CALDERA (1976)
 カルデラのこの1st。この再発を聴いて、次に紹介している3rd「TIME AND CHANCE」を聴き直してしまいました。たしかに25年前の中学生の時に感じたものとはかなり違う印象。やはりアルバムは10年経ってからまた聴いてみろ!ですね。さて、このカルデラ、ギターのJorge Strunz(コスタリカ出身)とキーボード&シンセのEduardo del Barrio(アルゼンチン出身)が中心となって音作りをしているようで、わかりやすく表現するとラテン・フュージョンなんでしょうがそんな軽いイメージのものではなく、大変に凝ったアレンジと重厚感、だからと言って難解すぎるわけではなく適度に親しみやすい音色と、特にStrunzのアコースティックギターが効いたエキゾチックな雰囲気をあわせ持ったバンドと言えるでしょう。多少はウェザー・リポートの影響もあるのかな?しかしそれよりもかなりエキサイティングに飛ばしてくれるナンバーなどもありカッコいいです。ここでのドラムスはご存知Carlos Vega(キューバ出身)。BGMなんぞにゃ絶対にさせられない気合の入った音楽でこれぞクロスオーバー!と唸らされてしまいます。そしてプロデュースはウェイン・ヘンダーソン!この頃のクルセイダーズとはまったく違う音ですが(5曲目のガラッとデイヴ・グルーシン風に変わるナンバーにわずかながら似たような味がチラッと)、かなりクセのあるファンク・アルバムをプロデュースしたりしていましたし、こんな仕事もしていたのですね。さらに蛇足ながら“special thanks for positive energy”としてモーリス・ホワイトやラリー・ダンなどEW&Fメンバーの名が。確かに70年代前半のジャズ・ロックなインストをやっていたアースに通じる音の雰囲気もチラチラ見えます。名盤「太陽神」でラテン・フレイヴァーを効かせていた影の立役者がエウミール・デオダートとこのカルデラのエデゥアルド・デル・バリオ(そう言えば「runnin'」の共作者」)でした。いろいろな部分で聴き所満載のアルバムです。
CALDERA/sky islands (1977)
 と、そこでこの2ndも聴いてみましたが、やはり子供の頃の聴力レベルによる先入観で物事を決めてしまってはいけませんですなぁ、と言うのが正直な感想。まずタイトル・トラックに驚き。ダイアン・リーヴスのあの曲ってこれが原曲だったのか。しかも作者はLarry Dunn?そんな事も21世紀になるまで気がつかなかったのかとア然。南米ミュージシャンを中心とするクロスオーバー・グループですが民族的な音になりすぎず、かえって洗練されすぎてしまっているほどスマートなのはCarlos Vegaのキャッチーなドラミングによるものなのかもしれません。いまだCD化されないし、自分でベストでも作りましょうかね。
CALDERA/time and chance (1978)
 基本的にはインストルメンタル系のフュージョンバンドですが、幻想的な雰囲気の曲が多いと思ったら、一曲だけラリー・ダンのダンサブルな曲も入っていたりと、(このあたりは「太陽神」でのE.del. Barrioとの親交からでしょうけど)なんとも不思議な曲構成で良くわかりませんです。(加筆・これが25年前の印象。確かに統一感がなくゴッタ煮的ですが今聴くとかなり味わい深いです)ドラムスはアレックス・アクーニャ。
♪shanti♪
CALLOWAY/all the way (1989)
 なんだこりゃ。ポップなのはわかるんですけど、黒らしさがないですね。典型的な無機質の打ちこみリズムで、確かに当時はプリンスを筆頭に黒も白もなくてこの類のサウンドがもてはやされた時もありましたが。やっぱり一時的なんですよね。こういうのは。
CAMEO/single life (1985)
 すっトボケてますよね。とてもチープな打ち込みサウンドに、「I’ve got your image」みたいな綺麗なメロディーをのせてみたり、どこまで本気なんだか。いや、マジなんでしょうけど(^^)。この頃はコンピューター・ファンクながら、曲で聴かせる「ブラコン」的要素が強く出ていました。

CAMEO/word up! (1986)
 彼らの代表作と言えるアルバム。どこまで真面目なんだかわからないこのサウンドと歌。面くらうというか、つい笑ってしまうバンドです。こんな事言うとコミックバンドのように取られてしまいそうですが、音はまったく違います。「back and force」のようなのも作るわけですから。こんな大マジ路線も好きなんですよねぇ。

CAMEO/emotional violence (1992)
 このすっとぼけ感覚がまたナントモCAMEOなんですねえ。良くも悪くも中途半端なメロディアス志向が徹底的なエレクトリックファンクのファンからは「ダサい」と思われてしまうのかな。「that kind of guy」なんて、個人的には今でも名曲だと思っていますけどね。
CAMEO/the ballads collection (1998)
 数あるソウルのベスト・コンピレーションの中でも、これは画期的(でもないか)な、いや、個人的には嬉しい企画物。なにせ、キャメオと言うグループに関しては私はこのバラッド、メロウなスロー・ナンバーにこそ魅力が詰まっている印象が強いからだ。どちらかと言うと無機質なエレクトリカル・ファンク・グループとしての顔の方が知れ渡っているところだが、ラリー・ブラックモンの裏の顔であるロマンチストぶりが発揮されたこれらの楽曲達のなんと味わい深いことか。その中でやはりキャメオらしい人を食ったようなおトボケがチラチラ見えて笑えるのもイイね。まだ大所帯であった1977年(we all know who we are)〜1986年(word up!)の頃までのスウィート・ナンバーを収録。
Carl Carlton (1981)
 60年代からのソウル・シンガーがブランクをへて復活を遂げたのがあらためて自名をタイトルとするこのモダン・ソウル作だった。プロデューサーにベテラン・ソウルマンのレオン・ヘイウッド、リック・ジェームス&ジェームス・ギャドソン/クウェンティン・デナードのリズム隊にジェームス・イングラムやジョージ・デュークまで参加する豪華なサポートで作り上げられてたのはなんともキャッチーなダンス&ソウル。オープナーの“sexy lady”やガット・トゥー・ビー・リアル張りのキメリズムに乗る“don't you wanna make love”ら痛快なダンサーから“I think it's gonna be alright”のようなスウィートまでツボをしっかりと押さえた曲構成は同時期のマイケル・ジャクソンのようだ。捨て曲の無い充実作!
Carl Graves (1976)
 丸ーいアフロに笑うジャケットから、黒々としたソウルな内容と思いきや、リズム押しを抑え白っぽい所も見せる音に意表をつかれたこのCarl Graves。熱く歌い上げる中にもどこか軽さのあるミディアム・ダンサー“heart be still”に始まり、ゆったりとしたバラードのA-2にいきなり流れていく対照的な部分をすぐに見せつける所がこの人を良く表しているのでしょう。Robbie Buchananがアレンジとkeyで関わっているのでコテコテではなく様々な色を見せてくれるのかもしれませんが、どちらかと言うとさすがなのがJoe Sampleの存在感。エレピのイントロが印象的なB-1はまんまクルセイダーズかJ・サンプルのソロ作の中にありそうなバラードで、A面ラストからこの曲への流れが良いです。続く、おそらくレイ・パーカーと思われるカッティングがアルバム中一番ファンキーなB-2はどこかブルーアイドソウル的な爽やかさもあり。そして特筆すべきはB-3の“be tender with my love”。サビのメロがたまらない極上のミディアムなんです。ビージーズの原曲とは別物の仕上がりで、こんな曲を歌うところもホワイト・ソウル寄りな意識が感じられますね。
 おそらく幅広い層に向けた視野を持って作られたであろう彼の、A&Mという懐の広いレーベルから出された唯一のアルバム。ソウル/AOR系好きにおすすめ・・・なのですが未CD化のままなのです。(2006年にCD化されました)
CASINO LIGHTS-recorded live at montreux,switzerland (1982)
 ワーナー・オールスターズとも言えるモントルー・ライヴ。豪華ですよー。ラーセン・フェイトンバンドイエロージャケッツD・サンボーンM・ミラーL・カールトンR・フォードが入り乱れて、アルバム冒頭の数曲はアル・ジャロウランディ・クロフォード(street life再現はなりませんでしたが)がデュエット。バックVoはB・チャンプリンPAGESの二人ですからね!最後はM・マイニエリの名曲「sara's touch」。M・ブレッカーが吹きまくって、まさにステップス・アヘッドのライヴまで聴くことができる超お得盤です。廃盤になる前に是非お手元にどうぞ。
Chad Borja/show me the way (2000)
 横倉裕が2000年になってフィリピンのヴォーカリストをプロデュースしたAOR/POPアルバム。とは言ってもアレンジ、特に鍵盤の音色はロビー・ブキャナンや時にはデヴィッド・フォスターまでも思い起こさせてしまう、ジャスト'90sアダルトコンテンポラリーな極上の仕上がり。かなりそこのところを意識した音にはなっているがYUTAKAお馴染みの“summer without you”なども収録され、彼らしさも十分楽しむ事ができる。21世紀に移るこの時代にはかなり取り残された感はあったのだろうが、このPOPセンスの安定感はファンにとっては嬉しい存在だ。
Chaka Khan/I feel for you (1984)
 シャリシャリ・パシパシ、みたいな軽い80s特有のプログラミング・ビートに乗って始まるこのアルバム。プリンスによるタイトル曲が時代を象徴していますが、全体ではソウル・シンガーに留まることのないメジャー・POP進出の意欲がアリアリなのです。しかしそこはさすがアリフ・マーディン、全10曲の作者を見ればバカラック/ベイヤー・セイガー/B・ロバーツの名グループによるものや、マイケル・センベロ、フィリップ・セス、ジェームズ・ニュートン・ハワードなどそうそうたる名前が。そしてなんといってもD・フォスター/T・キーン作の後半を飾る極上バラード「through the fire」!これだけの歌唱力がありながら女王になれずに終わってしまった彼女が不憫でなりませぬ。
CHANGE/this is your time (1983)
 イタリアのソウル&ディスコ・グループながらアメリカサイドの製作チームとのコラボレーションにより成功したイタロ・ディスコの代表格グループ。デビュー作ではルーサー・ヴァンドロスの参加が話題になりつつも音は派手すぎず出しゃばらずの平均的ソウルと言った感じでしたが、作毎に洗練度が増し、次第に時代の先端を行くソウル・グループへと変貌して行った。本作はそのearly'80sソウルの完成度としてもCHANGEの中では最もデキの良かったと言える4th・アルバム。
CHANGE/change of heart (1984)
 ジャム&ルイスの製作による5作目。もはやこうなるとチェンジのアルバムと言うよりはジャムルイ・ファンクを聴くためのアルバムと言って良いくらい、絶頂期の個性的デジタル・ファンクを懐かしさと共に味わえる一枚。しかしながら自らのアイデンティテイを失くしてしまった感のあるこのグループは、次作の「turn on your radio」でその混沌とした方向性に対する苦悩を匂わせつつグループとしての活動に終焉を迎えた。
Charles Earland/leaving this planet (1973)
 フレディ・ハバード、ジョー・ヘンダーソンら管奏者をフィーチャーしたソウル/ジャズの名品。タイトル通りいきなり宇宙船のコックピットに居るかのごときオープニングからヴォーカルも入るブリブリのオルガンナンバー。格好良い!ハーヴィー・メイソンもかなりのハード・プレイ。その後のフリー・ソウル的作品への流れも感じさせつつ、オルガンだけのアーランドと共にに各自のプレイを堪能できるジャズ・アルバムとしておすすめできる一枚。フュージョンはおろかクロス・オーバーが苦手、または卒業してしまった人にもこれならグイグイ押されてしまうはずです。
Charles Earland/odyssey (1976)
 次作ではグループ名にまでしてしまったベテラン鍵盤奏者のソウル/クロスオーバー時代作品の代表作と言えるでしょうか。一曲目のスペイシーなインストから一転、ドロ臭いヴォーカルの入るファンクに移ったりしますがこのタイプの曲をもう少し洗練させることができたら良かったろうになぁ・・・。ここでの聴き所はやはりインスト、中でもロン・カーター、ミハル・ウルバニアクノーマン・コナーズ、ランディ・ブレッカーらが参加した“cosmic fever”がスリリング。ギターがもう少し良い音を出していたらかなり違っていたのではないかと感じる惜しいアルバム。
Charles Earland/revelation (1977)
 ODYSSEYグループ名義の本作、かなりフュージョンっぽくなってきました。一曲目はちょっと拍子抜けな軽い音なんだけど、続く“ode to chicken george”でこの人らしいスペイシーな香りが。そしてタイトル“revelation”では待ってましたのヴォーカル・ナンバー。やっぱこの人はソウルしないと。そしてメロウな“shining bright”はやはり名曲。派手好みな人にはあまりおすすめできませんが全体的にはとてもバランス良くヴォーカル、インストそれぞれの各曲が配置されていて良いアルバムだと思います。ポール・ジャクソン(b)、ハーヴィー・メイソン(ds)、ブレッカー兄弟らが参加。
Charlie Singleton/man on a mission (1989)
 CAMEOのチャーリー・シングルトンが満を持したかどうかはワカリマセンがソロ名義で発表したアルバム。出だしはもろキャメオライクなエレクトリック・ファンク。なんだ、母体と変わらないジャン、と思いきややはりこの人らしくメロディアスなヴォーカルが入って来ました。そこを期待して買ったんだからねこのCDは。キャメオよりもメロディーを重視した打ちこみソウルと言ったらわかりやすいかな?いやぁ、やっぱりファンにとっては「ダサダサ」という印象ですまされてしまうのでしょうか。キャメオってバラードも評価高いグループなんですけどね。
Charlie Wilson/you turn my life around (1992)
 打ちこみ系グルーヴが主流を占めた90年代に、人間臭さを保ちつつのサウンドでの活動がチト辛くなってきたギャップ・バンド。メイン・ボーカルの彼が起死回生のソロアルバム発表といったところでしょうか。しかし、新しい音になっても「charlies jam」ではしっかりと“らしさ”が出ていますし、3曲ほどジェフ・ローバーが参加と、なかなか興味深い作品です。
Cherrelle/fragile (1984)
 Tabu Recordsの歌姫、シェレールのデビュー・アルバム。全面的にジャム&ルイスのプロデュースを受け、彼らの持ち味であるメロディアスなデジタル・ファンクをバックに快活な彼女のヴォーカルとがベスト・マッチングしたアルバムだ。当時として大変斬新なアレンジだったがただ新しいだけでなくメロディーをも重視した味わい深い楽曲が並ぶ。S.O.S.BANDアレクサンダー・オニールと共にジャムルイのベスト・パフォーマンスを残したTabuワークスの愛すべき一枚。
Cherrelle/affair (1988)
 ジャム&ルイスとの最後のアルバム制作となった3作目。ニュー・ジャック・スウィング世代への傾倒も感じさせつつ、メロに重きを置いたジャムルイのデジタル・ファンク美学がここでも良い意味で徹底された、アルバムの洗練度としてもまさしく彼女の代表作となる1枚だ。共通したペースでタイトル・ナンバーまでたたみかける前半のダンス・ナンバー連打から、ミディアム・スローを中心とした後半のアーバンな展開は素晴らしいのひと言。
Cheryl Lynn/in the night (1981)
 レイ・パーカーJr.をプロデューサーに迎えた本作は意外と言うかなるほどと言うかの王道レディ・ソウルを狙った路線。それと言うのもバックにはジェームズ・ギャドソンやオリー・ブラウン、“with loveon our side”ではデヴィッド・Tまで参加と、'70sソウルを仕切った大御所の面々で固められていて、派手な演出を省きパワフルなだけではなく繊細な部分も持ちあわせた彼女のヴォーカルをじっくりと聴かせる事に専念したのでしょう。でもあの息使いを生かしたアップ・ビート・ナンバーもしっかり収録。タイトル曲はレイディオの“パーティ・ナウ”を彷彿とさせるレイ・パーカー節で思わずニヤニヤ。
Cheryl Lynn/whatever it takes (1990)
 デビュー作のイメージが強すぎて日本ではその後、ちょっと盛り上がりに欠けたヴォーカリストですがなかなかどうして、こんなに個性のある歌い方をする人も少ないのではないか、と思ってしまいますですね。THE TIMEのJesse Johnsonが8曲中5曲彼女と共同プロデュース。'90s BLACKの王道とも言うべきサウンドに乗ってヴォリューム感溢れるCheryl嬢の歌をご堪能ください。アァァァ〜ッ・ハァッってな息の入れ方も健在。
Chick Corea and RETURN TO FOREVER/right as a feather (1973)
 アイアート/フローラ・プリムのブラジリアンと、当時の新進ベーシスト、スタンリー・クラークらがメンバーとなってジャズ界をわかせたチック・コリア率いるニュー・スタイルバンドの傑作アルバム。スタンリーはアコースティックベースを弾いていますがこのころからチラチラっとあの早弾きフレーズが顔を見せているところが面白いです。アランフェス協奏曲のイントロで始まる名曲「spain」はここに収められています。
Chick Corea/the mad hatter (1978)
 チック・コリアの場合は多彩な音を創り出す人でありながらクロスオーバーとかフュージョンといった俗的なカテゴリにはあてはまらず、コマーシャリズムに陥らない独自の音楽を貫いてきましたが、ゲイル・モランと作り上げてきたこの時期の「愛と美の世界」は好き嫌いがはっきりと分かれるのではないでしょうか。中でもスティーヴ・ガッドがハードなドラミングをみせ、ジョー・ファレルのサックスがからむ比較的熱いセッションが聴ける本アルバムは気に入ってます。チックの「美しいジャズ」はヘッドホンて陶酔するように聴くと気持ちよくなってきますね。
Chick Corea/tap step (1980)
 当時は聴き心地の良いフュージョンばかりを好んでいたので子供心にどうもこの人は馴染めないイメージがありましたが、このアルバムは気になった一枚でした(バニー・ブルネル参加と言うのもありますが)。ここにあるのは紛れも無くフュージョンではなく80年代におけるニュー・ジャズで、サンバやラテン、そして自らの血でありルーツであるスペイン音楽とジャズの結合を現しています。アイアート&フローラ・プリム、ジョー・ファレル、スタンリー・クラークなどRTF・メンバーが顔をそろえているのも嬉しい。そしてゲイル・モランのヴォーカルがフィーチャーされた「the embrace」が一転グッとロマンチックに響き気持ち良いですね。この時期のチックを集めたくなってきました。
CHICK COREA ELECTRIC BAND II/paint the world (1993)
 テレビのライヴで「CTA」を演っているのを見て、思わず買ってしまった一枚。Eric Marienthalのサックスを中心としたメンバーの掛け合いが絶妙です。曲自体はどこか不思議な感じなのですが、これはまあ、チック・コリアですからそのへんは…。
CHINA (1981)
 カナダのグループながらL.A.ミュージシャンがサポートして作られ、アメリカ進出をはかると言うありがちなパターン。しかし粒揃いの佳曲で占められた本作はAORが一番AORしていた時代の名盤として今でも聴き継がれ、このカテゴリとしては名盤と称されている。コーラスのつけ方がマイケル・マクドナルドの居たドゥービー・ブラザースの影響ありありなのだけど、爽やかでありつつメロディー、コード進行にヒネりを加えたコクのあるナンバーが多く思わず聴きこんでしまう。とにかくこの手のワン・アンド・オンリー作が持つ「入魂の一作」的な雰囲気をもった“濃い”AORとなっているのは確か。ヴォーカルにもう少し力があればさらに良かった。
THE CHOCOLATE JAM CO./spread of the future (1979)
 レオン・NDUGU・チャンクラー率いるチョコレートジャム・カンパニーの1stアルバム。セッションドラマーが作るブラックの中ではわりと泥臭い感じのファンキーソウルをやっていますので純粋な黒音好きにもなかなかイケるとは思いますが、やはりNDUGU、バックミュージシャンもアル・マッケイロニー・フォスターグレッグ・フィリンゲインズジョージ・デュークなど、一味違うメンツ(というか仲良しさん)を呼んでややフュージョンタッチの曲なんかも挟んだりしていて、これは2ndのブラック徹底作にはない雰囲気でどちらかと言うとこっちの方が好き。なんといってもベースはバイロン・ミラー。GDの「don't let go」と聴き比べても面白いですね。
NDUGU & THE CHOCOLATE JAM CO./do I make you feel better? (1980)コチラ
Leon NDUGU Chancler/old friends new friends (1989)コチラ
Chris Christian (1981)
 CCM界の名SSW/プロデューサーが発表したアルバムの中でも、とりわけAORファンに支持されている81年の名盤。とにかく清涼感に満ちたメロディーと爽やかな歌声は時代を感じさせつつ、今となっては再現できない懐かしさに溢れたまさに「これぞAOR」と言ったところ。バック・ミュージシャンも豪華ですが、特筆すべきはビル・チャンプリン、トミー・ファンダーバーク、トム・ケリーらのバッキングヴォーカル。これがなかったらこのアルバムの魅力は半減と言っても過言ではないでしょう。そしてグレッグ・マティソンのアレンジが秀逸。この延長線上にデヴィッド・ロバーツのあのアルバムがあるわけですね。
Christpher Williams/changes (1992)
 ミディアムスローを得意とするシンガーは、ややもすると曲が画一的になって退屈なアルバムも多いのですが、この人はメロディーが良いのです。Mary J Bligeとのデュエット曲「good lovin’」もスリリングな展開でカッコイイですよ。
Christpher Williams/not a perfect man (1994)
 全編ミディアムスローばかりの、見事なミッドナイト・ブラックに仕上がっています。メロディーと歌の良さは変わりません。美しくディープな彼の世界にドップリはまってみるのも時としてはおすすめですよ。最近どんな活動をしているのか話が聞かれないのが寂しいところですが。
Cliff Dawson (1982)
 オーソドックスと言えばオーソドックス過ぎて強い個性の無いヴォーカルなのだけど、細かい部分にまで練り上げられた丁寧なアレンジの中に違和感なくしっかりと乗っかった楽曲と歌のクオリティは一枚通して気分良く聴くことができる。じっくりと歌い上げるミディアムから始まり、徐々にアップ・ナンバーに持って行く配置はニクイの一言。
この人この一枚で終わりとはもったいないな。プロデュースはスターポイントやキース・スウェットを手がけたLionel Job。
Clifford Coulter/the better part of me (1980)
 グローヴァー・ワシントンJr.のアルバムに収録された“just the two of us”により一躍脚光を浴びたご存知ビル・ウィザースがその勢いに乗りプロデュースを行った黒人ヴォーカリストのワン・アンド・オンリー作だが、これがまたブラック一辺倒ではないボーターレスなポップ・アルバムとなっている。アルバム冒頭、彼の伸びやかなヴォーカルが冴える“don't wanna see you cry”からじっくりと歌い上げるメロディアスな“nothing in the world is free”への流れひとつで彼の魅力が十分に伝わってくる。いちソウル・シンガーから人気ポップ・ヴォーカリストとして変貌を遂げたビルが弟分を作るつもりでプロデュースを行ったのだろう。スマートなヴォーカル・アルバムなようでいてビルの原点であるR&B調のアレンジがいたる所で現れてくるのも面白い。
Coke Escovedo/coke (1975)
 シーラ・Eの叔父にあたり、アステカをはじめサンタナやマロといった70年代ラテン・ロック・ムーブメントに大きな影響を及ぼしたチカーノ・パーカッショニストのソロ・デビュー・アルバム。1曲目はそのサンタナにおいてライティングに参加した“no one to depend on”のセルフ・カヴァーにて幕開け、やはりラテン色の濃いアルバム・・・と思いきや続く“why can't we be lovers”はラモント・ドジャーのカヴァーでいきなりソフト・ソウルの展開に。他にも何とリオン・ウェアの“if I ever lose this heaven”やスモーキー・ロビンソンの“love letters”などかなり本格的にソウル好きな部分がチラチラ現れつつ、インストでのラテン・ファンクとの対照が面白い。サウンド・カラーの豊かな、音楽的力量を見せつけるデビューだったのですねぇ。
Coke Escovedo/comin' at ya (1976)
 続き、コーク・エスコヴェードと言えばの代名詞的アルバムとなる本作。コーク自身のパーカッションをしっかりと活かしたラテン・ポップなインストでスタートするや、やはり後はジョニー・ブリストルの“I would't change a thing”などファンキーなカヴァーを中心に、続く“backseat”はどこか70年代ジャパニーズロックでもあったようなメロディー展開が懐かしさを感じさせたりと、多彩な顔を見せる。そして意外性のある曲と曲のつなぎや順序にまでかなり考えを練って作られたと思わせるアルバム構成など、ジャケ写のようになめてかかるとノックアウトさせられてしまう、まさに「音楽の宝庫」とも言うべき内容の濃さに圧倒!
COLD FIRE (1981)
 80年代初頭にたった一枚だけアルバム出した9人編成のコンテンポラリー・ソウルバンド。一曲目の“H,F,R,S,”はシングルになるだけあって今聴くといかにもチャート向けなB級ディスコですが、続く“time to leave”でのメロウ・ミディアムで柔軟なところを見せてくれ一安心。一枚通して良く聴くとアレンジも結構凝った作りになっていて、キーボードソロもヤルじゃんと思ったらゲスト・クレジットにパトリース・ラッシェンNDUGU、ネイザン・イーストらの名が。良くありがちな音ではありますがレベルはなかなかなのにこのアルバムだけとは惜しい。
CON FUNK SHUN/spirit of love (1980)
 80年代に突入し、このグループも時流に巧く乗った形で良い洗練をされたようだ。ウエスト・コースト・ファンクと呼ばれる垢抜けた爽快なソウルは、時にはAORテイストも感じさせる品が伴っている。スキップ・スキャボロウが噛んでいるので“curtain call”のような往年のアースを彷彿とさせるナンバーもあり、ソウル/ファンク側からポップ/AORへの垣根を越えたサウンドはまさに当時手本となっていたEW&Fの路線を少なからず彼らも狙っていたと言う事だろう。
CON FUNK SHUN/touch (1980)
 前作から間髪入れず、立て続けにリリースされた本作。アルバム冒頭でダンス・クラシックスとして今でも語り継がれる“too tight”のような痛快作を置きガッチリ掴みを入れてくるのは今まで通り。AORテイストなポップに傾いていた前作からこちらは再びファンク・グループとして立ち位置に回帰したようで、ウエスト・コーストの軽快さとファンキーな黒っぽさが巧く溶け合ったアルバムとなっている。「これはこれで良い」スイートなミディアムと共に全編がダンス・フロアの中心に居るようなアルバムだ。
CRACKIN'/making of a dream (1977)
 ラス・タイトルマンprod.の2ndにあたる本作、バンドのカラーをしっかりとつかむことのできる、まとまりのある音で後のAOR作とは対照的に黒っぽい曲調が多い。レスリー・スミスの爽やかで伸びのある声が生きた“feel alright”で始まり、その1曲でガッチリとつかまれる。ベイエリア・ファンクと大手ワーナー・クオリティな洗練が良く絡み合い、かと言って大袈裟すぎず品がある音色。マイケル・オマーティアンが手がけた3rd,4thとはまた違った味わいのある良作です。
CRACKIN' (1977)
 レスリー・スミスがメンバーだったSOUL/AORバンドの3rd album。私もリアルタイムでは聴いていませんでしたが、黒人と白人の混合バンドということで音も品が良い。なるほど、ワーナーBros.所属アーティストらしくマイケル・オマーティアンがサポートしていたのですね。2曲目のシンセ・ソロなんかもろそんな感じでカッコいいです。ただ、白黒どっちつかずのバンドって難しいですよね。ターゲットを絞らないとなかなか評価は得られない。ちょっと時期的に早すぎたバンドとなってしまったようです。
CRACKIN'/special touch (1978)
 さらに4th(ワーナーからは3枚目)も入手したのでご紹介。プロデュースは引き続きマイケル・オマーティアンが担当し、音もさらにsoulから離れてAORになりました。ここよりもAORのコーナーで紹介するべき音だったのかもしれませんね。前作よりも曲の良さが目立つようになりとてもいいアルバムです。1曲目から2曲目、3曲目とたたみかけるようにたたみかけてきますよ(なんじゃそら笑)。しかし、1978年にしてこれがラストアルバムになるとは。「早すぎたバンド」、ここにもいました、という発見ありです。
THE CRUSADERS/those southern knights (1976)
 私の中でクルセイダーズと言えばまずこれなんです。ラリー・カールトンやロバート“ポップス”ポップウェルなど総勢6名のメンバーだった頃の最高傑作。メンバーそれぞれが曲を出し合っていますが、とにかく一曲目の「spiral」が圧巻。メチャメチャかっこいいです。ライヴで見てみたかった。メンバー全員のソロと掛け合いがいい。全体的にはファンキーで黒っぽさを前面に出した作品となってます。
THE CRUSADERS/free as the wind (1978)
 クルセイダーズを商業的にメジャーにしたのが「street life」なら、あくまでもジャズ・フュージョンファンの間でグループとしての地位を固めたのが本作であったと言えるでしょう。個人的にはウエイン・ヘンダーソンが残っていた前作の方が好きなのですが、このアルバムも名作の部類に入ると思います。「sweet'n'sour」での掛け合いは見事。大袈裟なストリングスアレンジやスティクス・フーパーの先走りドラミングもご愛嬌でしたね。これはラリー・カールトンがメンバーとして参加したラストのアルバム。しかし、邦題「旋風(かぜ)に舞う」。タイトルにまで気合が入っていましたね。
Cuba Gooding/the 1st Cuba Gooding album (1978)
 しかしまあ、なんじゃこのアルバムタイトルは(笑)。まあ、ジャケのベタさもこのタイトルと妙にマッチしてモータウンらしくていいかも知れませんが(どこが、らしいのか、はてさて)。しかし、バックを固めているミュージシャンがまたヨイんですね。ドラムスはJames GadsonとEd Greene、ベースはScott Edwards。もうこれで決まっちゃったようなもんで、ストリングス・マスターはSid Sharp。そこにDavid FosterやMichael Omartianらのウエストコーストの白人キーボーディストが絡んでくるライトさが混ざった感覚がキューバ・グッディングの高音ヴォーカルにピッタシだったりします。息子さん(Cuba Gooding jr.)は映画俳優としてかなり活躍しているみたいですね。
Cynthia Clawson/forever (1983)
 クリスチャン・ミュージックながらあまり崇高過ぎず、それでもストリングス・オーケストラ・バックに力強く歌い上げるナンバーとエイブラハム・ラボリエル、マイク・ベアード、ロビー・ブキャナンらのスタジオ・プレイヤーによるグルーヴィーなバックでポップに歌うパターンを交互に配置したCCMアルバム。宗教色をあまり感じさせないのでオーケストラ・バックでも普通にバラードとして聴けてしまう。さすがCBS系のレーベルから出されただけはある高い質感を持った一枚。

NEXT  TOP