[A〜C]


★★★  若いぞぉー
AALIYAH/age ain't nothingbut a number (1994)
 先日、若くして天に召されてしまいましたね。残念です。これは、ジャケ写からしてストリートにいるガキそのものといったくらい若い時(15歳位?)のアルバムなんですが、それで「back&forth」なんて曲をやられちゃうと、宇多田ヒカルのような人が日本でやっと出てくるようになっても、普通のアーティストに思えてしまうわけです。文化の違いですね。(^^;

★★★★ 聴かせます
Aaron Hall/inside of you (1998) 
 おー、いいの拾った!こう言うメロディー派の歌で聴かすアーティストは好きですね。派手さはないのですが、アレンジメントも品の良い仕上がりで落ち着いたブラックを聴きたい人にはかなりおすすめです。外見はチト恐そうなんですが。はは。ブラックのアーティストって、コワモテ多いですからね。

★★ 甘ったるいす
AFTER 7/talkin' my time (1992)
 80年代後半から90年代にかけて猛威を振るったベビーフェイス・サウンドの流れを受け継いだかのようなブラックアイドル的ヴォーカルグループという印象があります。ルックスは全然アイドルではないんですけどね(汗)。しかし、日本では今ごろになってこのようなスタイルのグループがもてはやされて来ました。確実に10年近くは遅れているということですね。

★★  懐かしいす
Al Green/more greatest hits (1998)
 はいはい、ちゃんと「let's stay together」は入っていますよ。純粋なソウルが聴きたくて、思わず買ってしまったベスト盤です。とりあえず手を出す時にはベストが一番ですね。特にアルバム・アーティストでない限りは。演歌的な70年代ソウルを堪能するにはもってこいの人です。

★★★  芸人ですね。
Al Jarreau/all fly home (1978)
 アル・ジャロウをブラックに紹介するか、ジャズ・フュージョンに紹介するか迷ったのですが、私の所有するアルバムに関してはこちらでいいかなと。元祖「歌う楽器」がよりPOPになって聴きやすくなった作品です。白人も含むウエスト・コーストのバック・ミュージシャンのサポートで爽やかに仕立ててあります。「all」の後半展開はインパクトありましたよね。

★★★★ 良いです。
Al Jarreau/this time (1980)
 '79〜'80のJay Graydonは大忙しでした。これも見事、アル・ジャロウをAORの世界に引きずり込んだ記念アルバムです。チック・コリアの「spain」をヴォーカル曲にしてカヴァーしているところが聴き所。さすが歌う楽器。陳腐なAORにせずに自分の持ち味を失うことなくイメージチェンジすることに成功した好アルバムとなっています。

★★
バラエティ豊か
Al Jarreau/heart's horizon (1988)
 1969年にほとんど無名であったジョージ・デュークジェイ・グレイドンの二人が初めて出会い、約20年後にそれぞれ人気ミュージシャン・プロデューサーとなってアル・ジャロウのアルバムを共同製作、ついこんな見方をしてしまうのですが、ここは素直にジャロウの歌を楽しむべきアルバムなのでしょう。どちらかと言うとデューク色が強く、グレイドンはシンセのみのプレイでギターは弾いていません。曲調がカラフルで楽しいです。 

★★★ 安心できます
AL Jarreau/tomorrow today (1999)
 確かに「this time」や「breakin' away」においての「曲の良さ」といった面では、「heart's horizon」はやや過渡期的な作品に感じられたものですが(と、いうかマトモすぎた?)、正攻法のヴォーカル・アルバムとしては久々に聴き味の深いアルバム出してくれました。ビル・チャンプリンとグレッグ・マティソン共作の一曲目でしっかりと掴まれて、さらに中盤でウェザー・リポートの「something that you said」をヴォーカル曲としてカヴァー。またやっちゃったよこの人。もういい歳になってきたのですが、独特のパフォーマンスは健在で、嬉しい限りです。

★★★★たしかに名盤
Al Johnson/peaceful (1978)
 ソウル大名盤、待望のCD化だそうです。自分はこのアルバムの存在は知らなかったのですが、とにかくこの人の「I've got the second wind」だけは良く聴いていました(下記にも記述)。本作に手を出してみてビックリ。全然良いじゃないですか(なんちゅう日本語だ)。とても78年とは思えないすこし古っぽい録音と甘渋いメロディーラインが良い雰囲気でマッチ。次作のイメージから軽視していた人でしたが、これはたしかにソウルの名品ですね。あら、何かノイズが入ったと思ったらこのCD、マスターテープが紛失のためアナログLPから音を採って焼き直したのだそうです。そこまでして…。わが国のリイシューに対する気合の入り方に頼もしく感じてしまいました。

★★がんばれオジサン
Al Johnson/back for more (1980)
 こう言っては大変失礼だなと思いつつそれでも言ってしまう(^^;のですが、やはりノーマン・コナーズ(プロデュース)らしい演歌的アダルト・ソウルを行く作品になっていて、さらに意地悪な言い方だとB級作品と言う事になるのですが、私的にはそういった「ニヤッ」とできる部分があれば充分OKなのです。そんな中でもの凄く良い曲なのが「I've got my second wind」。これだけは良く聴いたものですねえ。

★★★★当時としては
Alexander O'neal/hearsay (1987)
 一世を風靡したジャム&ルイスの手によって登場したアレックスの傑作。一聴するとすぐわかる打ち込み系のそのアレンジも、ここまで徹底していれば逆に個性となります。シェレールとのデュエット「never knew love like this」はブラック・デュエット曲としてはかなり上のランクに来るのでは。

   これは失敗
Alexander O'neal/my gift for you (1988)
 やめてくれー、このジャケ写。いくらクリスマスアルバムとは言え、コワモテの黒人がギラギラのコートを着て片手にプレゼントを持って立っているのはこっちが恥ずかしくなってしまいます。で、曲もクリスマスソングばかり。前作同様ジャム&ルイスの手によるものですが、うーん。つまらん。

★★★ 星みっつ!
Angela Bofill/too tough (1983)
 ただ歌のうまい女性ヴォーカリストじゃやっていけないですよね。ジャズ畑で鍛えたノドを生かした上でチャートの上位に来るようなスターシンガーにならなければ。。。ジャケットからしてそんな意気込みが強く感じられるアンジーのアリスタからリリースされた本作。1983年ですもんねぇ。前半は同じジャズ畑からこのフィールドでの転換に見事大成功したナラダ・マイケル・ウォルデンがプロデュースを担当。アシュフォード&シンプソンの名曲をボズ・スキャッグスとデュエットしちゃったりしてこれはいい。しかし、売れ売れ意識丸出しでアンジー自身がプロデュースした後半の方がむしろいい味が出ているような気がします。

★★  惜しい!
Angela Bofill/intuition (1988)
 フィリス・ハイマンと共にノーマン・コナーズのお気に入りヴォーカリストであったアンジーの復活的作品。デビュー時はクロスオーバー・ジャズヴォーカリスト的な路線であった彼女がアリスタに移籍後はポップ・フィールドで開花し、一応の成功を収めました。これは子育てのために休業後のキャピトル移籍第一弾ですが、やはり商業的成功を狙うべく、ヒット狙いの路線がアリアリで、そんな思惑とセールスがうまく噛み合わなかったアーティストでしたね。そんな中でもN・コナーズがプロデュースしたジノ・ヴァネリのヒット曲「I just wanna stop」のカヴァーは良くできており、この路線で統一してくれたほうが良かったという印象はチト残念。

★★★ アダコンすね
Arnold McCuller/a part of me that's you (1984)
 バックボーカルとして数々のアーティストをサポートしているアーノルドマッカラーのファーストソロがCD化されていました。84年という時代に作られた作品としては実に落ち着いたヴォーカルアルバム。しかしそれはけっして地味で面白みがないと言ったことではなく、発表当時はすでに時代遅れとみられたAOR寄りのソウルが今の時代に正しく評価され復活させるに相応しいクオリティを持ったものであったと言えるでしょう。何しろ主役の歌が際立っています。うますぎて面白くないってツッコミが入りそうではありますけどね。黒っぽさが抑えられているのは曲作りとプロデュースに関わったデヴィッド・ベノワの影響が大きいか。子供にはわからないでしょうね。この味は。

★★★ いぶし銀です
Arnold McCuller/you can't go back (1999)
 まさにベテランの力を見せつけるヴォーカル。派手な仕掛けもなく、Michael ShapiroやNDUGUを中心としたヒューマンなリズムをバックに今のソウルを聴かせてくれる安心の一枚。Bill Cantosが大部分をサポートしている事でアダルト・コンテンポラリー寄りのマイルドさが増した所も良いし、Don Grolnickの“pointing at the moon”をヴォーカルバージョンとして焼直したのは渋い! 70年代に影響を受けたなんて言うガキンチョの音とは対照的な大人の耳に耐えうるアルパムです。

★★★ セクシーです
A TASTE OF HONEY (1978)
 「今夜はブギ・ウギ・ウギ」のヒットで良くラジオでも流れていた当時は、ディスコブームもあってか流行に乗って出てきたガール・ユニット、との印象が子供心にありましたが、今になってマジマジと聴いてみるとそれはとてもとてもアーティスティックに作られたアルバムだったりします。ジャケット画でもわかる通り、彼女達は歌だけでなくギター(Hazel P.Payne)やベース(Janice M. Johnson)もプレイしてますし(演奏は粗いですけどネ)、曲作りにも携わってます。立派なアーティストだったんですね。そしてプロデュースはMizell兄弟でありました。ストリングスを小粋に挟んだ70年代の香り豊かなセクシーソウルが聴ける懐かしの一枚!
「twice as sweet」はコチラ

★★ キワモノぽくて
Barry White/the right night and barry white (1987)
 ストリングスをきかせ、女性コーラスを多用する独特のゴージャスサウンド・マスター、バリー・ホワイト。この持ち味はひとつの個性としてよろしいのではないかと思うのですが、とりあえず毎回毎曲、イントロの時に自分のナレーションを入れるのはやめたほうがいいと思うぞ。このおかげで人前では聴くことが出来ないアルバムになってしまったのでした。喜んで聴く人は日本人ではなかなかいないだろうなあ。 

★★★ 渋いね
Bill Withers/greatest hits (1981)
 ジャケットのわざとらしさがチョイ嫌ですねー。キャビアにワインに女性のヒールって・・・。すべては「just the two of us」のイメージなんでしょうけど、そのイメージで聴くと痛い目にあいます。本来はつぶやき系のベテラン・ソウル・シンガーですから。個人的には「らぶれっでぇ〜」と繰り返す「lovery day」が好きです。

★★ ディスコ音
THE BLACKBYRDS/better days (1980)
 デビュー当時を含む70年代はかなりジャズ・ファンクしていたのですが、80年代に移り発表された本作はかなりアップテンポなディスコサウンドとなりました。ジョージ・デュークのプロデュースですが、そんなに彼のカラーは濃くなく、むしろかなり時代を感じさせるレアグルーヴの典型的ディスコサウンド・バンドを狙った音づくりをしています。この頃の黒音好きにはかなりイイ線行っているかも。

★★ ドロクサいいね 
THE BLACKBYRDS/greatest hits (1989)
 ドナルド・バードグループでバックをつとめたジャズ・ファンクバンドのベスト盤。売れ筋を意識したヴォーカル物多数。ジャズ・フュージョンのカテゴリにも入りますが、歌物がファンキーなので、とりあえずここで紹介。シンプルな生楽器のバンドスタイルサウンドです。

★★  声がステキ
Bobby King (1981)
 元々はライ・クーダーとの共演で知られるR&Bシンガーであった彼が世の流行に乗り(?)、またはワーナー・ブラザーズという大手の意向にしかたなく従ったか(?)、マイケル・オマーティアンのアレンジによりスッキリと爽やかなAOR/SOULとして出されたデビュー・アルバム。AIRPLAYの二人の参加により日本ではその筋のファンに知られたようですが、どちらかというと下地はその外見からもうかがうことができるように(笑)R&Bシンガー。そんな人が白人プレイヤーの大々的なバックアップを受けてしまったら、そりゃあ頑固なソウル・ファンからは受け入れ難いところがあったでしょう。しかし、そんな穿った見方は抜きにして彼のハイトーン/ファルセットボイスと軽いアレンジが見事にマッチしている心地良さはAOR好きならOK。リズムはエイブラハム・ラボリエルとエド・グリーンが担当。

★★★ きれいです
BOYZ II MEN/II (1994)
 ヴォーカル・グループとしてはついついTAKE6に傾いてしまう私なのですが、TAKE6がアダルト好みとしたら、こちらはもう少し若い世代向きといったところでしょうか。この手のはダンサブルな曲よりも、アカペラやコーラスワークが全面に出るミディアム・スローの方が良い曲が多いですね。

★★★ 爽やかfunky
BREAKWATER (1978)
 70年代後半という、さまざまなジャンルの音楽が壁を取っ払う大きな展開を見せていたこの時期、とても魅力的な作品が次々と発表されていた頃でもありますがこのブレイクウォーターもそんな中で密かに生まれていた隠れ名盤。基本はフィラデルフィア発の黒人を中心とする8人バンド(白人1名)ですが、サウンドが爽やかでAORに近い仕上がり。デュークス(bugatti&musker)作のナンバーなども扱うくらいですから、ゴリゴリのブラックとは対極の位置にあるフリー・ソウルであるのは想像いただけると思います。そんな素敵な「中途半端さ」が日本人にはウケるのでしょうね。こいつはいいです。

★★ ちょいウケ狙い
BREAKWATER/splashdown (1980)
 そんなブレイクウォーターの2作目。一曲目から意表をつくシンセな効果音。25年ほど前に考える近未来的な、つまり「スペース」的な音から始まる作りや、3曲目の「release the beast」のような'80sファンクなどからファーストよりもかなりブラックを意識した、いやせざるをえなかった事が感じられます。ジェリー・ヘイを中心としたホーンの多用やギターカッティングなどはEW&Fの影響大かな。しかし、後半はまたブレイクウォーターらしさが戻る展開に。AOR寄りのメロウなフリーソウルが好きな人にはやはりこちらで一安心、といったところでしょうか。

★★★★ ノレノレです
THE BROOKLYN,BRONX & QUEENS BAND (1981)
 THE BBQ BANDの記念すべきファーストアルバム。タンス・フロアが盛り上がり系のナンバーばっかりでカッチョイイ〜。同じフレーズのリフをこれでもかとたたみかけるこのスタイル。いつまでも踊っていられる??それでもリズム隊が時々キメフレーズをかましてくれるのでその場所にあわせて体を動かすのが楽しみになってしまうのです(この感覚、わかってもらえますよね?)。しっかりとスローナンバーも取り入れてお休みタイムを作っているところもニクニクしぃ。80年代初期のダンス系ブラックを代表するバンドのひとつですね。

★★★ 鳴り物だった?
THE BROTHERS JOHNSON/look out for #1 (1976)
 ベースとギターの兄弟ファンキーユニットといったようなジャケットのイメージなのですが、もちろん言わずと知れたボス、クインシーに見出されて現れた二人。ゴリゴリのファンク・ソウルのはずが、デイヴ・グルーシンやリー・リトナーハーヴィー・メイスンといったクロスオーヴァー・フュージョンで活躍するミュージシャン達にサポートされたサウンドでそこらへんのファンクとは一味も二味も違った味わいとなっていたのでした。

★★★ 落ち着いて
THE BROTHERS JOHNSON/right on time (1977)
 クインシー・ジョーンズの秘蔵っ子とうたわれて颯爽と登場したブラジョン。元祖ではないですがチョッパー・ベースと言えばこのルイス・ジョンソンでした。クインシー的POP感覚の味付けも効いて、フュージョンアルバムとしても少しはイケそうです。「strawberry letter23」のカヴァー収録。

★★★★ やったあ
THE BROTHERS JOHNSON/blam!! (1978)
 うおー!これこれ。「ain’t we funkin’now」。前作まで多少おとなし目だったブラジョンが本領発揮した超ファンキーアルバム。ルイス・ジョンソンかっこいいです。聴くべし!ミディアム・ナンバーはさりげなくデビッド・フォスターなんかも顔をのぞかせていたりして。曲数は少なく物足りないのですが、まさにブラジョン最高期と言えるでしょう。

★★★ 良いのになぁ
THE BROTHERS JOHNSON/winners (1981)
 私的には好きなのですが、まったくもって評価の悪かったブラジョンのAOR的作品。クインシーの手を離れ、セルフプロデュースとなったのですが、J・ポーカロ、J・ロビンソン、S・ルカサーら白人系のリズムを導入し、結果的にどちらのファンからも受け入れられなかったようです。やはり、彼らのファンはゴリゴリのチョッパーファンクが好きなのですね。

★★  2曲目は良い
THE BROTHERS JOHNSON/kickin' (1988)
 「winners」までならAOR-POPファンにも隠れた好アルバムということで評価できるものであったのですが、今作はリズム・プログラミング、つまり「打ちこみ」を使った80年代特有の一聴オーソドックスなブラック・アルバムになっているところが時代の流れに合わせて作られているようで、実はこのユニットの「節操のなさ」を露呈してしまった残念な結果となってしまいました。やはりこの兄弟はジョージのチャカチャカファンキーギターと爆発的なルイスのチョッパーベースが魅力だったはず。このような個性豊かな二人でさえも変わらざるをえなかった80年代後半のアメリカ音楽界の流れというのは、私にとっては許しがたいものがありましたね。

★★  アダルティー
BY ALL MEANS/it's real (1992)
 ジャケがイヤラシイですねー。男2女1のヴォーカルグループなんですが、とてもエッチな雰囲気です。たっぷりとアダルティーな気分になってください。と、言っても曲はまともですよ。アシュフォード&シンプソンの「ain’t nothing like the real thing」収録。

  POPすぎて
CALLOWAY/all the way (1989)
 なんだこりゃ。ポップなのはわかるんですけど、黒らしさがないですね。典型的な無機質の打ちこみリズムで、確かに当時はプリンスを筆頭に黒も白もなくてこの類のサウンドがもてはやされた時もありましたが。やっぱり一時的なんですよね。こういうのは。

★★  ははは・・
CAMEO/single life (1985)
 すっトボケてますよね。とてもチープな打ち込みサウンドに、「I’ve got your image」みたいな綺麗なメロディーをのせてみたり、どこまで本気なんだか。いや、マジなんでしょうけど(^^)。この頃はコンピューター・ファンクながら、曲で聴かせる「ブラコン」的要素が強く出ていました。

★★★
 一番のヒット
CAMEO/word up! (1986)
 彼らの代表作と言えるアルバム。どこまで真面目なんだかわからないこのサウンドと歌。面くらうというか、つい笑ってしまうバンドです。こんな事言うとコミックバンドのように取られてしまいそうですが、音はまったく違います。「back and force」のようなのも作るわけですから。こんな大マジ路線も好きなんですよねぇ。

★★
 笑わすな!
CAMEO/emotional violence (1992)
 このすっとぼけ感覚がまたナントモCAMEOなんですねえ。良くも悪くも中途半端なメロディアス志向が徹底的なエレクトリックファンクのファンからは「ダサい」と思われてしまうのかな。「that kind of guy」なんて、個人的には今でも名曲だと思っていますけどね。

★★★ サラッと軽く
Carl Graves (1976)
 丸ーいアフロに笑うジャケットから、黒々としたソウルな内容と思いきや、リズム押しを抑え白っぽい所も見せる音に意表をつかれたこのCarl Graves。熱く歌い上げる中にもどこか軽さのあるミディアム・ダンサー“heart be still”に始まり、ゆったりとしたバラードのA-2にいきなり流れていく対照的な部分をすぐに見せつける所がこの人を良く表しているのでしょう。Robbie Buchananがアレンジとkeyで関わっているのでコテコテではなく様々な色を見せてくれるのかもしれませんが、どちらかと言うとさすがなのがJoe Sampleの存在感。エレピのイントロが印象的なB-1はまんまクルセイダーズかJ・サンプルのソロ作の中にありそうなバラードで、A面ラストからこの曲への流れが良いです。続く、おそらくレイ・パーカーと思われるカッティングがアルバム中一番ファンキーなB-2はどこかブルーアイドソウル的な爽やかさもあり。そして特筆すべきはB-3の“be tender with my love”。サビのメロがたまらない極上のミディアムなんです。ビージーズの原曲とは別物の仕上がりで、こんな曲を歌うところもホワイト・ソウル寄りな意識が感じられますね。
 おそらく幅広い層に向けた視野を持って作られたであろう彼の、A&Mという懐の広いレーベルから出された唯一のアルバム。ソウル/AOR系好きにおすすめ・・・なのですが未CD化のままなのです。

★★ かつての歌姫
Chaka Khan/I feel for you (1984)
 シャリシャリ・パシパシ、みたいな軽い80s特有のプログラミング・ビートに乗って始まるこのアルバム。プリンスによるタイトル曲が時代を象徴していますが、全体ではソウル・シンガーに留まることのないメジャー・POP進出の意欲がアリアリなのです。しかしそこはさすがアリフ・マーディン、全10曲の作者を見ればバカラック/ベイヤー・セイガー/B・ロバーツの名グループによるものや、マイケル・センベロ、フィリップ・セス、ジェームズ・ニュートン・ハワードなどそうそうたる名前が。そしてなんといってもD・フォスター/T・キーン作の後半を飾る極上バラード「through the fire」!これだけの歌唱力がありながら女王になれずに終わってしまった彼女が不憫でなりませぬ。

★★  メロキャメオ
Charlie Singleton/man on a mission (1989)
 CAMEOのチャーリー・シングルトンが満を持したかどうかはワカリマセンがソロ名義で発表したアルバム。出だしはもろキャメオライクなエレクトリック・ファンク。なんだ、母体と変わらないジャン、と思いきややはりこの人らしくメロディアスなヴォーカルが入って来ました。そこを期待して買ったんだからねこのCDは。キャメオよりもメロディーを重視した打ちこみソウルと言ったらわかりやすいかな?いやぁ、やっぱりファンにとっては「ダサダサ」という印象ですまされてしまうのでしょうか。キャメオってバラードも評価高いグループなんですけどね。

★★★ 歌もいいぞ
Charlie Wilson/you turn my life around (1992)
 打ちこみ系グルーヴが主流を占めた90年代に、人間臭さを保ちつつのサウンドでの活動がチト辛くなってきたギャップ・バンド。メイン・ボーカルの彼が起死回生のソロアルバム発表といったところでしょうか。しかし、新しい音になっても「charlies jam」ではしっかりと“らしさ”が出ていますし、3曲ほどジェフ・ローバーが参加と、なかなか興味深い作品です。

★★ ボリューム歌姫
Cheryl Lynn/whatever it takes (1990)
 デビュー作のイメージが強すぎて日本ではその後、ちょっと盛り上がりに欠けたヴォーカリストですがなかなかどうして、こんなに個性のある歌い方をする人も少ないのではないか、と思ってしまいますですね。THE TIMEのJesse Johnsonが8曲中5曲彼女と共同プロデュース。'90s BLACKの王道とも言うべきサウンドに乗ってヴォリューム感溢れるCheryl嬢の歌をご堪能ください。アァァァ〜ッ・ハァッってな息の入れ方も健在。

★★★ オイシイですよ
THE CHOCOLATE JAM CO./spread of the future (1979)
 レオン・NDUGU・チャンクラー率いるチョコレートジャム・カンパニーの1stアルバム。セッションドラマーが作るブラックの中ではわりと泥臭い感じのファンキーソウルをやっていますので純粋な黒音好きにもなかなかイケるとは思いますが、やはりNDUGU、バックミュージシャンもアル・マッケイロニー・フォスターグレッグ・フィリンゲインズジョージ・デュークなど、一味違うメンツ(というか仲良しさん)を呼んでややフュージョンタッチの曲なんかも挟んだりしていて、これは2ndのブラック徹底作にはない雰囲気でどちらかと言うとこっちの方が好き。なんといってもベースはバイロン・ミラー。GDの「don't let go」と聴き比べても面白いですね。
NDUGU & THE CHOCOLATE JAM CO./do I make you feel better? (1980)コチラ
Leon NDUGU Chancler/old friends new friends (1989)コチラ

★★★ じっくりと
Christpher Williams/changes (1992)
 ミディアムスローを得意とするシンガーは、ややもすると曲が画一的になって退屈なアルバムも多いのですが、この人はメロディーが良いのです。Mary J Bligeとのデュエット曲「good lovin’」もスリリングな展開でカッコイイですよ。

★★★ じんわりとね
Christpher Williams/not a perfect man (1994)
 全編ミディアムスローばかりの、見事なミッドナイト・ブラックに仕上がっています。メロディーと歌の良さは変わりません。美しくディープな彼の世界にドップリはまってみるのも時としてはおすすめですよ。最近どんな活動をしているのか話が聞かれないのが寂しいところですが。

★★ 結構テクニカル
COLD FIRE (1981)
 80年代初頭にたった一枚だけアルバム出した9人編成のコンテンポラリー・ソウルバンド。一曲目の“H,F,R,S,”はシングルになるだけあって今聴くといかにもチャート向けなB級ディスコですが、続く“time to leave”でのメロウ・ミディアムで柔軟なところを見せてくれ一安心。一枚通して良く聴くとアレンジも結構凝った作りになっていて、キーボードソロもヤルじゃんと思ったらゲスト・クレジットにパトリース・ラッシェンNDUGU、ネイザン・イーストらの名が。良くありがちな音ではありますがレベルはなかなかなのにこのアルバムだけとは惜しい。

★★★  B&W
CRACKIN' (1977)
 再発ものでひとつ。レスリー・スミスがメンバーだったSOUL/AORバンドの3rd album。私もリアルタイムでは聴いていませんでしたが、黒人と白人の混合バンドということで音も品が良い。なるほど、ワーナーBros.所属アーティストらしくマイケル・オマーティアンがサポートしていたのですね。2曲目のシンセ・ソロなんかもろそんな感じでカッコいいです。ただ、白黒どっちつかずのバンドって難しいですよね。ターゲットを絞らないとなかなか評価は得られない。ちょっと時期的に早すぎたバンドとなってしまったようです。

★★★★ かなりAOR
CRACKIN'/special touch (1978)
 さらに4th(ワーナーからは3枚目)も入手したのでご紹介。プロデュースは引き続きマイケル・オマーティアンが担当し、音もさらにsoulから離れてAORになりました。ここよりもAORのコーナーで紹介するべき音だったのかもしれませんね。前作よりも曲の良さが目立つようになりとてもいいアルバムです。1曲目から2曲目、3曲目とたたみかけるようにたたみかけてきますよ(なんじゃそら笑)。しかし、1978年にしてこれがラストアルバムになるとは。「早すぎたバンド」、ここにもいました、という発見ありです。

★★ 意外な高温VO
Cuba Gooding/the 1st Cuba Gooding album (1978)
 しかしまあ、なんじゃこのアルバムタイトルは(笑)。まあ、ジャケのベタさもこのタイトルと妙にマッチしてモータウンらしくていいかも知れませんが(どこが、らしいのか、はてさて)。しかし、バックを固めているミュージシャンがまたヨイんですね。ドラムスはJames GadsonとEd Greene、ベースはScott Edwards。もうこれで決まっちゃったようなもんで、ストリングス・マスターはSid Sharp。そこにDavid FosterやMichael Omartianらのウエストコーストの白人キーボーディストが絡んでくるライトさが混ざった感覚がキューバ・グッディングの高音ヴォーカルにピッタシだったりします。息子さん(Cuba Gooding jr.)は映画俳優としてかなり活躍しているみたいですね。

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