↓最近ハマっているアルバム↓






Billy Cobham & NOVECENTO/drum n voice vol.3 (2010)
 
 ビリー・コブハムのドラムン・ヴォイスVOL,3がついにCD発売となった。と、いうのもこのアルバムは私がこの存在を知った頃、今から半年以上も前からすでにiTunesでのネット配信は行われていて、気の早いファンならダウンロード購入をしているのでしょうが、なにしろ旧型の音楽ファンとしてはできることならディスクで持っていたいと言うのが人情。かくいう私もCD発売を心待ちにしていた一人なのでありました。やっとAmazonに発売予約のページが現れ、すかさず予約を入れたのが5月。6/4の発売との事で少し間が空き、すっかり忘れていましたが、発売日を少し過ぎたところでAmazonから「商品確保できませんでした」のメールが。なんじゃそらとAmazonのページに言ってみると早々と「商品の入荷見込みがたっておりません」のコメント。ここまで待っておいおいと、しかたがないのでAmazonUKにオーダーしてやっとの事で手に入れたと言ういきさつのあるアルバムなので、音を聴いた時の喜びもひとしおなのでございました。

 さてこれは言わずと知れた元祖超絶テクニカルドラマー、ビリー・コブハムがイタリアに飛んで現地の新進フュージョンユニット、NOVECENTOと製作すると言う、Drum n Voiceシリーズの第3弾。元々はフィーチャリング・アーティストの豪華さに惹かれて買ったわけなのですが、これがまた期待通りと申しましょうか、期待以上のカッコ良さと申しましょうか、もうニヤニヤしっぱなしのアルバムなのでした。
 まずはこのノベチェントなるグループ、Lino(ギター),Pino(key),Rossana(ベース),Dora(ヴォーカル)のNicolosi・Familyによる男女2名ずつの4人組で、なるほど欧州の叙情的な香りが漂うような、かつUKアシッド・ジャズのクールさを持ち合わせた、確かに今のアメリカ音楽には出すことのできない味のある雰囲気で、中でもアクセントが強く一音一音にセンスの良さが感じられるのでまず耳に入ってきてしまうベース担当は、なんと女性なのでした(へー、カッコいい!)。これにビリー・コブハムがドシッと真ん中に座る事で音の芯が捉え難いヨーロピアン・ジャズファンクの重厚な「音柱」になるわけで、当然聴き応えは抜群。コブハムと言えば手数の多さで有名ですが、確かに60代も半ばとは思えない熱い叩きで健在なところを見せる一方、ソリッドなスティックさばきでヴォーカル・ナンバーを引き立てる大人の、いや失礼、大御所ドラマーとしての余裕が感じられますね。

 まぁ、とは言いつつも一曲目の“electric man”冒頭のドラム・ロールを聴けば、ああ、コブハムだとやっぱりとニヤけてしまうでしょう。ブライアン・オーガーのオルガン・ソロがたっぷりのホット・ナンバーで幕開けと思いきや、続くはチャカ・カーンが独特のヒネり声で歌うミディアム。これがまた良いんだ。本アルバムにはこの他にジノ・ヴァネリ(!)が1曲、ノベチェントのDoraが1曲を歌っている計3曲ものヴォーカル・ナンバーがあり、どれも佳曲揃いで退屈さは全くなし。いや、ここでのチャカとジノはお忍び出演ではなく力の入った歌いっぷりで、ファンなら必聴とお伝えしておきましょう(二人とも曲作りにしっかり参加していますし)。インストがどれもハイテンションなので、このヴォーカル曲の配置は憎し。そしてもうひとつの話題はジョージ・デュークジョン・スコフィールドの参加ですかね。30年来のファンには嬉しい限りの、70年代セッションの再現。さすがにそれぞれ別の曲で参加しているのでコブハム-デュークバンドの再現はありませんでしたがここでも単なる顔見せではなくしっかりソロをとってくれているから存在感はバッチリ。さらに、最後は名盤「spectrum」から“stratus”の新録でシメ。ここではLinoがトミー・ボーリン、Pinoがヤン・ハマーになりきっております。旧きも新しきもなくひとつひとつの曲が「今」である、と言いたいところなのでしょうか。

 以上、久々にジャズ・フュージョンのアルバムで個人的に盛り上がってしまいましたが、やっぱりこれも全曲順番通りに聴かなければダメです。iTunesで買うならチャカ・カーンやジノ・ヴァネリだけなんてセコイことせずに必ず全曲ダウンロードして欲しいところ。安いんですからw そうそう、今では日本のAmazonでも発売を再開したようですが、ヨーロッパ盤なので値段が少しお高め。今は円高/ポンド安もあってか私のようにAmazonUKでオーダーすれば送料込みでも日本より1000円くらいは安く手に入るようですヨ。(2010/7/30)



01. ELECTRIC MAN
02. ALIVE
03. ROLLER
04. WE THE PEOPLE
05. DESTINY
06. I'D LIKE TO CHANGE
07. DREAMER
08. ROUTE
09. STRATUS



Produced & Arranged by Nicolosi “Novecento”for Soul Trade

Billy Cobham (ds)
Rossana Nicolosi (b)
Lino Nicolosi (g)
Pino Nicolosi (key,org)
Dora Nicolosi (vo,back-vo)

Chaka Khan (vo)
Gino Vannelli (vo)
Brian Auger (org,key)
George Duke (syth)
Bob Mintzer (ts)
John Scofield (g)
Alex Acuna (perc)

and,others...

Nicolosi Productions

Billy Cobham(official)

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