TAKE 6/he is christmas (1991)
 TAKE6の真髄は、このようなアカペラアルバムだと思います。きれいなコーラスワークです。見事!聴き慣れたクリスマスソングをほとんどバックトラックなしでアカペラしちゃってくれてます。唯一のオリジナルであるタイトル曲がいいですね。
TAKE 6/join the band (1994)
 アンブロージアの「biggest part of me」、そしてEW&Fのスキャット間奏曲(密かな名曲!)をTAKE6版でカヴァーしてくれている所が聴き所。この1分少々の小曲を良いと思っていたのは私だけではなかったのですね。他にはスティーヴィー・ワンダーもゲスト参加(歌っているゾ)しているナンバーもあり、かなりポイント高いアルバムです。
TAKE 6/beautiful world (2002)
 一発目はいきなりドゥービーの曲で始まるほとんどカヴァー集とも言える本作。アルバム・タイトル曲はDonald Fagenの「I・G・Y」(実は副題が[what a beautiful world]でしたネ)、スティーヴィーの大名作「songs in the key of life」の幕をあけるべく配置されたあの曲、「love's in need love today」、ビル・ウイザースの「lovely day」などなじみの深い曲ばかり。と、思ったらプロデュースはマーカス・ミラーでした。さらに面白いのが、ダニー・ハサウェイの「someday we'll all be free」。ご存知実娘のレイラ・ハサウェイがここでもマーカス・コネクションによってゲスト参加してますが、時を経て、TAKE6のアルバムでさらに親父さんの歌を甦らせたわけです。それなりに聴けるんだけど個性のないアーティストが多い中、存在感のあるコーラスワークがホッとするTAKE 6。おすすめです。
TASHAN/for the sake of love (1993)
 「I want you」のカヴァーが入っていたので買ってみたのですが、他もなかなか。とても素直なsoulを聴くことができます。歌だけでなく楽器もこなすマルチプレイヤーのようですね。後半の「all I ever do」がこのアルバムのクライマックス。
TAVARES/supercharged (1980)
 白人に力を借り続けたヴォーカル・グループとして頑固なブラック・フリークからは評価の低かったこのタヴァレス。ここではPAGESを送り出したボビー・コロンビーを中心に据え、なんと言ってもデビッド・フォスターがビル・チャンプリンの「独身貴族」からのナンバーを2曲カヴァーさせているところが聴き所(オリジナルよりもさらにアレンジがいいよー)となっています。私のようなブラック&ホワイトサウンドが好みの典型的いいかげん日本人としては本国で評価が悪かろうがなんだろうが、忘れる事のできないアルバムとして挙げておきましょう。
TAVARES/loveline (1981)
 タヴァレス兄弟のアルバムは、どちらかと言うと70年代を好むソウル・ファンが多いだけに、“supercharged”や本作のようなキャピトル後期の作品はたいした評価にならないのかもしれない。確かにブラックではありながら、ソングライトやプロダクト面において、本来は黒々としていなければならないサウンド・カラーがなにげなく抑えられてグレーに近くなってしまっているところがあるからだ。そこがゴリゴリのソウル野郎から敬遠されている所以なのでしょう。しかしそのような白味がかかったブラック・ミュージックを支持するリスナーは確実にいるわけで、そんな方にはこのアルバムも確実にお気に入りの仲間入りを果たすでしょう。頭角を現し始めたカシーフをいち早く起用したり、ブレンダ・ラッセルのナンバーを取上げたり(フフフ・・・らしいなあ)と、粒揃いのナンバーが次々と現れるライト・ブラック派のための隠れ良盤。
T-Boy Ross/changes (1979)
 “I want you”でマーヴィン・ゲイやリオン・ウェアを知った人間としてはとにかく聴いてみたかったこのアルバム。実はあのアルバムというのは前述二人よりもこのT-Boy Rossのライティングによるところが大きいという話もあるくらいなのです。姉、ダイアナ・ロスのすすめでこの世界に入ったそうで、他には“I wanna be where you are”も手掛けた経歴のある彼がセールスの失敗により残したアルバムはこの一枚だけですが、確かにヴォーカルが弱いんですね。”I want you”のセルフ・カバーから始まり、ジョー・サンプルらと作った楽曲はなかなか味わいがありますが、なにしろヴォーカルが貧弱なのと、優しさが裏目に出た黒人らしさの薄い曲調が売れなかった原因なのではないかと。その後は音楽界からも離れ、96年に悲劇の最期を迎えてしまったそうで、名曲を残しただけに寂しいですね。
TOBY BEAU/if you believe (1980)
 アメリカン/カントリーロックグループとしてデビューしたが結果的にはバンド結成者であるバルデ・シルヴァ一人残る形で作り上げた3rdアルバムにして最終作。ジヨー・シャーメイ、ジョン・ホッブス、ビリー・ジョー・ウォーカーらの手助けを受けデビュー・アルバムや2ndと比してかなりAOR寄りのサウンドで統一された作品であり、その懐かしさに思わず涙腺が緩まずにはいられないメロディーラインとコーラスワークは必聴だ。
Tom Browne/browne suger (1979)
 「新進トランペッター、注目のデビュー作」、なんてこのアルバムが出た時はこのジャンルにおいては少々騒がれていたような気がします。とにかく一曲目の「throw down」のインパクトと言ったら…。夜中のFMで流れていたのを聴いた時、思わず「カッコイイ〜!」でした。聴けばすぐにわかるデイヴ・グルーシンの全面アレンジがとても懐かしく、今ではコケおどし的な印象さえあるその初っ端のナンバーから最後まで気持ち良く流れて行きますよ。
Tom Browne/love approach (1980)
 そして大ヒット曲「ファンキン・フォー・ジャマイカ」収録の2nd。前作はファーストらしくボスのD・グルーシンがすべて取り仕切っていたのに対し、本作はアルバムの半数曲を書き、アレンジまで本人が行っている。前作と比べると明らかにNYのブラック・フィーリングが強化されたサウンドになっている所が興味深い。ライナーを見れば「アルバム全体から演奏の一音一音に至るまでがジャマイカ・クイーンズの描写」とある。バックはマーカス・ミラー&バーナード・ライトのそれこそ「ジャマイカ・ボーイズ」にバディ・ウイリアムスとオマー・ハキムのドラムスなど、思わずニヤリなサポート陣ですが、ブラック色が強くなりつつもテクニカルなナンバーもありカッコ良し!
Tom Browne/magic (1981)
 当たった前作からさらにブラック・POP色を強めた3rd。8曲中6曲にヴォーカルが入ってくるくらい、ブラコン・フュージョンが好きな人にはたまらない内容。しかしトムのトランペットが全面に出たインストと黒人ミュージシャンの持つPOP感覚とのバランスが良かったのはやはり前作の方か。こちらはかなり売れ筋狙い的。本作では彼自身のバンドメンバーが中心となってサポートしていますが、ドナルド・バードがもう少し若くてこの時代に現れていたら自らのバンドでこんな作品を作っていたのかな、と思える雰囲気。いやいや、トムは最初からフュージョン・トランペッターとして筋金入りだったんですけどね。
Tom Scott/street beat (1979)
 そりゃもう、ひたすら爽快なのです。西、東海岸両方のトップミュージシャンが参加して作られたアルバムですが、音は「超BGM」。晴れた休日のドライヴ・ミュージックにはもってこいサウンド。トム・スコットという人を前々からどうも一生懸命聴くことが無かったのは、このアルバムのようなイメージからか。サックスという楽器でありながら、ただメロディーを奏でるだけに終わらせてしまっているのです。全体的なサウンド作りに重点を置いたのはわかりますが、アーティスト性が薄くなってしまいこちらとしては「気持ちよく聴き流すだけ」になるのはいたしかたないところでしょう。歌心という面で同じ白人プレイヤーとしてサンポーンあたりと対極の位置にありますね。
Tom Scott/keep this love alive (1991)
 ブレンダ・ラッセルビル・チャンプリンデヴィッド・パックらお馴染みのヴォーカリストを迎えたスムース・ジャズアルバム。白人フィーリングながらソウルフルなヴォーカル・ナンバーとインストが交互に配置されたアルバム構成で良質のAORとしても楽しめる。特にD・パックの歌うタイトル・ナンバーは挿まれるT・スコットのブロウが泣かされてツボにハマることハマること。おやおやウィル・リーも歌ってますゾ。好きですなぁ。
Tom Snow/hungry nights (1982)
 70〜80年代にかけレオ・セイヤー、ディオンヌ・ワーウィック、オリヴィア・ニュートン・ジョンらそうそうたるアーティストに楽曲を提供してきたヒット・メイカー・ソングライターのあまりにも有名な2nd。その、「あまりにもアメリカンポップス」なテイストに懐かしさをだだひたすら感じるだけです。メロディ・メイカーの彼を味わうにはどちらかと言うと“somewhere down the road”や“time of our lives”のような秀逸バラードでしょうね。珍しくディーン・パークスのプロデュースだった。
TONY TONI TON'E/sons of soul (1993)
 クセ者のソウルクリエイター3人組、トニーズ。とにかくアレンジがまず良い。ヴォーカルは好き嫌いの分かれる声質をしていますね。でも、センスは抜群ですよ!ストリングスの効いた「anniversary」が素敵な展開を聴かせてくれます。これはnewsoul好きなら必聴。
TOPANGA EXPRESS/chansons america (1988)
 結局のところ、ラリー・ダンは何をしたかったのだろう?サッチモのようなヴォーカルがフィーチャーされたジャズ・シャンソンで始まり、これはご愛嬌、と思いきや、2曲目も同じペース。何だこれは?!シャンソンアルバムなの〜?と半分あきらめかけていたら、やっと3曲目で彼らしいシンセサイザーの音が。ローランド・バティスタら旧EW&Fのメンバーが参加していますが、サウンドはかなり落ち着いたシャンソン・ベースの曲が中心。貴重な記録ではありますが…。
TOTO (1978)
 真っ先に、「TOTOはhydraだ!」と言うロックファンが多いのですが、私は当然このデビューアルバムの方です。まあ、確かに1stらしく、自己紹介的なバラエティーに富んだ、悪く言うと節操のない構成になっていますが、”georgy porgy“なんてフリー・ソウルにカテゴライズされる曲として様々なアーティストにカヴァーされていますし、POPアルバムとすればかなり名曲揃いではないかと私は思うのですが。
TOTO/IV (1982)
 デビッド・ハンゲイト、ジェフ・ポーカロ、ボビー・キンボールなど初期メンバーが揃った作品の中でピークを迎えたアルバムと言えるでしょう。今や代表曲とされる「africa」が収録されています。MTVで流れていたのが懐かしいですね。ロック色の強かった2nd,3rdから、今回はよりPOPになってファン層を広げた作品です。
TOWER OF POWER/back on the streets (1979)
 タワー・オヴ・パワーのアルバムを紹介するのがこれかい!みたいなワタクシお得意の邪道系コレクションです。本来のファンならばもっと初期の頃のアルバム、ということになるのでしょうけど、基本的にはTOPのようなキッツイ、アメリカン丸だしのブラス・ファンクバンドは苦手な方でして、どちらかというとシェリル・リンを参加させてポップ路線を強化したようなこの問題(失敗?)作的アルバムの方が心地良く聴けちゃったりなんかするわけです。このWEB全体を見ていただければその傾向がわかっていただけるかな?ゴメン!
TWENNYNINE featuring Lenny White/best of friends (1979)
 マイルス・バンドからリターン・トゥ・フォーエヴァーを経てソロ作ではアルバムごとにファンクやハードロックと言った幅の広い音楽性を見せていたドラマーのレニー・ホワイトがブラック・コンテンポラリーの表現を試みたグループ。ソロ作「streamline」から親交を深めていったEW&Fのラリー・ダンをここでも共同プロデューサーに迎えています。いきなり最初のナンバーからあの宇宙的なシンセサイザーが入ってくるところに思わずニヤニヤ。最後にインスト・フュージョンものを持ってくるところが少し中途半端(曲自体はEddie&Jorge del Barrioらしいホーンとストリングス・アレンジが効いてカッコイイ)ですが、今までにはなかったレニー・ホワイトのPOP感覚を見せつけた好盤。
TWENNYNINE with Lenny White (1980)
 しかしまあ、こうなっちゃうとジャズはおろかフュージョンでもないのですが、レニー・ホワイトがボスですから彼の歴史を紹介するにはこちらでいいでしょう。二作目にあたる本作もラリー・ダンとの共同プロデュース。1stがブラコンをやりつつプレイヤー的な部分も残していたのに対しこちらではほとんどすべてダンサブルなヴォーカル曲で女性コーラスも多用するあたりどうやら本格的にポップ・フィールドに目を向けた音作りをしていますがなかなかどうして、かなり気持ちの良いノリになっていますね。決してヤワな作りのモノではないですよ。
TWENNYNINE with Lenny White/just like dreamin' (1981)
 これはそのトウェニーナインの全3作の中でもラストアルバムとなった作品で、もちろん全曲ヴォーカルトラックなのですが前作の力みの見えるダンサブルなものから一転、心地よいアーバン・ソウルとなっています。70年代初期から中盤にかけてアグレッシヴな活躍をしたドラマーが80年代前後にこういったブラコン展開をするのが流行りのようでしたが、レニー・ホワイトもその一人。そして、後にマーカス・ミラー、バーナード・ライトらとジャマイカ・ボーイズを結成する流れとなるわけです。
TWILIGHT/still loving you (1981)
 コチラでドーゾ。
THE 24TH STREET BAND (1980)
 ハイラム・ブロック、スティーヴ・ジョーダン(!!)、ウイル・リー、クリフ・カーターらNYのトップミュージシャン4人によるバンド。一曲目の「shoppin’ round again」は名曲。さっすがハイラム・ブロック!しかし、この後の曲がどれもイマイチ…。日本サイドのプロデュースによる企画バンドだったようですが、それにしてもすごい面々ですね。今考えると。
THE 24TH STREET BAND/share your dreams (1980)
 んで、日本企画によるこのセッション、フュージョン絶頂期に出るべくして出たグループであったのですが、好評のうちにすかさず本作の登場となるのです。おおっと今回はなんと全曲ヴォーカル入りのPOPアルバムではないですか。と、言うとわかりにくいかもしれませんがスタイルはNY式ポップ・ロックと言いますか、難解なコード進行やコケおどしのテクひけらかしなどはなく、4人の人柄が現れたような楽しむ音楽をやってくれてます。アルバム全体をさりげなく流していく雰囲気で、ガチッとつかみを入れるナンバーがなかったのが残念でしたが。


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