[A〜J]


★★★ ボズよりsweet
Adrian Gurvitz/sweet vendetta (1979)
 ブリティッシュ・ロックの世界に居た彼の「大変身」作と言われたAOR盤。「甘い復讐」と言うタイトルにかなり意味がありそうな、それこそ甘く、優しいナンバーで綴られています。Jeff,SteveのPorcaro兄弟(実はさりげなく父のJoeも参加してたりして)にD・ハンゲイト、D・ペイチのTOTOメンバーが全面的にサポート。時代的にもボズの影響がありありの良質アダルト。アレンジからメロまで文句なしですね。良い。

★★★★ まずはこれ
AIRPLAY (1980)
 ジャケ写の二人のサングラスがいいですねー。時代を感じさせてくれます。あ、髪型もいいですね。暑苦しそうです。え?アルバムについて?ああ、そうでした。もはや説明の必要はないでしょう。言うだけヤボってものです。AORにハマッてしまった人なら誰もが通る道。一時代を作った二人が組んだ名盤です。

★★★ 白いです
AMBROSIA/one eighty (1980)
 バンドとしてのAORサウンドで人気があったアンブロージア最大のヒット盤。なんと言っても「biggest part of me」ですよね。AORというよりも、POP−ROCKの印象の方が強いですね。ただ、TOTO等よりも各パートの演奏的なテクニックが強調されていないので、テク重視の日本人にはあまり受け入れられなかったバンドでした。

★★★★お得です
AMBROSIA/anthology (1997)
 やはりアンブロージアはロック色の強かった70年代に良い味が出ていますね。当初はプログレッシヴロックを基調としていたほど完全に白系の音なので、個人的には曲によって当たりはずれのあるバンドと言う印象が強いですからこういったベスト盤は大変重宝します。もちろん、アノ曲も収められていますよ。

★★★ レディvo名盤
Amy Holland (1980)
 80年代に入ると、どちらかと言えばそれまでの女性シンガーは市場の変化からロック調で攻撃的なアーティスト・スタイルへ転換していく中、それに反したいかにも「女性らしい」歌で登場したのがこのエイミー・ホーランド。POPフィールドにおいての女性ヴォーカルの魅力を最大限に引き出したのは後にダンナとなるマイケル・マクドナルドとパトリック・ヘンダーソン。特にM・マクドナルドの音への影響はやはり大きく、ポール・ブリスの“how do I survive”で始まるなんてのはこの3人の親密な関係をズバリ現していますね。ストリングス・アレンジはニック・デカロにミキシングはアル・シュミットと、裏方陣もプレイヤーと共に豪華。丁寧に時間をかけて作られただけはある聴き応えの名盤。

★★★★音はいいです
Angelo&Veronica/change (1999)
 とても質のいいR&B感のある男女のポップデュエットなのですが、二人ともいかにもヨーロッパ系の白人で、しかもルックスがちょっと・・・。アルバムの出来はいいのに外見だけで売れなかったとは言いすぎでしょうか。まあ、たしかにこんなサウンドはアメリカでは時代遅れなのですけどね。甘ったるすぎず、なかなか渋いサウンドになっています。

★★★  まず聴け
AVERAGE WHITE BAND (1974)
 名匠アリフ・マーディンをプロデューサーに迎えたメジャーレーベルATLANTICにおける第一弾。ブルーアイドソウルバンドの元祖的な存在です。名曲「pick up the pieces」、アイズレーの「work to do」のカヴァーもこのアルバムに。

★★★★AORとして
AVERAGE WHITE BAND/shine (1980)
 うわー、デビッド・フォスター!と思わずプロデューサーを叫んでしまうくらいの洗練ぶり。ホワイトソウルからAORへの変貌で新たなファンをつかみましたが、バンド自体はそれ以降急激なパワーダウンをしていく事となりました。

★★★★
てっとり早い
AVERAGE WHITE BAND/the best of A,W,B (1980)
 70年代を中心とした本来のAWBサウンドが集約されたベスト盤。後半は「shine」からの曲も収録されていますが、やはりあのアルバムは別物だったな、と感じさせられます。「pick up the pieces」「work to do」、そして、リオン・ウエアの「天国を失ったら」が入っています。特にこれはおすすめの名曲で、数あるカヴァーの中でもAWB版はピカイチです。

★★★★ 録音が…
AURA (1979)
 魅力的な音楽の溢れる70年代後半に発表されていたこのAURA、当時ハワイでも盛り上がっていたSEAWINDLEMURIAに代表されるホーン・セクションを駆使したメロウ・ファンクバンドの流れを汲んだものでありました。一曲目のダンサブルなファンク・チューンはどちらかと言うと幕開けの景気付け的なようなもので、このバンドの良さは2曲目からの女性ヴォーカルをフィーチャーしたフリー・ソウル展開ではないでしょうか。メロウなナンバーをはさみつつの「magic lover」、「no beginning, no end」、「short and sweet」などは怒涛のホーン・ファンク。そしてボーナストラックとして収録された「the feeling's right」は極上のAORなど音楽性豊かな構成。しかしながらこれは本土上陸を狙った知名度の向上や売上を狙ったものではなくメンバー11人中8人を占めるメンドーザ・ファミリーの活動記録を単に記録しておきたかったがために作られたものとの事。まあ、詳しくはライナーに書いてありますので興味がある方だけが読めばよろしいのですが、そんな純粋な思いから来る音楽に留めておくにはもったいない程、センスの塊のようなアルバム、もっと良い音で聴きたかったなあ。このアナログな音質も妙に味があることはあるのですが。

★★★ 嬉しいなあ
Bill Cantos/who are you (1995)
 AORが一番AORしていた、一番愛され聴き継がれていたあの頃のサウンドを忠実に受け継いだ感のある好作品。90年代半ばにしてこの懐かしさは心地良いです。絶頂期の代表アーティストが次々と別路線へ移行する中、良くぞ出てきてくれました。スティーリー・ダン的な一曲目や、マリリン・スコットがボビー・コールドウェルとのデュエットでイエロージャケッツの作品をカヴァーし人気を博した「daddy's gonna miss you (show me your devotion)」を取り上げるなど、王道を行くベーシックAORを求めていた人には是非おすすめですね。

★★★★一番いいかも
Bill Champlin/single (1978)
 プロデュースはデビッド・フォスター。いやー、ムサくるしい髪型&ヒゲ!シカゴのヴォーカルになった時はだいぶスッキリして痩せたのでビックリしましたが。サウンドはフォスター色が当然の事ながら強くてカッチョいいです。ステキ!個人的には次作の「runaway」よりも好きですねぇ。同時期にやはり同プロデュースでタヴァレスのアルバムが発表されましたが、収録曲がちょっと似ていますので、こちらと聴き比べるのもおもしろいですね。

★★ ロックしてます
Bill Champlin/runaway (1981)
 ソロ・デビューの前作に引き続きデビッド・フォスターのプロデュースですが、今回はより本国ウケを狙ったアメリカン・ロックを全面に打ち出した痛快な内容となっています。前作でのR&B的なファンキーさは影を潜め、白人マーケットを強く意識したわかりやすいサウンド作りをしたと言う点で、方向性としては間違っていなかったと思います。しかし、日本では圧倒的にこちらよりも「SINGLE」の方が評価は上。私もそのひとりですが。

★★ ポップスです
Bill LaBounty/this night won't last forever (1978)
 どこかで聴いた事のあるようなタイトル曲。なるほど、この人が原曲の作者だったのかと少しニヤニヤ。アルバムの完成度としては「BILL LABOUNTY」ほどではないのですが、様々なアーティストに楽曲を提供、ヒットを出し、またカヴァーアーティストも多い彼のメロディーセンスはなかなかのものです。AORというよりアメリカンポップスの色合いが強い作品で、派手好みの方には向かないと思いますのでご注意のほど。

★★★ 曲いいよー
Bill LaBounty (1982)
 そのサウンド、歌声と、ルックスとのギャップがあまりにも大きすぎて戸惑ってしまうアーティストとして不本意な話題のなり方をした人ですが、確かに私としてもクリストファー・クロスを抑えて堂々のギャップ度NO,1です!! しかし、音、特にメロディーはとても良いですよ。チャック・レイニー、スティーヴ・ガッド、ポーカロ&ルカサーのバックに、ディーン・パークスの渋いギターソロが聴ける曲もありますが、基本的にはBillが作る楽曲の良さを堪能するべきアルバムであると思います。曲の質を重視する方にもおすすめです。

★★★ それがいいのよ
THE BLISS BAND/dinner with raoul (1978)
 ジェフ・バクスターの強力なプッシュにより待望の全米デビューを果たしたとされる英国5人組POPバンドの1st、ありがたいリイシュー。まず、感じ取れるのはリーダーであるポール・ブリスのスティーリー・ダン/ドナルド・フェイゲンからの多大なる影響で、その忠実な「そっくり」さ。今の時代にもそれらしい人は居ますがこれは1978年という本家も旬の時代であったところがミソ。前述のJ・バクスターの他、マイケル・マクドナルドやキース・クヌードスンらドゥービー・メンバーがゲスト参加。S・ダン・クローンとは言えど全編通してそのイカしたPOPセンスが嬉しい一枚。

★★ 勝負しましたね
THE BLISS BAND/neon smiles (1979)
 さてそんな露骨な「そっくり」ミュージックは当時まったくセールスにならず、これではイカンと奮起し作られた2nd。特定のアーティストからの影響に偏らず、ポール・ブリスのPOP感覚がより開花されたと言えそうなカラフルな音色を楽しめるアルバム。エイミー・ホーランドのカヴァーでヒットした“how do I survive?”は彼女が歌うのもニヤニヤなM・マクドナルドライクの素敵なナンバー。清廉なバラード“someone else's eyes”やコーラスがズバリはまった“Chicago”など、より音の巾を広げつつマーケットを意識した作りはそのまんまスティーリー・ダンであった1stと対照的すぎてしまったところが逆にマイナスであったのかも。どちらにしても追随型アーティストの典型ですね。1st、2nd共に音としては素晴らしいのが惜しいのですが。

★★★★★聴いて!
Bobby Caldwell (1978)
 ボビー・コールドウェルなら、まずこのファーストを聴かなきゃウソなんですよ。人気スタジオミュージシャン、もしくはプロデューサーがバックにいるかどうかで人気が左右されたこの時代に、堂々とアルバムの完成度だけでAORの代表的地位に君臨してしまった名盤です。ジャケット画からしてすべてが完璧です。

★★ 好きならどうぞ
Bobby Caldwell/cat in the hat (1980)
 デビュー作のインパクトが強いと、2作目は得てしてパワーダウンしてしまう事が多い。これもそのクチでした。全体としてはAORとしてソツなくまとまっているのですが、「風のシルエット」や「スペシャル・トゥ・ミー」などのような頭に残るメロディーの曲がなくて、小粒な作品になってしまいました。ジャケ写もちょっとイヤですね。

★★★ キレイです。
Bobby Caldwell/heart of mine (1989)
 AORって、こんなサウンドを好む人々に支えられてきたのでしょうね。そんな風に思ってしまうくらい、良くも悪くも優等生的完全AOR作品と言える作品です。時が経ち「cat in the hat」よりも録音技術が良くなってよりきれいな音で聴きやすいです。個人的にはもう少し毒っけがあってもいいのではとも思うのですが。

★★★ お得用。
Bobby Caldwell/timeline (1998)
 サブタイトルに「アンソロジーpart,1」とありますが、今後part,2も作るの?20年後ですか。はは。もうすでに完璧なベスト盤となっているようですのて、これ以外にベストはいらないでしょう。「風のシルエット」のニューバージョンが収録されているのはとても嬉しいですね。

★★★ 懐かしいね
Brenda Russell/love life (1981)
 黒人女性シンガーソングライターだからBLACKのコーナーだったかな。でも、自分が聴いていた感覚でみればこちらのコーナーでご紹介すべきアーティストなのではないかと。彼女の良さはなんと言ってもソングライティング。下記のブルース・ロバーツもまた違った雰囲気で素晴らしいソングライターですが、作る曲が良いというのは私にとってはアーティストとしてはかなり重要な要素かも。TOTO、ラーセン・フェイトンバンドらのバッキングもひたすらAOR。ジェフ・ポーカロファンにも嬉しい全曲叩きの一枚です。

★★★★ いいねぇ〜
Brenda Russell/two eyes (1983)
 トミー・リピューマ&アル・シュミット・ワーナー黄金コンビにより届けられた彼女の3rd。個人的には「love life」よりもデビッド・フォスター全開の「It's something!」が収録されたこちらの方が好きです(Lalah Hathawayらカヴァーも多い名曲ですね)。曲の良さも相変わらずながら、結構元気でイキの良いナンバーが多いんですよね。これぞ女性シンガーソングライターとも言うべき耳に残るメロディーライン。あ、そうそう。歌もうまくなってます。前作より確かに。

★★★  綺麗。
Bruce Roberts (1977)
 彼の曲の何が素晴らしいかと言うとそのメロディーライン。とてもとてもアメリカなのですが、例えばすべてが映画の中で流れていてもおかしくないほど、ハートに染み渡るって言うんですかね。つまり、まず基礎となるメロディー作り(アレンジメントはおいといて)を丹念に行っている、というか、彼の中から自然に湧き出てくるものなんだろうけれども。そこにアーティストを感じるんですよ。アルバムの売上を考えるわけでもない、何々風をやりたい、パクりたいというのでもない、シンガーソングライターの本質を見たアルバムです。後に名コンビとなるキャロル・ベイヤー・セイガーのサポートを受け満を持して送り出されたファーストアルバム。日曜の朝にでも聴いてみては?

★★  アメリカですね
Bruce Roberts/cool fool (1980)
 ニューヨーカーである彼のメロディーとロスのサウンド・クリエイターとの融合により作られたアメリカン・ポップの良い雰囲気を感じさせる好盤。ファーストよりもサウンド面でパワーアップといったところ。Leland Sklar(b)やEd Greene(ds)なんて懐かしい名前も見られますが、ルーサー・ヴァンドロスがアレンジ&コーラスで参加した「s'good enuf」(keyはD・フォスター)やドナ・サマーと共作によるバラード「all through the night」なんて名曲ですね。とってもアメリカンですがのほほんとしてていいなぁ。

★★★ 自由な音です
DAVE MATTHEWS BAND/busted stuff (2002)
 一応カテゴリはアメリカンロックなのでしょうが、私好みのいろいろな要素が詰まった深みのある音で、単純に8ビートサウンドを想像していると意外な音を聴かせてくれるバンドでした。D・マシューズのギター&ヴォーカルを中心としてベース、ドラムスという基本ユニットに、サックスとヴァイオリンで音の厚みをつける構成となっていてとても渋い。メンバー5人中3人は黒人というのも変わってますね。特に、ドラムスのCarter Beaufordがタイトででキメ味抜群のプレイをしてくれてカッコいいです。あ、ジャズ・ピアニスト&コンポーザーのデビッド・マシューズとは全くの別人ですからご注意のほど。

★★★ ファルセットで
David Lasley/missin' twenty grand (1982)
 ソングライターとして様々なアーティストに曲を提供しているだけあり、なかなか極上の内容となっているアルバムです。一曲目の“got to find love”は一聴かなりベタな歌謡ロック的イントロで「うわー」と思いましたが良く聴けば日本のそれとはやっぱり一味違う。その後の展開からもさすが下積みの長い人だけあってレベルの高い楽曲ばかり。まずこの人の特徴はファルセット。それは自分がゲイでありその不安や苦悩を表現するために用いているそうですが、とにかく五十嵐正氏によるライナーを読んだほうが良いですねそれは。この人を知る上で大変内容の濃いライナーですから。デヴィット・ベノワが全面参加も盟友アーノルド・マッカラーと共通するところですがここではサイドメン的役割。「黒人音楽に恋した白人の若者についてのコンセプトアルバム(五十嵐氏)」となっているホワイト・ソウルの良品。

★★ もろ80年代
David Pack/anywhere you go (1985)
 軽くなっちゃいましたねー。80年代POPをそのまま思い起こさせるようなライトサウンド。アンブロのころのバンド音は影をひそめ、ソロとしてひたすら売れセンを狙った音作りをしています。それにしても髪型とヒゲは暑苦しい!80年代も後半に差しかかったらもうそんなルックスをしていちゃだめですよね。

★★★★ 名作!
David Roberts/all dressed up (1982)
 AORブーム終末期に発表された彼のワン&オンリーアルバム。ルカサー&グレイドンのギター、Jポーカロのドラム、Mポーカロのベース、Dフォスター、グレッグ・マティソン等、スター的AORクリエイターがブームの最後に力の入った作品を作ってくれました。曲がなんといっても良い。初期のシング・ライク・トーキングあたりが、いかにも「影響受けまくってます」って感じの泣かしメロディー。隠れた名盤として、今でも人気の高いアルバムです。

★★★★これもお得
DOOBIE BROTHERS/the very best of the doobie brothers (1993)
 これはいい。アメリカンロック黄金期の70年代から、マイケル・マクドナルドの加入によるAOR路線の第二期へ、代表曲のオンパレードです。「ドゥービーと言えばこれ」が詰まった全18曲。これ以前に発売していた「best of the doobies」もヒットしましたが、これはその名の通りベリー・ベストと言える選曲で大変お買い得です。

★★★ 定番。
Donald Fagen/the nightfly (1982)
 とりあえずジャケットがカッコいいですよね(笑)。日本人って、こういう「雰囲気モノ」弱いんですよ。スティーリー・ダン的な音を想像していた私はチト拍子抜けしましたが、聴きこむとかなり味のある音でヨイです。ウエスト・コースト的AORとはまた違ったアダルト・ミュージックの定番的作品です。

★★★★超定番。
Donald Fagen/kamakiriad (1993)
 前作から約10年、一聴しただけでドナルド・フェイゲンとわかる声とアレンジが戻ってきました。この人の不思議な「裏切られる展開」は独特ですよね。自分なりの音楽的感覚を正反対、逆と言うよりも、4〜50度方向にうまく反らして行く、このかわし方が絶妙の持ち味です。前作よりもさらにパワーアップしましたね。おすすめです。

★★★★ さすがですわ
Donald Fagen/morph the cat (2006)
 最近の新しい音も多少は聴いていますが、これにはやっぱり唸らされてしまったなぁ。正直、スティーリー・ダンとしての復活作「two against nature」を聴いて自分の中でいくばくかの納得いかない部分があったり、はたまた恥ずかしながら近年の「再結成ブーム」にまで気が及んでしまった私ではありました。しかしドナルド・フェイゲンのソロ2作はまた別の感覚で聴いていた私がS・ダン最新の「everything must go」をすっ飛ばして何気なく購入したこのソロ新作、あらためて素晴らしい。まず率直な感想としては音が丸くなった印象。前作ではかなり激しかったヒネクレ展開が抑えられて、耳にスッと入ってくる素直なメロディーになりました。それでいて細かく計算された無駄のないアレンジは変わらずさすがとしか言いようがなく、一聴すればこの人と気付く独特の音は今まで通り。さらに我々に訴えかけてくるパワーが増したように感じるのは私だけでしょうか? またフレディ・ワシントンの起用は大正解でしたね。この人は一音一音の粒が確りとしていてD・フェイゲンのようなシンプルかつ凝ったアレンジにピッタリはまります。
 若者の視点で描いた「ナイトフライ」、中年期での視点が「KAMAKIRIAD」、そして終焉について語った本作で三部作として完結との事。まあそれはライナーでもゆっくり読んでいただいてまずは聴きましょう。終焉(死)がコンセプトと言いつつも本人曰く葬式で流れるような作品ではなく、それどころか彼一流のユーモアたっぷりに綴られた音と詞の世界が待っていますヨ。●●ラボの新作にしばらくハマッていたりしてましたが、そんな私の頬をパンパンと平手打ちしてくれたようなアルバム。失礼ながら(笑)。

★★★ 音はいい
DUKES/bugatti&musker (1982)
 歌声に好き嫌いが分かれるところでしょう。私は苦手な部類です。はは。サウンドは冒頭の「mystery girl」をはじめ、AOR好きには良く出来た作品が多かったということで、かなり人気になったアルバムでした。なにせ、バックがTOTOを中心とした当時絶大な支持を受けていたスタジオミュージシャン勢ぞろいでしたからね。これも日高米(英)低的作品の代表格です。プロデュースはアリフ・マーディン。

★★
 わかるよ〜
EASY PIECES (1988)
 AWBヘイミッシュ・スチュワートを中心とするポップバンド。メンバーはスティーヴ・フェローンのドラムスとアンソニー・ジャクソンのベースと、メンバーからしてテクニカルなAORソウル風だと思っていましたが、やはりそこは80年代後半。プログラミングを駆使したとても当時特有のポップな作品でした。しかし、中にはAWB的な雰囲気をもった曲も現れるところは嬉しいですね。

★★ 結構なAORで
Erik Tagg/smilin'memories (1975)
 リー・リトナーの「RIT」でのフィーチャーリング・ヴォーカルで一躍有名になった彼のファーストがこの作品。このレア物がさすが日本における怒涛のリイシュー・ウェイヴに乗ってめでたく日の目を見ることに。LAセッション・ミュージシャンに囲まれた優しさあふれるシンガーソングライター・アルバムで、エリックが当時住んでいたオランダのみの発売であったと言うのがなんとももったいない話と感じるくらい、75年という時代の作品としてはクオリティの高いナンバーで綴られています。

★★★★ 白いstevie
Erik Tagg/rendez-vous (1977)
 続く2ndもオランダのみの発売であったそうですが、ほんと不思議。1stよりもさらにフリーソウル色が高まり、個人的にはドンピシャな内容。この頃の彼はスティーヴィーの「キー・オヴ・ライフ」に大きな影響を受けていたとの事で、それは曲間を空けずに続く一曲目からタイトルナンバーである二曲目「rendez-vous」の流れで早くもうかがうことが出来るし、全体的に緩急をつけた多彩な曲調でもそれを感じ取れますね。いやいや、それはおいても未発表のボーナストラックを含め素晴らしい内容。イメージ的に今の好みとはズレていた人でしたが、食わず嫌いはやっぱりイカンですねぇ。

★★★ お手本POPS
Eric Tagg/dreamwalkin' (1981)
 前述の通り「RIT」の大ヒットによりクローズアップされた日本製作によるアルバム。当然ながらエリック・タッグを主役としバッキングはライトに抑えた心地良いAOR。どちらかと言うと丁寧なアレンジとメロディーが絶妙だった前作の方が好みな音なのですが、とにかくこれは聴いた人も多いはず。持ち味の暖かい歌声で新たなAORファンを作った時代の代表作とも言える有名盤です。今となっては懐かしさを感じるだけと言う印象かなぁ。しかし、1stからこのアルバムまで3枚をまとめて聴くと、70年代から80年代への劇的な変化がわかりますね。

★★★ まんまS・ダン
EYE TO EYE (1982)
 Julian Marshall(key)&Deborah Berg(vo)の男女ユニット、アイ・トゥ・アイのファーストアルバム。プロデュースがGary Katzなのですが、これがまた80年代のポスト・スティーリー・ダン的な狙いを感じる音で、スッキリと無駄の無いアレンジが軽快な所は同時期のドナルド・フェイゲンにそっくり。それもそのはずバックはジェフ・ポーカロにチャック・レイニーのリズム、リック・デリンジャーのギターとお馴染みの顔ぶれ。しかし曲自体は二人がすべて作っており優しいメロディーが素敵ですね。結局はS・ダンの後釜や女性版D・フェイゲンにもなれなかった彼らは2枚のアルバムを残して活動を終えてしまうのですが。

★★★ ブラジルAOR
Gilberto Gil/a gente precisa ver o luar (1981)
 私のご紹介する作品はそれぞれのアーティストの中でも、いわゆる邪道系、その人のファンにとっては「ちょっとコレは違うでしょう」みたいなものが多いのですが、これはそのミュージシャンと言うよりサウンドのスタイルで音楽を選ぶ私としてはしかたがない事です。ジルベルト・ジルの数多い作品の中でもこれはかなりアダルト・コンテンポラリー的なもので、「palco」なんてもろEW&Fだったりして面白いです。CD盤としては唯一ブラジルのワーナーから再発されていますのでお暇ならドーゾ。

★★★ 偏見抜きで
GLAD (1978)
 CCM系の名グループ、これが1st。一曲目からPAGESの1stにも似た雰囲気でアレンジとメロディーとのバランスがいいですね。メンバーによるコーラスが多用されたり、どこか崇高なイメージを持った曲を挿むところはやはりCCM特有の部分も見れますが、全体としては一本調子にならず飽きさせずに全曲聴き通せる良質のバンドです。後半の三部講成(trilogy)がかなりの力作!

★★★ さらに洗練
GLAD/captured in time (1982)
 固いルックスが少し引いてしまいそう(ジャケ引きの典型的パターン)ですが、演奏力はさらにアップ。彼らのもう一つの持ち味はコーラスで、爽やか系AORサウンドを基調としつつ、聖なる世界もしっかりと伝えているようです。とにかく、アレンジのセンスの良さは特筆モノ。誰々風と言えなくもないのですが、ここまでの音を出してくれれば文句ナシ。

★★★★良い音ですよ
GLAD/no less than all (1983)
 時代も83年ともなれば、もうこの手の音はCCMの方々に頑張ってもらうしかないわけで…。確かに1曲1曲は前作や1stに比べるとかなり新しくはなっていますが(特に鍵盤)、それでも2〜3年は「(良い意味で)遅れた」サウンドは今では嬉しい限り。リズムがちゃんと人の手によるAORが聴きたい!と言う方にも自信をもっておすすめできるアルバムです。ヴォーカルが清々しすぎるところに好き嫌いが分かれそうですが‥、しかたがないねそれは。

  軽すぎます
GO WEST/indian summer (1992)
 個人的には苦手なサウンドです。なにしろ、真っ白けっけっけ(笑)。しかも打ちこみ多用の80年代〜90年代白人POPですから。さわやかでいいですけどね。天気の良い日のドライヴには合っているかもしれませんね。ボビコルのあの曲がカヴァーされていますけど、これもとにかく爽やか。

★★  スムースでした
Greg Mathieson/west coast groove (2004)
 アルバムタイトルといいジャケット画といいベタさ満開という感じなのですが、サウンドはどちらかというと爽やかさ重視のスムース・ジャズ的ピアノ・キーボードアルバムといったところです。本人のイメージからこちらのコーナーで紹介しましたがインスト中心、しかもかなり心地良い雰囲気の構成となっていますので以前のロック的なハードセッションをお好みの方にはちょっとタルいかもしれません。ビル・チャンプリンの歌うヴォーカルナンバー2曲は古きよき時代のAORを醸し出すものでこの作品のグレードアップに貢献。エブラハム・ラボリエル親子のベース、ドラムス、ヴィニー・カリウタ、マイケル・ランドウらが参加。

★★★ アダルティー
Hamish Stuart/sooner or later (2000)
 EASYPIECES」以来耳にするのですが、今回は生楽器のバンド・サウンドにこだわって作られた暖かみのある作品になっています。「whatcha gonna do for me」も日本盤向けに収録。こんなバンドのライヴを聴きながら、ゆっくり酒でも飲みたい気分ですね。一皮むけた大人が作る音楽はやはりいいです。

★★★ 名盤で
HUMMINGBIRD (1975)
 ここで私が紹介するにはおこがましいくらいのグループなのですが、お好きな方には許していただきたいと思います。母体であった第二期ジェフ・ベック・グループの流れをくむ英ファンキー・ロックの代表者ですね。そういった視点で見ると、3枚のうちこの1stがこのハミングバードという名を語る上でまず挙げられるべき一枚といえるでしょう。ボブ・テンチとバーニー・ホランドのギターが前面に出た音はJBG時代の雰囲気を残しつつ、その頃とは一味違った多様な音楽性とアンサンブルの妙を楽しませてくれるのは半数以上の曲を作ったdsのコンラッド・イシドールのおかげなのでしょうか。突然現れるあのキュートな女性vo、リンダ・ルイスが参加も聴き所。

★★★★ さらに深く
HUMMINGBIRD/we can't go on meeting like this (1976)
 で、1stで曲作りに深く関わっていたC・イシドールが抜け、なんとバーナード・パーディが参加することに。どちらかと言うとここではそんな本作とラストアルバムとなった次作のほうが紹介するにふさわしいものなんでしょうね。そのB・パーディはあくまでもその叩きでグループの音の骨となり、柱となる役割に専念、曲作りは他のメンバーが一人一人、または共作によるもので、より奥行きのある音となっています。マックス・ミドルトン作の“gypsy skys”では彼のクロスオーバー指向がはっきりとわかり、バーニー・ホランド作の“scorpio”においても然り。インストものを増やしたところもそんな方向性を強く感じますね。

★★★★ そして洗練
HUMMINGBIRD/diamond nights (1977)
 クロスオーバーな曲作り担当(?)であったB・ホランドが抜け、前作でゲスト参加に留まっていた英セッション・ギタリストの名手ロバート・アーワイが正式加入することに。結局ボビー・テンチ、マックス・ミドルトン、クライヴ・チャーマンらの第二期JBGからの3人に、名セッションメン二人がサポートした形でこのグループは歴史を閉じます。それまでの攻撃的でもあったギター・サウンドにR&Bを下地としたファンキー・ロックが根本であったこのグループのスタイルも、ジャジーでソフィスティケイトされた音色のR・アーワイのギターにより雰囲気が一変。“she is my lady”や“losing you”においてはAORとしての1曲として紹介できてしまうほど洗練されてしまうのでした。幕開けとなる“got my ‘led boots’on”はジェフ・ベックのあの曲とは対照的なホーンも入るファンキー・ポップで、いきなり体を揺らしてしまうほど。ソウル/ロックからクロスオーバー、AORと位置づけられる音を好まれる方にはオススメできます、が、この進化が逆に「ハミングバード」と言うバンドの存在価値を薄めてしまったのは事実でしょうね。私は好きなんですけど(笑)。

★★★ ジャケ引きも
IMPERIALS/stand by the power (1982)
 CCMの大御所グループの82年度作品。ジェフ・ポーカロとスティーヴ・ルカサーが参加している事で有名な盤ですね。メンバー4人揃って笑っているジャケは、一人一人の外見からもいかにもCCM、と言った清らかな雰囲気がありますが内容はなかなかの優等生AOR。それぞれハズレの無い曲が並びありがたい。しかしながらその声質からは、ルカサーのギターが効いたようなロック調のものよりはゆったり聴かせるメロウ系のほうが合っていると感じますね。ブルース・ヒバード作の“under his reign”、ジェームズ・ニュートン・ハワード作の“all for the asking”あたりはやはりGOOD!

★★  ちょい邪道か
Ivan Lins/love dance (1989)
 LA録音で歌詞はほとんど英語という、ワールドマーケットを強く意識して作られた本作。コアなファンからは当然ながら受け入れられにくいものなんでしょうね。いかにもアメリカ!というような80'Sアレンジをバックに歌えば「こんなのイヴァリンじゃない!」と感じられてもしかたのないところ。しかしこれはこれで当時の彼自らが意図するやりかただったのでしょう。プロデュースはスチュアート・レヴィン&ラリー・ウィリアムス

★★★ 安心の一枚
James Ingram/it's your night (1983)
 クインシー・ジョーンズのアルバムで抜擢され話題になった彼がついにというかやはり同プロデュースにより発表された記念すべきファースト・ソロ・アルバム。マイケル・マクドナルドと共演したあの「YAH MO B THERE」が収録された作品です。とにかくクインシーが手がけた気合の入った一発目であり、バック・ミュージシャンの豪華さはそのまんま「愛のコリーダ」といっても良いでしょう。アップにしろスローにしろ楽曲の質が良く安心して聴ける一枚となっています。うーん。イイ声してますね〜。

 歌はいいよー。
James Ingram/always you (1993)
 かなりさわやかなバラードが多いので、個人的には苦手な部類ですね。その歌いっぷりは、アメリカ映画のサントラに収められてもおかしくないくらいの格調があります。雰囲気はいいのですが、いかんせんメロディーが頭に残らない。このタイプは「そこそこ良くできている」くらいではBGMになってしまう危険があります。

★★★ 新グレイドン
Jay Graydon/airplay for the planet (1993)
 アルバムタイトルをもうちょっとなんとかできなかったのかなと思いますが(エアプレイはエアプレイとして区切りをつけて欲しかったですね)、「after the love is gone」の新録は聴く事が出来て良かったですが、リズムの打ちこみ多用が少し気になります。ノスタルジックな気分に?いやいや、あの頃とはまた雰囲気が変わっているようですよ。

★★★ 蔵出しナノネ
Jay Graydon/past to present - the 70s (2006)
 フラッとジェイ・グレイドンのサイトに入って発見し、思わず買ってしまった一枚。70年代から80年代にかけて録音されていた未発表音源集、と言うよりデモ録音集なのですが、エアプレイやビル・チャンプリン、さらにスティーヴィー・ウッズやジェイ・P・モーガンら繰り返し良く聴いていたナンバーが収録されているだけに思わず「あー。。。」と唸ってしまう、それほどデモ音源と気にならないほどしっかりと聴ける作りになっています。竹内まりやが歌っていた“secret love”が出て来た時はビックリで、ここでのヴォーカルは作詞者でもあるマーク・ジョーダン。でも歌声がちょっと苦しそう。この人の声質にはこの曲は合っていないと言うのが正直な感想。コーラスやホーンも入っていない段階でこれから煮詰めていく前のテスト録音的な所がアリアリですが、それはそれでチョット面白い。とまあ、前半は懐かしい名曲の「当時に録音された(ココがミソ)」別バージョン(として楽しめる)集。後半も“SONYのジングル”やテレビのテーマなど初めて耳にする音源が集められていて、たっぷり20曲。何と言っても今ではほとんど聴くことのできない彼のハーモニック・ギターが再び堪能できるだけでなく、もう一つのジェイ・グレイドンであったあのシンセがバックに流れる曲を耳にできるのだから嬉しいじゃないですか。純粋に7〜80年代の良質POPを味わうアルバムとしても楽しめる内容で、デモ集とあらかじめ心得ていればこのクオリティなら十分OK。これで配送料含め23ドルなら安いもの、とちょっとノスタルジックに「昔」に浸ってしまった私なのでありました。
www.jaygraydon.com

★★★ 大丈夫ですよ
Jay Gruska/which one of us is me (1984)
 「マクサス」のジェイ・グルスカ。私はそんな風にしか彼を知らないのですが、これは約10年ぶりとなった2nd。84年らしくいかにもなプログラミング・ビートで幕を開けますが、これは当時のPOPに合わせただけであり、後に続く曲はカルロス・ヴェガやマイク・ポーカロらのヒューマンなリズムが中心となっており一安心。メロディーラインやコードはマクサスのイメージにつながる「らしさ」があり大変気持ち良い。マイケル・ランドウのギターが効いた「Atlanta Calling」、極上のAOR再びと言う感じの「Cancun」など、80年代的なところはちょっとひとつかみというところで変わらず彼の独特の味が楽しめる作品。

★★★★ 聴きませう
Jaye P. Morgan (1976)
 正直、まー、こんなアルバムが出ていたとは知りませんでしたが76年という時代にデヴィッド・フォスターがプロデュースをしたアルバムということで、アナログ盤はそれこそ「幻」と言われていたそうですよ。ここでも日本の熱心な旧盤発掘作業によりめでたくCD化されたようですが、聴いてみてたしかに素晴らしいの一言。このサウンドはAORを聴く人なら皆号泣モノと言ったら言いすぎでしょうか。参加アーティストはあえて言いませんが心配いりません。みんな揃ってますから。とにかくその当時に彼らがセールスも何も考えず自然に音楽をしていた、そんな音作りに対する純粋さが伝わってくるんですね。主役のベテラン歌手については何もここで語れないのが申し訳ないのですが、この音だけでもファン必携の一枚と言えるでしょう。

★★★★ そっくりです
John Valenti/anything you want (1976)
 好みによるところが大きいのでしょうが、スティーヴィー・ワンダーのフォロワーというアーティストの作る楽曲はだいたいそちらの方も良いモノだったりすることが多く、この人はフォロワーの中でも特に「なりきった」存在ではないでしょうか。特にメロディーライン、歌(発声)もそっくりである中に、親しみのもてる曲調といい、3部作よりもどちらかというとそれ以前、60年代までかかっている頃の、明と暗で言えば明の部分、それに黒々としたsoulと言うよりはpopなスティーヴィーに焦点を絞っているところも面白い。だいたいはスティーヴィーのフレーズを取り入れながらもそれはひとつの影響部分として消化し、あらためて自分の音を求めるアーティスティックな人が多いのですが。ジャケ写の意味シンな雰囲気とは対照的な爽快さが先入観ナシで聴いてもナイス。いよいよCD化されるようですね。

★★★  AORになり
John Valenti/I won't change (1981)
 ソロ2作目となる本作は、なんと日本のみのリリース。それも当初からその意図で製作されたものではなく元々は本国での発売を予定していながら、それがお蔵入りしてしまったと言うことです。確かにひとつひとつの楽曲はそれぞれしっかりと作られていて、1stよりもポップでリスナーの間口を広げた親しみやすさがあり、これが本国リリースなしとは寂しい。しかし、Mike Piccirillo & Gary Goetzmanのコンビ作によるナンバーが大半を占める内容は、1曲単位では良くはできているのですが、すべて「〜風の曲」、「どこかで聴いたことがあるフレーズ」等がつきまとうものばかりで個性足らず。やはりそんな中でもJ・ヴァレンティ本人作の数曲が光るなぁ。80年代初頭当時の音、良いとこどりみたいなズルい(笑)アルバムですが、楽しめます。

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