージョン。その素軽さとお洒落感はシャカタク世代の兄貴分のような存在ですね。
Ralph McDonald/sound of a drum (1976)
 名手ラルフ・マクドナルドの満を持して発表されたファーストアルバム。「タイコの音」というタイトル通りそのまんま、ラルフのヒューマン・パーカッションが全編楽しめますがあくまでもこの人の場合は「曲の脇役」としての位置づけ。ポップでメロディアスな曲調を主体としその中で彼のパーカスが良い味付けをしているわけで、誰にでも楽しめる音楽作りをしているところが良いですね。「where is the love」のセルフ・カヴァーではまるで別モノの仕上がり。リズム隊はチャック・レイニー&リック・マロッタ、そしてエリック・ゲイルとリチャード・ティーのニューヨークな音色がしっかりとサポート。懐かしさ満開です。
Ralph McDonald/the path (1978)
 いやあ、あらためて聴き直して良かった。ワンパターンで一聴してR・マクドナルドとわかるパーカッションですが、このコンピューターのような正確さ!職人芸ですね。Side−Aは民族音楽のようで当時は苦手だったのが、今は、なーるほど。アフリカへの敬愛心からくるコーラスとフュージョンをうまく融合させていたのですね。ボブ・ジェームスのピアノで曲調が変わる所なんて、とてもいいです。古いアルバムももう一度聴き直してみると、その時には見えなかったものが発見できて面白いです。
Ralph McDonald/just the two of us (1996)
 日本企画物っぽいところが、ちょっとイヤなのですが、そういう事と作品の出来は関係ないですからね。いぶし銀のパーカッショニストは、永遠に歌い継がれる名曲の作者でもありました。そんな彼を再認識させてくれるセルフ・カヴァーの数々。超スタンダードなタイトル曲をはじめ、「where is the love」等、ゆったりとした時間を過ごすことができますよ。
RAMP/come into knowledge (1977)
 バンド名は「Roy Ayers Music Production」の頭文字から。その名の通り、音は彼のヴァイヴが抜けただけでロイ・エアーズ・グルーヴそのものと言えるフローティング・ソウル。レンジの狭い録音もこのクールな世界にはかえって合っているような気さえしてしまう…渋いぞ! しっかりと“everybody loves the sunshine”なんかもやってくれていて、アナザー・ユビキティ。こんなバンドがプロデュースできるなんて、ミュージシャン冥利に尽きるねぇ。
Ramsey Lewis/sun goddess (1974)
 ジャケットのインパクトと言い、内容と言い、説明不要の(有)名盤。EW&Fのライヴでも演じていたりと、とかくモーリス・ホワイトがプロデュースしたタイトル曲に話題が行きがちですが、他もイージー・リスニング的な“living for the city”のカヴァーや、そのまま民族音楽要素を絡めた“jungle strut”、鍵盤トリオらしいジャズのインタープレイが堪能できる“gemini rising”などラムゼイ自身も様々なカラーリングを持ち聴き所満載。に、しても74年と言う年代を考えると、やはりアースはクロスオーヴァーの世界でも最先端だった事がわかりますね。
Ramsey Lewis/salongo (1976)
 モーリス・ホワイト/チャールズ・ステップニーと言う黄金コンビにプロデュースされた本作。全体的なアルバムの作りがまさに当時、といっても「太陽神」のようなド派手になる前のアースの香りが良く出ています。ソロ・ピアノの間奏を挟んだり、アースのアルバムの中で必ず一曲は入れていたジャズ・ロック的な曲や、ヴォーカル物もファンキー。60年代から元々繋がりの強い3人ではありましたが、アース・サウンドという物が確立し認知され、そんな個性の強い音の中でそのままラムゼイ・ルイスがピアノソロをとっているような、乗りに乗っていた時期に出るべくして出た、と思わせるアルバムです。
Ramsey Lewis/tequila mockingbird (1977)
 イージー・リスニング的ピアノフュージョンの代表的なアーティストと言ったらこのラムゼイ・ルイスでしょう。もちろんベテランのジャズミュージシャンですが、やはりあの「sun goddes」でこのフィールドに目覚めちゃいましたよね。本作ではラリー・ダンプロデュースによるEW&Fテイストが溢れんばかりのタイトル曲で鳥肌もののグルーヴを聴かせ、さらにヴィクター・フェルドマンの名曲「skippin'」をカヴァーしたりと、センスの良さが光る好アルバムとなっています。
Ramsey Lewis/routes (1980)
 プロデュースは全面的にラリー・ダン。おおー、いたる所に宇宙的(^^;)なシンセサイザーの音が!!「sun goddes」のような名曲はないのですが、気持ちの良いBGM的フュージョンが流れてきますよ。基本的にこういうジャンルの音楽って、難しい事を考えさせないほうがいいのかもしれませんね。
Ramsey Lewis&Nancy Wilson/the two of us (1984)
 定期的にリリースされているこのコンビによるアルバムの「ファーストアルバム」。プロデュースはスタンリー・クラークなのですが、んー、なんとも80年代的なプログラミング・ビートばかりが浮いてしまって。。。当時はこの売り方で良かったのでしょうけど今では少し恥ずかしくなってしまいますね。インストとN,ウイルソンのヴォーカル物が交互に、という構成ですが、やはりデヴィッド・ロバーツの「midnight rendezvous」やL,ウエア&D,フォスターの「slippin'away」などのカヴァーものが馴染みのあるメロディーで心地良い。しかしまあ一曲目を聴いたときにはあれ?CD間違えたかな、と盤を確認するほど違和感が。日本ウケを狙っているなら相当バカにした話だし、逆にインパクト狙いの現地向けに考えたならハズしたなーって。そんな印象。
Randy Crawford/secret combination (1981)
 トミー・リピューマプロデュースによる秀作。ハデさはありませんがこれぞ女性ヴォーカル・アルバム!といった雰囲気に満ち溢れています。夜と酒とこのアルバムですね。ご存知の通り個性的な彼女の歌声。どんな曲を歌っても聴けばすぐに誰だかわかるアーティストっていうのはまず私が好む基本事項です。ストリングス・アレンジの大部分はニック・デカロが担当。
Randy Crawford/windsong (1982)
 バックミュージシャンがさらに豪華になりましたが、しかしさすが、引き続きトミー・リピューマのプロデュースのもとあくまでも主役はこのランディ・クロフォード。しっかりと彼女の歌を聴くアルバムとなっています。前作よりも確かに曲調、アレンジが華やかには感じられますが個性のある歌声は確かなバッキングアーティストの作り出す音の中で埋もれる事なく存在感を示していますよ。やはり引き続き参加のレオン・ペンダーヴィス(key)も嬉しい。ドラムスは全編ジェフ・ポーカロ、ギターはスティーヴ・ルカサー、ディーン・パークス、マイケル・センペロのビック3が。ビル・ラバウンティやスティーヴィー-シリータ作の曲などもやってくれています。
RANDY & THE GIPSYS (1989)
 この頃だとランディ・ジャクソンもだいぶマイケルに似ていましたね。(今のサイボーグ的な真っ白マイケルとは比較になりませんが)さて、まったくもって売れなかった彼がリーダーをとるバンドの作品です。優等生的黒人POPと言ってしまえばそれまでなのですが、なかなか曲調もバラエティに富んでいて、目新しさはないのだけど、まあまあの佳作だったのではないでしょうか。
Raphael Saadiq/instant vintage (2002)
 トニー・トニー・トニーやルーシー・パールなどクセ有り系のソウルグループで活動してきた彼。今のニュー・ソウル界での大物がついにソロ・デビュー作を発表です。彼曰く、この音楽は「ゴスペルデリック(ゴスペルをルーツに、サイケデリックとファンカデリックの3つが一体となった音楽)」なのだそうです。なんだかよくわかりませんが(笑)わかる事が一つ、かなり音にこだわってます。彼らしくリズムは打ちこみ多しですが弦は生音使ってます。配曲に単調なところは全くナシで、やはりクセ者。さすが!と言わざるをえません。ディアンジェロやT:BOZ(TLC)らも参加。
Ray Hayden/sky so blue (1996)
 ちょとヤラシイ男的ジャケット。とにかく音は90年代のブルーアイドソウルなのでしょう。インコグニートやスイング・アウト・シスターらをプロデュースしてきただけあって洗練されたオシャレサウンドが楽しめます。キャラクター的にも好き嫌いは分かれるかな。
RASA/everything you see is me (1978)
 宗教系メロウポップ/AORと言えばクリスチャン・コンテンポラリーとなるのですが、このRASAはヒンドゥー教系のレーベルから出された傑作。特にA面のアルバム・タイトルからたたみかける4曲にはトロトロにメロウなメロディー連打かつ洒落たアレンジでノック・アウト。そこにはCCMにはありがちな隠し切れない宗教色と言うものを感じさせず、純粋にセンスの良いAORグループのアルバムとして気分良く流せるところが良い。まぁ、歌詞の中に「クリシュナ,クリシュナ」と連呼するのはご愛嬌と言う事で。78年という時代感を良い意味でノスタルジックに感じさせる音質もあいまって一枚が佳曲ばかりで占められた良盤。これはハズレなし。
Raul De Souza/sweet lucy (1977)
 ブラジリアン・トロンボーン奏者ラウル・ジ・スーザをその頃親交を深めていったジョージ・デュークがプロデュースしたアルバム。バックをバイロン・ミラーやンドゥグらのGDファミリーがガッチリと担当しておりデューク作の冒頭2曲などはまるで同時期の「don't let go」にスーザが乗っかっているようだ。しかしスーザ自身のオリジナル“wild and shy”や“at will”になると一転しスーザのペースに。表情豊かな歌心を聴かせてくれる、実に味のあるトロンボーンである。他にはフレディ・ハバード、パトリース・ラッシェン、アルフォンソ・ジョンソン、アル・マッケイ、イアン・アンダーウッド、アイアートなど充実のサポート陣でブラジリアン・ポップ・フュージョンを展開している。
 Raul de Souza/don't ask my neighbors (1978)
Ray Gomez/volume (1980)
 スタンリー・クラークのアルバムにおけるジェフ・ベックの代役的なポジションでの活動から、レニー・ホワイトナラダ・マイケル・ウォルデンなど、70年代中盤から後期にかけてのクロスオーヴァー/フュージョンのアルバムではかなり目にすることのできるセッション・ギタリストが1980年に満を持して発表したソロ・リーダー作はギター・ロックアルバムだった。ビートルズ&ローリング・ストーンズ世代としてギターを弾き始め、イエスやヴァニラ・ファッジらとも親交のあった彼の経歴からすると、表舞台に立つにしてもそれまでのタルいフュージョン・ギタリストとは違う立ち位置で行きたいと考えるのも当然か。自身のヴォーカルは微妙ながらセッションマンでならしたテクニックを存分に活かしたギター・ロックは痛快の一言。いや、これもまた1つの「フュージョン」ですね。
Renee Geyer/moving along (1977)
 EASY PIECESのメンバーになるなど、アメリカでの活動でその名を拡げたオーストラリア出身の白人女性シンガー、77年のフリーソウル作。モータウンの名プロデューサー、Frank Wilson製作により、James Jemerson,Nathan Watts,Ray Parker Jr.,Jerry Petersら70年代ニュー・ソウル系には欠かせないバッキングで固められている。躍動感のあるソウルも良いが、冒頭の“heading in the right direction”や“stares and whispers”のようなメロディアス・ミディアムがなんと言っても素晴らしい。豪のロバータ・フラックですね。
RETURN TO FOREVER/romantic warrior (1976)
 ドン、チック・コリアを中心とするエレクトリック・バンドの傑作。なにしろメンツはスタンリー・クラークレニー・ホワイトアル・ディメオラだ。強力なハード・フュージョンでありながら、このメンツらしいブラック・フィーリングやメランコリックな音世界がロマンティックな旋律と共にうまく融合している。リアルタイムでライヴ体感してみたかったバンドのひとつ。なにしろこの時チックでさえ30代半ば、他はすべて20代の精鋭だったのですから、この時代は才人の宝庫だったのだなぁと。
RHYTHM HERITAGE/sky's the limit (1978)
 マイケル・オマーティアンを中心として当時のスタジオ・ミュージシャンが大集結した往年の名グループ。ラスト・アルバムの本作での主要メンバーはエド・グリーン&スコット・エドワーズのリズムコンビにジェイ・グレイドンのギターで白人が多いのに音はかなりファンキーなライトソウル。しかしここでは何と言ってもビクター・フェルドマンの「skippin'」やタイトル曲、「スタスキー&ハッチ」などのインストがやはり思い出深いですね。
Richard Tee/strokin' (1978)
 あー、ニューヨーク!ってなカンジですね。実際に行った事はないんですけど。エリック・ゲイルやスティーヴ・ガッドのSTUFFメンバーにチャック・レイニー、ラルフ・マクドナルド、マイケル・ブレッカーときたらもう想像がついてきちゃいますよね。しかしまあこの人の独特なグルーヴ感。ジャズとかフュージョンとかそんなカテゴリはどうでもいいんですよ。とてもハッピーなピアノを弾くアーティストがいました、聴くとみんなが楽しくなってしまう人でした。そう、その人の名はリチャード・ティーという人でした。でも、もうその人の演奏を生で聴くことはできません。合掌。
Rick Riso/gotta have the real thing (1985)
 メッセンジャーのリード・ヴォーカル/ギターだったリック・リソーのファースト・ソロアルバム。一応、CCMのカテゴリに入るものながら、センスの良いアレンジのアダルト・コンテンポラリーと言ったほうが良く、ここにはキツいクリスチャン色はない。時代に媚びず、ドラムも打ち込みではなくジョン・フェラーロらが叩く生音が嬉しい。CCMの方々は根底にあるものが違うので、音はどんなに洗練されてもメロディーが優しく、美しいと言う特徴があり、そこに良盤の生み出されやすい下地があるのでしょう。カルロス・リオスのギターソロがこみ上げてくる“remember me”はベスト・バラッド。
Ricky Lawson/first things 1st (1997)
 YELLOWJACKETSの初代ドラマーと言うとわかりやすいのでしょうけど、セッションマンですから実はいろいろなアルバムで彼のタイコを聴く事ができます。本作はそんな彼の「顔の広さ」を思いッキシ見せつけたような幕の内弁当的アルバム。6曲目「blues club」ではR,Ferrante、J,HaslipにR,Fordという完璧な初期のイエロージャケッツメンバーが再会し、さらにM,Millerのチョッパー・ベースまで加わった豪華セッション。基本的にはヴォーカル曲をメインに据えたBLACK/AORに仕上っているのはBill Cantosの参加が大きいか。フィル・コリンズやドナルド・フェイゲン、アル・マッケイやフレッド・ホワイトらのEW&F勢などが「さりげなく」参加など、とてもここでは書ききれませんがとにかくひたすら豪華に攻めているわりには音の方も「さりげなく」聴ける落ち着いた作りになっています。
Ricky Peterson/night watch (1990)
 デビッド・サンボーンと一緒に音楽活動をして来た白人キーボーディストのファースト・リーダーアルバム。AORテイストの強いフュージョンです。ヴォーカルナンバーではビル・ラバウンティPAGESのカヴァーを披露していたりして選曲がなかなか渋い!こういった部分で密かにウケているコレクター向けの一枚ですね。プロデュースはトミー・リ・ピューマ。
Ricky Peterson/smile blue (1990)
 カヴァーする曲がどちらかというと日本で人気のあったAORを中心にする人なので、本人もやはり本国よりも日本ウケを狙ったのかどうかは知りませんが、今回はボビー・コールドウェルの「what you want do for love」にやられたー! インストもライトタッチになりすぎず、スリリングな展開を見せます。とてもカッコイイです。
Ricky Peterson/a tear can tell (1994)
 今度のカヴァーはラーセン・フェイトンバンドだったりします。またまたやっちゃってくれたりする人なんですが、本国アメリカでは旬を過ぎたようなジャズ畑AOR路線を誰がなんと言おうとやり続けるんですから、本当にこのスタイルの音楽が好きなんですね。ジェフ・ローバーがスムース・ジャズ路線に移行していってるようですが、この人はこのままの姿勢で行ってもらいたいものです。ヴォーカルもソウルがあっていいですね。THE STEELSもコーラスで参加。
Ricky Peterson/souvenir (1999)
 今回はいわゆる「スムース・ジャズ」なアルバムで、元々持っていたファンキーなスタイルのナンバーもありますがどちらかと言うと落ちついた雰囲気の曲が多いです。白人のキーボーディストはどうしてもそういった方向に傾いていきやすいものですね。ヴォーカル曲も多少挟んでいますがこの人の持ち味であったAOR的な部分というのをもう少し見せて欲しかったですね。そういう点では貴重なアーティストですし。
Robben Ford/the inside story (1979)
 とても好きなアルバムです。この頃は、フュージョンと言えばまずギタリストが注目されましたが、この作品に関しては同時期のラリー・カールトンリー・リトナーよりも気に入っていました。プロデュースはスティーヴ・クロッパー!ギターの音色も私好みの音で、全体を通して駄曲がなく、ダレないで聴けるところは非常にヨイです。フレーズがとにかくいい。
Robben Ford/love's a heartache (1983)
 どういう意図で制作されたのかわかりませんが、前作でガチッとフュージョン・ギター小僧のハートをつかんだはずのロベン・フォードが4年ぶりの本作では松居 和をプロデューサーに迎えたヴォーカル物中心のAORアルバムを発表していたのでした。多分本人にとっては封印してしまいたい作品かもしれませんね。曲の作者に林 哲司がいたりと、かなり日本の制作サイドがからんでいるような。ラストのインストにかろうじてロベン・フォードらしいナンバーがおしのびで。総じては彼らしさ、というのはどうもほとんど無いような気がします。個人的には結構好きなアルバムだったりするのですが…
Robbie Buchanan/original demos (2000)
 ご存知COOL SOUNDが日本国内限定で発売したロビー・ブキャナンのデモ集。デモと言ってもギターを除くインストルメンツのほとんどをブキャナン自身がプログラミングして、ヴォーカリストが誰かは秘密となっているだけで曲としては完成度の高いものばかり。すべて彼が作曲したもののみで占められており、“any other fool”や“only love”などの有名な曲はもちろん、なぜ誰も歌わなかったのか不思議なくらい魅力的な未発表曲まで彼のハイ・センスなソングライターぶりが堪能できる一枚。特に“deeper side of love”や“someone to watch over me”!! こんな素晴らしいメロディーが埋もれてしまうんだから音楽界と言うのは奥が深くも、つくづく恐ろしい世界です。
Robbie Dupree (1980)
 一曲目の「STEAL AWAY」を全米ヒットチャート6位にまでマークした実績があり、このロビー・デュプリーはいわゆるAORにカテゴライズされるシンガーとしては成功をおさめています。逆にいえばいかにもマイケル・マクドナルドスタイルなメロ&アレンジが二番煎じ的に感じ、ヒットとはうらはらにマニアックなファンからはたいした評価もなかったようですが、あの頃のホワイトポップを懐かしみたい人にははずれのない内容となっているのではないでしょうか。
Robbie Dupree with David Sancious (2004)
 そのロビー・デュプリーとこのホームページでも何枚かご紹介している黒人ピアニスト、デビッド・サンシャスとのデュオ・アルバムが20数年経った今の時代に発表。地道に活動はしていたんですねぇ。このようなシンガーとピアニストのデュオアルバムではリオン・ウエア&ドン・グルーシンを思い出しましたがあちらはジャズ・スタンダードのカヴァーだったのに対しこちらはR,デュプリーの過去の作品からこのアルバムのためにセレクトされたセルフ・カヴァー。大変綺麗なハーモニーを奏でるD,サンシャスのピアノとともに彼の歌心が沁みてきます。今までコンスタントにアルバムを出していたようですが正直、それほど期待もせずに聴かず終いでした。今回の再会は二人ともまったく違うアーティストに出会ったかのようで、じっくり歌を聴きたい夜にハマってしまいました。
Robby Krieger & Friends (1977)
 ロック・バンド、ドアーズのギタリスト、ロビー・クリーガーがバンド解散後にブルー・ノートで企画・制作された異色のインスト・アルバム。それこそジャズ・オルガニストのジミー・スミスからその後名を馳せる事となるグレッグ・マティソンシーウインドのケニー・ワイルド等あらゆる方向からその「フレンズ」がレコーディングに集まる事となった。元々はジャズ・ロックをやっていたと言うR・クリーガーだが、ここで繰り広げられるのは気難しさの無いファンキー・ロックが中心。彼のサイケ風味なギターは曲の味付け程度で控え目、どちらかと言うと作られた曲のセンスを楽しむアルバムとなっている。“the ally”のような疾走感のあるジャズ・フュージョンもカッコ良いのですが、ロック奏法のみの彼がそれだけで通さなかった潔さは正解でしょうね。
Robert Brookins/in the night (1986)
 この頃流行のプリンス(と言うよりはアレックス?)系なジャケ写が、いかにもこのアルバムを物語っていそうですが、内容はそのイメージよりももうちょっとメロディアスな'80sプログラミング・ブラックと言ったところ。本人は鍵盤アーティストでもあり、さすがツボを押さえたA級ブラコンになっていますね。打ち込み自体が苦手な人には少しキツイかもしれませんが、そんなにチープではなく結構アーティスティック。タイトルトラックではステファニー・ミルズとデュエットしてます。これはジョージ・デューク繋がりなんでしょうね。
Robert Brookins/let it be me (1988)
 ソロデビュー作の「in the night」よりも先に手にした作品。セッションキーボーディストとして様々なレコーディングに参加していたロバート・ブルッキンスのリーダーアルバムなので、どんなフュージョンかと思ったら前半を落ち着いたヴォーカルナンバーでかため、後半5曲をダンサブルナンバーで続けると言う変わった構成をとっています。普通は逆でしょう。しかし、後半はあまりおもしろくないですね。確実に前作よりパワー・ダウン。
Robert Byrne/blame it on the night (1979)
 モータウンのアーティストなども手掛けていた、北米中南部アラバマのマッスル・ショールズのプロデューサー・チームに認められ、そこで地元腕利きミュージシャンと共に作られたソングライター、ロバート・バーンの1st。アルバム冒頭のR&B/ロックナンバー“baby fat”が出だしのブルージーなギターといいなんとも南部音楽の香りプンプンで間違えられそうですが、そこはご愛嬌といったところだったのでしょう。続くタイトル・ナンバーからはR・バーンの真骨頂と言えそうな優しく甘いメロディーに包まれるメロウ・AORの世界が続きます。楽曲重視リスナー必聴の名盤。Byrne and Barnes名義の2ndと合わせてどうぞ。
Robert Lamm/skinny boy 2.0 (2006)
 ミスターCHICAGO、ロバート・ラムが1974年にさりげなく発表していたファーストソロアルバム。以前に一度CD化はされていたようですがすでに廃盤となっていたままでした。しかし今回version 2.0としてめでたく(これまたさりげな〜く)リイシューされたようで。パソコンソフトのごとき2.0とつけられたのは、ボーナストラックが加えられたから。しかも+6曲というサービス。SKINNY BOYなんてご謙遜(?)なタイトルに反して、ステキな音楽を作るやさ男っぷりが満開のこのアルバム、いやぁ、あらためて聴きごたえのあるモノなのでした。意識的にブラス・セクションを入れなかったのはやはりソロ作である事を強く打ち出したからか。それほどR・ラムのピアノや故テリー・キャスのベースはまんまシカゴ。ではブラス・セクションを除いたシカゴなのかと言えば単純にそうではないようで、幕開けの“temporary jones”はさすがにその香りのするものですが、続く“love song”ではプレAORと言っても良いほどの甘いナンバーに。フリーソウルな“a lifetime we”、James Vincentのブルージーなギターが炸裂する硬派な“city living”、タイトル・トラックはファンキーなホワイト・ソウル等、できる事はすべてやったといわんばかりなトータル・アメリカンPOPアルバムで、内容の濃さは圧巻です。曲中で音の展開がめまぐるしく変化するものが多いのも特徴で、中でも私が「人名タイトルセレクト(SELECT-13)」でも取り上げた“crazy brother john”は一番のジェットコースター・ナンバー。ボーナス・トラックも往年のシカゴ・ファンなら歓喜のお蔵出し、といったところでしょうか。こんなありがたき自主製作による名盤の復刻、CDBABYで買えますので是非どうぞ。
Roby Duke/not the same (1982)
 CCM系ソングライターの1st。爽やかなウエスト・コーストサウンドに乗って暖かなR・デュークのヴォーカルが優しく包み込む、ハート・ウォーミングAORの良作。アレンジ面もさりげなく手の込んだ作りになっており、特にジョン・パティトゥッチ作のナンバーはさすがベースラインだけなぞっていてもその片鱗が垣間見えるところが面白い。
Rockie Robbins (1979)
 サラッと流れていくライト・ソウル路線であったロッキー・ロビンズの1st。リッキー・ピーターソンら白人のバッキングも起用しているところからAOR好きにも喜ばれる内容ですね。いや、このメロディー展開はなかなかツボを押さえていてあやうく聴き流してしまいがちなところを「オオ!」っと引き寄せてくれる芸の細かさがニクい。“be ever wonderful”をカヴァーしてくれたのはホント嬉しい。本家よりもこちらのほうがヴォーカルワークの巧みさで軍配かも??素敵です。
Rockie Robbins/you and me (1980)
 Bobby Martinのプロデュース/アレンジにより1stより幾分黒さを打ち出した本作。何と言ってもドラムはJames Gadson、ベースはLarry Grahamが全曲リズムを支えていて、L・グラハムのスラッピングはもちろん、やはり音が太くなっています。それだけでも1stとの方向転換を感じることができますが、持ち味のメロウなスタイルは劣らず、それでいてよりソウルファンに強くアピールした仕上がりとなっています。Leon Ware作の“point of view”を歌うところもいいね!合ってます。
Rockie Robbins/I believe in love (1981)
 3rdはSkip ScarboroughとJerry Petersのプロデュースと言う渋い組み合わせ。前作のソウル寄りな作りからまた洗練されたAOR系の音に戻ってきたようです。ここでの特筆は“my old friend”のカヴァー。PAGES作をアル・ジャロウが歌い有名な曲でしたがR・ロビンズのさわやかなヴァージョンも良いデスぞ。同じく“for you, for love”も思わず身を乗り出す出来。AWBより良いかも。80年代に入ったアルバムらしく軽快でスッキリと聴ける音になっていてこれまでの3枚の中ではベストと言える作品。しかし、やっぱりこの手のアーティストって残れる人は少ないんですね。
Rodney Franklin/in the center (1978)
 若干19歳にしてソロデビューを果たしてしまった彼のこれが1st。時代背景から言ってクロスオーバー/フュージョン花盛りの時でもあり、これといった下積みをつまずにCBSからのいきなりのデビューというのもさほど驚きに値するものではなかったのでしょう。しかし、鍵盤奏者としてのプレイはもちろん作曲もこなし、ジャズを下地に繰り広げる音楽性豊かな才能を持つ新星として売り出すには充分な要素を持っていたのでした。組曲あり、ソウルあり、スムース・ジャズありと、自己紹介アルバムとするにはかなり濃い内容となっています。
Rodney Franklin (1980)
 タイトルからもあらためて仕切り直し、と言った所の2nd。まず一曲目の“windy city”、女性ヴォーカルを加えたブラック・フィーリングに満ちたナンバーでつかみはバッチリ。1stよりも統一感のある親しみやすい作りになっています。その前作で収録されていた“life moves on”や“I like the music make it hot”、“on the path”なども再録。特筆すべきは“in the center”で、前作のアルバムタイトルと同じですが、Don Myrickのホーン&ストリングスがからむEW&Fテイストなジャムがカッコいい。つまり、これが言わば「仕切り直し」を象徴する曲なのであり、これこそロドニーのデビュー・アルバムと言える作品なのですね。もう一つ、ジャケ写にも表れている通り、彼はピアノ・マンである事にこだわっているようでこの中ではエレピはほとんど使っていません。ファンキーでPOPな中にも“awakening”、“creation”のような繊細なナンバーも作ってしまう懐の広さは若くして素晴らしい。サポート・メンバーで特に良い仕事をしているのがギターのフィル・アップチャーチ。存在感あります。
Rodney Franklin/you'll never know (1980)
 前作でのブラッキーなピアノ・アルバムといったいかにも親しみやすい作風から一転、少し間口を狭めたピアノジャズ寄りのスタイルとした本作。それでもB面のクールなフュージョン展開が素敵。黒いジェフ・ローバーといったところですが、この人のこだわりはアコースティック・ピアノをバックにしたジャケ写にも現れている通りの「ピアニスト」。ヴォーカルが入ったミディアムなタイトル曲がハイライトですが、じっくりと聴きたい人にもOKなインスト重視の作りとなっています。
Rodney Franklin/endless flight (1981)
 若干22歳にしてもう4枚目。彼のような親しみやすいメロディーを奏でるアーティストは少なかったのかな。さらにエンタテイメント性を高めたジョー・サンプルのような、と言ったら怒られてしまいそうですが、そんなピアノマンですね。テクニックや芸術性に重きをおく当時の日本ではさほど人気が出ませんでしたが、これはカヴァーで再び知れ渡った彼の中でも最も人気の高い一枚。TOMTOM84(Tom Washington)のプロデュース。
Rodney Franklin/learning to love (1982)
 時代の波に乗らざるを得なかったアーティストのターニングポイントとなった作品。プロデュースはスタンリー・クラークで、やはりこの人はジョージ・デュークと共に調子に乗りすぎた感がありますね。80年代がモロに出た軽いヴォーカル・ナンバーで始まる本作、8曲中5曲がヴォーカル入りと、さらに万人受けPOPを意識した作りとなっています。しかしながらここでは電気鍵盤の割合が増え、この人の売りであったアコースティック・ピアノの持ち味が薄れてしまいました。マイケル・センベロやジョン・ロビンソン、ネイザン・イースト等バックはそういう意味で強化されていますが、アーティストとしての存在意義に疑問符がついてしまうような意味のないヴォーカル曲もあり中途半端な印象。もしかしたらスタンリーが第二のG・デュークを作り出そうとしていたのかも…と勝手な想像をしてしまうのでした。その後ロドニーの作り出す音を聴くとこの人の意識が変わったのはここなのかな、と変に納得。
Rodney Franklin/diamond inside of you (1988)
 本国アメリカではそれなりに売れていたようで、コンスタントにアルバムを出していましたが、日本ではほとんど評価されないアーティストでした。BCM寄りのフュージョンキーボードアルバムです。確かにダンサブルではありますが、あまりにもアメリカ的すぎる音でもあります。何か名曲のカヴァーでも一曲くらい入れておいたら良かったのかもしれませんが。
Roger Glenn/reachin' (1976)
 70年代を代表するグルーヴ・マスター、マイゼル兄弟のプロデュースによる黒人フルーティストのフュージョン・アルバム。その兄弟作のファンキーなタイトル・ナンバーで幕を開けるが実のところは彼自身のフルート・ソロがフィーチャーされたジャズ寄りの曲の方が面白い。マイゼル兄弟らしい浮遊感のある“don't leave”などと主役の作るジャズ・プレイヤー色の強いナンバーが混在したアルバムだ。レコーディング・プレイヤーはヘッドハンターズからビル・サマーズとポール・ジャクソン、そして若きマーク・ソスキンやレイ・オビエドらが名を連ねている。ヴァイブ奏者でもあるR・グレンのプレイとP・ジャクソンのファンク・ベースがバトルする“EBFS”がカッコ良い。
Roger Voudouris/radio dream (1979)
 エレクトリック、アコースティックを問わずギタリストとしてもなかなかのSSW、ロジャー・ヴードリスがマイケル・オマーティアンとタッグを組んで制作したソロ2作目。アメリカン・ポップとして「売る」目的はもちろん強く感じられるのだが、随所随所に見せるアレンジの妙やサポート・プレイヤーが発する味のあるポイント・プレイなど並のポップ・アルバムには出せないこだわりに思わずニヤニヤさせられてしまう。マイケル・マクドナルドを意識した“get used to it”に始まり、M・オマーティアンとリーランド・スクラーが絡むイントロから抑揚をつけた展開をする“does our love(depend on the night)”は特に面白い。また、この人のもうひとつの魅力は“anything from anyone”や“the next time around”などに見るメロディーと歌の素晴らしさ。これが若干25歳の時の作品とは。真髄はミディアムからバラードに在り、と言えるSSWの本質を確りと感じさせるシンガー。ナニゲに恋・愛を歌うナンバーで占められている、とてもロマンスなアルバムでもありますゾ。
Roger Vouduris/on the heels of love (1981)
 自らが持つメロディ・センスをさらに生かし、80年代初頭AORの潮流に乗せるべく作られたようなこの4th。ここでタッグを組んだのは名アレンジャー・チャールズ・カレロで、よりポップになりつつもけして浮き足立つ事無く自分の音楽を表現しようとする様は若くしてすでにベテラン・シンガーの貫禄さえ感じられる程だ。それ位にこれは大人な作品。いや、AORと言うよりは深みのあるポップスであり、それは何よりもR・ヴードリス自身の魅力たっぷりなメロディーとヴォーカルが全て。才人でありながらこれでアルバム制作打ち止めとは酷な世界だとつくづく感じますね。
Ronnie Foster/sweet revival (1972)
 スティーヴィー・ワンダーとの活動でその名が知られた鍵盤奏者のソロ2作目。ジャズをベースとしつつも当初からソウルを強く意識した音作りを行っており、収録の半数はオージェイズ、ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ等、当時の名曲をカヴァーしています。オルガン中心のとても時代感のある音で、どちらかというとソウルジャズになりますが貧弱な安っぽさの無いところはさすがブルーノート。その「ぬくもり」にホッとさせられてしまうのです。ラストのR・フォスター自作“inot”が唯一スリリングなクロスオーバー。プレイヤーたるところもしっかりと見せてくれていますね。 
Ronnie Foster/cheshire cat (1975)
 ジョージ・ベンソンのプロデュースによるBN-LAからの本作は、ロニー自身のヴォーカルをフィーチャーしたソウル色の強いものとなっており、さらにスティーヴィーの影響が濃くなったカテゴリ・レス指向。しかし、ソウル寄りとは言っても本人の鍵盤は前面に出ており、安易なPOP化ではなくプレイを楽しみたいクロスオーバー・ファンにも余裕をもってOKな内容。“tuesday heartbreak”のカヴァー以外は全てロニー作の曲で占められていますが、どれも味のあるものばかりでライティングセンスも高い。こういう人が好き。後、さらにコンテンポラリー展開をするCBS/コロンビア時代の基礎となる音があります。
Ronnie Foster/love satellite (1978)
 彼のコロンビア時代のリーダーアルバムはもう今ではほとんど目にすることがないほど入手困難になってしまいましたね。スティーヴィー・ワンダーと親交がありバックでも弾いていたので、本作でも逆にゲスト参加しています。ヴォーカル物とインストを取り混ぜて、結構いいアルパムなんですが、今聴くとちょっとアカ抜けすぎかな。セールス的には失敗したようで、CD再発もなさそうですね。
Ronnie Foster/delight (1979)
 コロンビアやエピックといったかつてのCBS系からのフュージョンはサウンドの垢抜け度では当時ピカ一で、今聴いても古臭さを全然感じさせません。この人もセッションキーボーディストとしてはちょっとした人気があったのですが、演奏テクニックを前に出さず心地良さを重視したブラコン・フュージョンは、よほど楽曲が良くないとたいした評価にはならないもので、結局はB級作品にとどまってしまったところは内容のわりに残念ですね。フレッド・ホワイト、スティヴランド・モリス(セッションネーム)、レオン・チャンクラーらがドラムスを担当。
Ronnie Laws/pressure sensitive (1975)
 アルバム一曲目の「always there」はやはり名曲。オリジナル・ラヴの「スキャンダル」の元ネタかと言うのは新たな解釈と言えるでしょうか。しかし75年にしてこのセンス。ここまで洗練されたブラックコンテンポラリー・ジャズ・フュージョンをやられてしまうとはね。EW&Fでの旧友ローランド・バウティスタ(g)が前面サポート。ジョー・サンプル、ウイルトン・フェルダーなどクルセイダーズメンバーがゲストでウエイン・ヘンダーソンのプロデュースとなっていますが、当時としてはかなり先を行っていたグルーヴ感なのでは。今聴いても古臭くないしね。
Ronnie Laws/friends and strangers (1977)
 クロスオーヴァー・サックス・プレイヤーとしてだけでなく、自らのヴォーカルをフィーチャーしたりと早くからコンテンポラリー・ミュージックを意識していたロニー・ロウズですが意外と話題にのぼる事も少なかったですね。聴けばすぐに彼とわかる独特のサックスは好き嫌いが分かれるかな。R・バティスタと共にラリー・ダンのシンセサイザーも参加と、裏アース・サウンドの協力を得た、一歩先を行っていたサックス・アルバム。タイトルナンバーはどちらかと言うとデイヴ・グルーシンのカヴァーの方が知られていますね。
Ronnie Laws/flame (1978)
 ラリー・ダンとの共同プロデュース曲、特に冒頭の「all for you」はカッコイイです。これだけ個性のある綺麗なアレンジをするのに、どうしてラリーは早々と消えてしまったのでしょうね。もうちょっと活躍してくれても良かったですよね。
Ronnie Laws/solid ground (1981)
 ロウズ兄弟の中でもこのロニー・ロウズは一番POPなサウンドに傾倒して行きました。と、いうのも、一応ジャズ系のカテゴリに入るミュージシャンですが、元々初期のEW&Fと親交があったので、音楽的にもかなりフリーソウル的な部分は前々から見せていましたよね。サックスの音も聴けばすぐわかる独特の音色を出す人です。
Ronnie Laws/mirror town (1986)
 旧友ラリー・ダンのサポートがここでも生きているPOPなアルバムです。この人のサックスも壮快であまり当たりはずれのない作品を出すのでつい買ってしまいますね。サウンドは時代を象徴してリズム系は打ちこみに変わってきていますが、独特のポップセンスは健在です。
Ronnie McNeir/love's comin' down (1976)
 モータウンから発売されたサード・アルバム。ソング・ライトからアレンジ・プロデュース、そしてインストルメンツまですべて自身で行うマルチ・パフォーマーから繰り広げられるのはどこまでもスウィートなメロウ・ソウル。しかし、甘美な音世界と言ってしまうにはあまりにもな熱いダンサーも多く、“funky situation”のようなそのタイトル通りの黒々としたファンクもあったりと、メロウな中にも男気を感じるのですね。リオン・ウェアと比較対象されがちですが、リオンがセクシー・メロウなのに対しこちらはテンダー・メロウなのでしょう。
Ronny Jordan/the quiet revolution (1993)
 70〜80年代はフュージョンとブラック・コンテンポラリー、またはAORとの融合という流れがありました。では、90年代はヒップポップとのミックスか?と思わせる時期もあった。モンゴメリー-ベンソン風のjazzyなセミアコギターではありますが、サウンドは90年代のブラックサウンドをバックにカッコ良く決めてます。でも、この人最近パッとしませんね。
Roy Ayers/in the dark (1984)
 ご存知ソウル/ジャズ・ヴァイヴの御大ロイ・エアーズ80年代に出した迷盤。それと言うのもプロデューサーに迎えたスタンリー・クラークがこの時期はそれはもう血迷いまくりで、自身のアルバムもそうですがやたらとドラム・マシン(LINN DRUM!)の多用というただの軽い音楽の乱発をした頃。新時代のサウンド・クリエイターを目指したのはわかるのですが今となってはかなり封印してしまいたい時代のハズ。大御所のヴァイヴ・プレイや黒っぽさの失われないヴォーカル曲もありますが、やはりドラム・マシンではグルーヴ感もなにもあったもんじゃないですね。
Roy Ayers/you might be surprised (1985)
 んで、LINN DRUMのビートをさらに極めた前作と並ぶ迷盤ここにも。しかしここではS,クラークの中途半端なポップ志向ではなく、その筋ではすでに専門家となったJames Mtumeがロイ自身と曲を半々に分け合いプロデュース。プログラミング・ビートもやはり「らしさ」が出ているようで、こういった80年代ファンクが好きな人にも前作よりは許される内容となっているのではないですか?ユビキティのグルーヴをこの時代に求めても無理な話ですからね。
Roy Ayers/drive (1988)
 とても珍しいロイ・エアーズのインディーズ(?)アルバム。この人らしく、かなり泥臭いブラック・フィーリングたっぷりの作品です。今聴くと結構新鮮で、シンプルなファンクがかなりイイかも。ちょっと手に入らないとは思いますが、このテが好きな人は中古屋とかで目にしたら即getしてください。
Roy Ayers/a shining symbol (1993)
 ベスト盤。ジャケットの色でこの青い方と、白い方2枚同時に発売されたようです。こちらのほうがユビキティ時代の代表曲が多いかな。「searching」、「everybody loves the sunshine」などはこちらに収録。まずこちらの青盤をgetして、さらにロイ・エアーズを深めるなら白盤の方も聴くとなお良し。この人の良さは垢抜けきらないところですね。黒人だけの世界にドップリ浸りたい時に。
Roy Ayers/get on up get on down (1993)
 ベストの白盤(と私が勝手に呼んでいる)。こちらの方はアップテンポの曲が多いです。青盤とともに、ロイ・エアーズをまとめて聴くにはとてもお徳な曲構成となっています。ただ、「風のシルエット」のカヴァーはクサい。女性コーラスの入れ方がイモすぎてダメです。こういう「はずれ」があるのもこの人のいいところ?
Roy Ayers & Wayne Henderson/step into our life (1978)
 言わずと知れた、ヴァイブとトロンボーンのおじさん達が組んで自分流ソウル/フュージョンをやっているアルバム。音の方はまぁ、らしいと言えばそのままなのですが、多用するヴォーカルの使い方やそのディスコ調のソウル・フィーリングがなんともオヤジ的な古臭さ。ヘタなディスコ・サウンドへの色目使いよりも“lovers should always be together”や“no desposit no return”、さらには最後をシメる“swarte”など、彼らが操る脇役的な楽器をしっかり際立たせたフュージョン・ナンバーの方が聴き応えがありますね。
Roy Ayers & Wayne Henderson/prime time (1980)
 変わらずコーラス隊の使い方はオッサン・ソウルですがサウンドがさすが80年代に突入してきたようなアカの抜け方。ファンキーとメロウを使い分け、ややもするとそんな曲調を乱してしまうヴァイブとトロンボーンのマイナー楽器を違和感なく馴染ませている。そこのところは元々好きでやっていた二人、ジャズ畑でならしたプレイヤーがブラック・ミュージックをやるとこうなる、当時の新世代ソウル/ジャズとして聴くならこんな感じでも良かったのかな。
RUFUS with Chaka Khan/the very best of RUFUS with Chaka Khan (1982)
 正直言うと、「do you love what you feel」しかイメージがなかったもので、ベスト盤から当たってみることにしました。やっぱりクインシー・ジョーンズのプロデュースは偉大ですね。他の曲と全然勢いが違います。当然、ダメダメ曲もありましたが。
RUFUS/seal in red (1983)
 チャカが抜けた後のルーファスもしぶとく活動を…あ、いやいや、これは言わずと知れたその「しぶとい」アルバム。ジョージ・デュークが「dream on」後のブラコン・プロデュースに乗りにノっていた時の作品。キーボードでも参加していて、レコーディング・エンジニアがTommy Vicariでは、まんま・dream on状態ですがいやいや、かなり良いノリでおすすめ。ジョン・ロビンソンがしっかりと刻むドラムスに乗るブラコン・サウンドは打ち込み主流になる80'sにおいてはまさに、「最後の遺産」かな? まあ、さておき、表より裏ジャケの真っ赤なアシカがいいですね〜。
Russ Taff/walls of glass (1983)
 CCM界の大御所グループIMPERIALSに在籍していたラス・タフのソロデビュー作。83年と言う微妙な時期に打ち込みを使わず、70年代的な暖かさのある安心のAORサウンドを堪能できる名盤と言えましょう。バックも非常に豪華で特にRobbie Buchananがマクサス・テイストの嬉しい音を出してくれています。マイケル・オマーティアン作「Jeremiah」のカヴァーではCCM繋がりもありますが本人もしっかり参加していますね。古臭くなく、新しすぎず、これぞAORという音を求めている人には是非オススメ。
Russ Taff/medals (1985)
 CCMとカテゴライズされた音楽は、魅力的でありながらメジャー・ミュージック・シーンにおける流れと比べると2〜3年遅れて追随してきたイメージがあったが、ラス・タフの本作はハード・ポップな中にもメロディアスな部分がしっかりと残っていて、かつ録音法(特にドラムスや鍵盤)が時代的にもぴったりとマッチした、80'sポップスをリアルタイムに用いた好盤となっている。ギター・ソロをここまでアレンジの中で際立たせることができたのもここらへんが最後の頃か。比較的低音で雄弁な印象のあるヴォーカルもここではどちらかと言うと伸びやかでエネルギッシュ。


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