[L〜N]


★★ ディスコ系に
LAKESIDE/The best of lakeside (1995)
 はい、典型的なディスコサウンドを思い出したい人はこれです。今で言うとダンス☆マンにパロられてしまいそうですが、一般的にブラックというとこんなサウンドのイメージがありますよね。良くも悪くも、黒人の世界での歌謡曲。時代を懐かしみたい世代にはうってつけのベスト盤です。

★★★ アレンジも★
Lalah Hathaway (1990)
 親の七光り?いえいえ、そんな風にいやらしくとってしまうと実際に聴いた時に自分の思考回路の小ささに嫌気がさしてしまうくらい良く出来たアルバムですよ。歌はメッチャクチャうまいというわけではないのですが、なかなかクールでカッコ良いladyです。

★★★ よりポップに
Lalah Hathaway/a moment (1994)
 前作よりもさらに幅広いサウンドになっていて、より聴く人間の間口を広げた感がありますね。よりPOPで親しみやすく、ラストはピアノをバックにジャズ風にと。ジャズ系ミュージシャンとも親交を深めて行き、日本でもマーカス・ミラーバンドのヴォーカルとして来日を果たしていますが、その後の活動はあまり聞こえてきません。どうしているのでしょうか。

★★ 渋いわ。
Leon Ware(1st) (1972)
 ファーストアルバムです。後に彼独特のメロウ・セクシーソウルのスタイルを確立するのですが、このファーストでもその姿を見ることはできます。ただ、どちらかと言うと結構骨っぽいR&Bアルバムだったりするところが面白いですね。

★★★  お徳版!
Leon Ware/musical massage (1976)
 マーヴィン・ゲイに売らざるを得なかった「I WANT YOU」の代償として作られたと言うアルバム。UK再発のこの2枚組では「come live with me angel」や「I wanna be where you are」のリオン版が収められています。彼のディープな世界に浸りたい方には必聴のアイテムでしょう。

★★★ ガラッと明るく
Leon Ware/inside your love (1979)
 比較的アップ・ナンバーの多い構成となっていて、アルバムを発表するたびに華やかになっていく感がありますが、デビッド・T・ウォーカーや、おなじみワー・ワー・ワトソンのリズム・ギターもリオン・ウェアの独特なメロウ・グルーヴをしっかりと固めています。(テケテケは健在!)「I WANT YOU」のような一貫したコンセプトは感じませんが、良く出来たアルバムです。

★★★
 さらに垢ヌケ
Leon Ware/rockin'you eternally (1981)
 当時の売れセンを意識してのことか、ちょっと中途半端なシンセ・ディスコサウンドもありますが、タイトル曲などの後半からは彼らしいミディアムセクシーグルーヴを聴くことができます。返すがえすも、もし、「I WANT YOU」が彼のオリジナルアルバムとして世の中に発表されていたら・・・それは、良かったのか悪かったのか。答は出ませんが、個人的には聴いてみたかったです。

★★★★AOR好きにも
Leon Ware(5th) (1982)
 ゴリゴリの黒い音楽と言うより、メロディアスなセクシーソウルであった彼がついにAORになってしまった隠れた名盤。もちろんバックはTOTODavid Fosterらがつとめ冒頭の「slippin’away」からついにやったか!と言う感じです。ジャニス・シーゲルとのデュエット「why I came to California」は代表曲。

★★  ちょっと地味め 
Leon Ware/velvet nights (1992)
 実は「undercover」と言う名で1987年に発売されたアルバムらしいのですが、5年後の日本で「最新作」として届けられた作品。シルキーヴォイスは健在で、独特のメロディーラインは好きなのですが、内容的にはかなりマニアックになってしまいましたね。80年代前半に当時流行りのAOR路線に乗ったアーティストって、その後の活動が急に地味になってしまう人が多いのですがどうしてかな?

★★★再びディープに 
Leon Ware/taste the love (1995)
 活動拠点をイギリスに移した彼の実質的には1990年代唯一と言える貴重な作品です。前作よりもまたリオン・ウェアらしいディープでセクシーなサウンドが戻って来ています。嬉しいですね。1曲目は「come live with me angel」のセルフカヴァー。やはり、あのアルバムは思い出深い作品なのでしょう。

★★ こりゃ渋いや
Leon Ware with Don Grusin/candlelight (2001)
 ピアノのドン・グルーシンとのコラボレーション・アルバム。基本的には、ドンのピアノをバックに「マイ・ファニー・バレンタイン」や「ラウンド・ミッドナイト」、「ミスティ」などのジャズ・スタンダードを歌い上げて行く構成となっています。こういった作りのアルバムは初めての試みですね。だんだんと円熟味を増して行くリオン・ウェアがここにあります。

★★★★ ありがとう…
Leon Ware/love's drippin'(2003)
 ソロとしては実に約8年ぶりに完全なオリジナルアルバムをリリースして戻って来てくれました。 とにかく彼の独特な雰囲気が好きな人ならまず一曲目の「all around the world」を聴けば「あーっ。良くぞ戻って来てくれました(泣)。。。」と感動してもらえることでしょう。そして、続く他のナンバーもアルバム全体を一定のリオン・ウエア・グルーヴとして統一された作りになっていて、いま彼のファンがどんな音を求めているかと彼自身が個性を持つアーティストとして作り出すべき音がうまく合致したと言えましょう。 Wah Wah Watsonのファンキー・チャカチャカギター参加が嬉しい3曲目のミディアム・アップナンバーもあったり、おそらくアルバムのイメージを決定づけるであろう5曲目「is it drippin' on yourself」はスローを作る今の若いアーティストにも聴いてもらいたいし、9曲目の「hands on my heart」は70年代を今に蘇らせたような感動の一曲。一枚通して共通のコンセプトを持った作りとなっているのも嬉しいですね。今回はLeonに師事しているソングライターのKanaさんからのご紹介にも大感謝です。ありがとう!

★★★ やっと日の目が
Leon Ware/deeper (2003)
 これは90年代に作られたデモ音や未発表曲を中心に一枚のアルバムとしてパッケージングされたもので、たしかにホワイトノイズの多い曲もありそれらしいのですが、完成度は高いです。しかも全編あのメロウな世界が続きます(02はなんとジャニス・シーゲルとのデュエット!)から安心してお求めいただけるでしょう。それにしても、こんな作品を世界に先駆けて発売してしまうのですから、日本人の音楽に対する貪欲さったらすごいですね。聴いてくれる人がいなければ(売れなければ)企画すらされないわけで、このアルバムだけの話ではなくて、世界の様々な音楽を細かなところまで吸収できる土壌をもった国として、日本は世界の音楽マーケットの中でも(アメリカはおいといて)英国を軽く抜いて一番の多嗜好国家になったんじゃないかと思います。

★★★ この人を聴け
Leon Ware/a kiss in the sand (2004)
 これは昨年亡くなられた愛娘ローラに捧げられたものであると共に、いつもお世話になっている「リオンの弟子」Kanafu Marieさんとの共作曲が初めて収められたアルバムでもあります。今回は全編ブラジリアンサウンドを基調としつつ彼独特のメロウなヴォーカルが浮かんでいる作りですが、確かにリオンのメロディーとボサノヴァは良く合いますね。アルバム全体の統一感が素敵な一枚です。マルコス・ヴァーリと共作したタイトル曲、リオン節全開な「night in Brazil」、密かにJames Ingramがコーラス参加した「攻め」の一曲「spirits lovin'」など聴き所が多いですが、特にKanafuさんとの共作曲「hearts alive」は期待以上のナンバー。切ないメロディーに静かに盛り上がるサンバでこのアルバム後半のハイライトとも言えるものでした。この曲をこの位置に置くか置かないかでかなり雰囲気が違ってきたのでは、と感じましたね。今年は自分もひとつの節目を迎え、人生なんかもチョット考えてしまったりしますが、こんな哀愁漂うアルバムを聴きながら毎日大事に生きなきゃアカンぞ!なんて思ってしまうのでした。

★★ あっさりな黒で
LINXS/intuision (1981)
 VO,B,KEY,DS,Gのバンドスタイルをとった軽いブラコン系の音を出すグループですが、実質的にはジャケの二人、特にVOのDavid Grant中心となっているようです。ピッタリ80年代初頭のブラックといったところで重すぎず黒すぎず、広い層に受けそうな音のカラーが多彩なところはなかなか。特筆はソウル・セッションドラマーとして活躍したオリー・E・ブラウンがプレイだけでなくプロデュースもしている所。そのナンバーはモダンながら一番黒さを感じさせる2曲となっています。他のゲストはNathan Watts,Paul Jackson.jr,Michael Boddickerなど。

★★★ 黒々してます
L.T.D/love to the world (1976)
 love,togetherness & devotionと、人間愛に満ちた単語の頭文字から来たL.T.D.。これはミゼル兄弟の全面的製作による3rd。ストリングスの使い方もリズム&アレンジもまさにスカイ・ハイプロダクション。黒っぽさ満開でカッチョいいですぞ。曲もほとんどミゼル兄弟によるものですが、スキップ・スカボロウの名曲「love ballad」が収録されているのもこれ。ファンク良し、スロー良しの名盤です。

★★ 狙ってますね
L.T.D./something to love (1977)
 一曲目の歌謡曲、いやサタデーナイトフィーヴァー的なアレンジはナニ?とは思いましたがとりあえずヒット狙いならこれはこれでしょうがないんでしょう。だけどいきなり2曲目ではグッとスロー・バラード。何をしたいのか良くわからないまま3曲目でイカしたファンキー・ソウルに。そうそう。本来はこれがやりたかったんでショ?これを含む5、9曲目のファンクはベースラインをなぞっちゃうほど気持ち良い。バラエティに富んだ構成ですがやっぱりジェフリー・オズボーンのヴォーカルを聴くバンドなのかしらねぇ。ジャケの派手なコスチュームと共にかなり商業的なニオイのする作品。

★★★ キモイイ黒さ
Luther Vandross/never too much (1981)
 ブラックと言うより、「男性ブラック演歌歌手」しちゃった彼にはほとんど興味がなかったのですが、バディ・ウイリアムス、マーカス・ミラー、ナット・アダレイJr.らにガッチリとつかまれてファンキーさのあった本作はけっこう好きです。それでもこれからの方向性が示されているようなゴージャス感はありますけどね。ブラック・コンテンポラリーのお手本のようなサウンドに乗って、まだソロとしては「かけだし」のルーサーも初々しくてヨイですぞ。

★★ アダルトに
Luther Vandross/your secret love (1996)
 ピーボ・ブライソンがブラコン界の細川たかしなら、この人は五木ひろしといったところでしょうか。ジャケ写で掛けているクリスチャン・ロスのサングラスがインパクトッています。マーカス・ミラーのサポートを得て、とても上品なアルバムで、ブラック演歌の聴きたい人にはこの人。スティーヴィーの「knocks me off my feet」カヴァー収録。

★★この手が好きなら
Lynden David Hall/the other side (2000)
 あー、UKソウルですねー。シンプルです。バックトラックの打ちこみから、もちろん歌も曲作りもすべて自分でやっているようです。派手さのないソウルで、この無駄のないスカスカ感がいいですね。リラックスして聞き流す(失礼!)のにもってこいです。こういうのは。

★★★ 黄金です
Marc Sadane/exciting (1982)
 1stに引き続きエムトゥーメイ/ルーカス・プロデュースにより製作された2nd。今回はそのファミリー以外にもマーカス・ミラーやアル・マッケイといった豪華なサポートを得た勝負盤であったにもかかわらず、やはり売れずに彼は表舞台から去っていったと言うお話です。しかしながら内容は、新時代のP-ファンク的ナンバーであるタイトル曲から前作同様の粋なミディアム・ダンサー、メロウファンクなど黄金のブラック・コンテンポラリーてんこ盛り。確かにそのパワーアップした音は反面、時代の流れに合わせていかざるを得なかった感は漂っていますが、これだけの完成度なら充分。
ファースト Sadane/one way love affair (1981)コチラ

★★★★★ 良い!
Marvin Gaye/I want you (1976)
 私はひねくれ者ではナイ!でも、マーヴィンと言えばこのアルバムなのです。賛否両論あるようですが、どうやらマーヴィンのファンとしては許せない人が多く、音楽好きには絶賛に値する作品であると、そもそもそういった次元で賛否が分かれているように思います。私は純粋にひとつの音楽作品として捉えた場合、とても良く出来たアルバムだと思うのですが、あなたはいかがでしょうか。

★★ 裸々に
Marvin Gaye/here,my dear (1978)
 自分の離婚についてアルバムにしてしまったと言う、とても恥ずかしい事をやむを得ずやってしまったその度胸と決断に拍手。赤裸々に綴ったそんな私的な作品を、世間は高くは評価しなかったようですが、「涙の向こう側」がとてももの悲しく、良い曲だったので私は許します。
Marvin gaye/I want you +17 〜DELUXE EDITION〜 (2003)
 「いわくつき」だなんだと言われながらも、逆に崇拝者も多いこのアルバムがめでたく2枚組のデラックス・エディションとなって再登場されました。リオン・ウエアが生み出した素晴らしいメロディーとアレンジに愛を歌ったら右に出る者がいないマーヴィン・ゲイの表現力が加わり、初めて送り出されたのが27年前の事。こうやって今回アウトテイク集の一枚を含めたデラックス・エディションが発売されるとは、まったくもって嬉しい限りです。一枚通じて共通のコンセプトを持ち、まったく雰囲気が変わる事無く最後まで流れていく作りのアルバムっていうのはそうそうお耳にかけられるものではありません。なんといってもオリジナルでは1分たらずのインタールード的に挿入されていた「I wanna be where you are」のフル・バージョンが収録。未発表曲も3曲。2枚目は別バージョンの「I want you」が聴けるわけです。英語の読めない人はライナー和訳付の国内盤の購入をおすすめ。このアルバムにまつわる話やリオン・ウエアとマーヴィンのやりとりなど細かく知ることができ、ひとつの映画と制作ドキュメントを見ているようです。

★★★ か〜〜!
Mary J Brige/shere my world (1997)
 黒人POPも女性シンガーを中心にだいぶ日本で市民権を得てきたところで、FENDIの真っ白なサングラス(こんなん日本人は誰も掛けられない!)がインパクトのあるジャケ写に引き寄せられて思わず買ってしまいました。イマドキなブラックにも手を出してみようかな、と。ラップもありありでかっちょ良いですぞ。

★★★モーリスは不滅 
Maurice White (1985)
EW&Fの壮大なイメージから離れてちょっとカジュアルに作られたソロとしてはワン&オンリーアルバム。ただ、やはりこの人のことですから、サウンドはカラフルで手の込んだ作りになっています。「stand by me」のカヴァーはアップナンバーながら、当時「辛い時でも落ち込みながら歌える明るい曲」という珍しいパターンとして愛聴していました。

★★  音悪すぎです
Maxine Nightingale/lead me on (1979)
 70年代後半に何枚かアルバムを出していた英国のレディ・ブラックシンガー。現在CDで手に入るのはこの作品だけのようです。が、これが「RAZOR&TIE」なるアメリカのレーベルからのディスクなんですが、音が悪すぎ。スピーカーから出た音をマイクで拾ってラジカセでテープ録音したような・・・と言ってわかってもらえるでしょうか(笑)。ホワイトノイズも多いし。音は時代のディスコ調が中心ですが、かつてEPOが日本語版で歌っていたレイ・パーカーJr.作“the girl in me”のオリジナルが聴けるだけでも価値はあるかも。オリー・ブラウン、エド・グリーンらのドラムスに前述レイ・パーカー、ラリー・カールトン、マイケル・ボディッガー、デヴィッド・ハンゲイトなどアメリカの一流バッキングが揃っているのに、この音質は泣ける…。

★★★ エロティック
MAXWELL/embryya (1998)
 とてもエロい歌声です。ブラックのカテゴリーに入れていいのかわからない、良くわからん人なのですが、「90年代のオルタナティヴ・ニュー・クラシック・ソウル」と、これまた良くわからないカテゴライズをされているようです。夜、灯りを消して聴くと・・・・・そのまま寝ちゃったりして。

★★ チープに普通に
MAZE featuring Frankie Beverly/golden time of day (1978)
 セカンドアルバムにあたるメイズ初期のスタジオ作品。バンドとしての音もまとまりも80年代に入ってからのほうが良いのですが、このチープなギターの音を中心とした雰囲気もこれはこれで面白い。本当にストレートなソウルバンドでありヒネリの必要の無い70年代前半ソウルをそのまま70年代後半ソウルに引き継いだというか、古臭くもないし新しくもない。素直な方々です。

★★★ まずこれかな
MAZE featuring Frankie Beverly/joy and pain (1980)
 80年代に入り最初に発表されたのがこの作品。音もかなり洗練されてきてタイトル曲はこのバンドそのものを表現するほどの代表的なナンバーに。今後の方向性を決定づけたとも言えるべき作品であり、これぞ、メロウ・グルーヴソウルの決定打(こんな車内吊り広告的な言い方もピッタリな庶民的サウンド)と言えるでしょう。フランキーのスウィートな歌声はもちろん、一曲目の出だしのような工夫を凝らしたアレンジにも感じられる通りバンド全体のまとまりがとても良い。安心しておすすめの一枚です。
ホームページがあります→http://www.mazemuze.com/

★★★ スゥィートです
MAZE featuring Frankie Beverly/live in New Orleans (1981)
 70年代からマーヴィン・フォロワー的なフランキー・ビヴァリーのヴォーカルを中心に地道なバンド活動を行っているメイズの、これは初期の頃におけるライヴ盤。代表作「joy and pain」を初めとする初期ベストのライヴが堪能できる一枚です。その良質なソウル・サウンドとはうらはらに日本国内ではすべて廃盤となっている彼ら。確かに他に影響をあまり受けず与えず、自己完結型の音楽活動をしてきたミュージシャンというのは、強烈な個性がないと受け入れ難い存在なのかもしれません。しかし、個人的にはわき目をふらずそのスタイルをかたくなに守り続けているところが大好きなバンドのひとつでもあります。ラスト4曲のスタジオ録音もイイ。

★★★★ 極上です
MAZE featuring Frankie Beverly/can't stop the love (1985)
 1985年頃と言えばもうすでにアメリカの音楽界ではビジュアル面を重視した展開がなされていて、ブラックもそんな流れに沿ったアーティストがどんどん出てきた時代ですが、そんな中、地味にバンドサウンドでソウルしていたグループの一つがこのメイズでした。当時の音楽的変化がどうしても馴染めなかった私にとってはこのアルバムの存在が嬉しかったものです。音はとても洗練されていて、AORにも近い仕上り。ブラックながら、試しに近くの海岸をドライヴしながら聴いてみたら、妙にピッタリ合っていたのには新しい発見でした。

★★★
 渋いーっ
MAZE featuring Frankie Beverly/back to basics (1993)
 時代が変わっても、このアルバムタイトルそのままに生楽器をしっかりと使い、ベーシックなソウルを続けて行く姿勢がいいですね。メイズと言えばライヴ。必ず「ライヴでやれば盛りあがり」系の曲をアルバムの中で一曲は入れてくれるのですが、ここでもイントロのアレンジがカッコ良いしょっぱな一発目の曲や、スムース・ソウルとでも言うべきナンバーが収められています。 

★★★★ 普通にアツイ
MAZE featuring Frankie Beverly/live in Los Angeles (2003)
 個人的にはどちらかと言うとオリジナル曲に興味があるのでライヴ盤っていうのはほとんど持っていないのですが、このMAZEはライヴを持っていたほうがいいです。これはスタジオ録音された曲のボーナストラック付きであらためて2枚組みとなって去年再発されたのですが、ライヴ自体は1986年に行われたもの。ほぼベストといえる選曲で気持ちイイです。なにしろ最初と最後のアナウンス、「メイズ! フィーチャリング! フランキー! ビヴァリー!!」「メイズ! メイズ! メイズ!!」のアメリカ的連呼から、オーディエンスのバカおお騒ぎといい、メロウなグルーヴ感溢れるスイート・ソウルに会場の盛り上がりが良く伝わってくるんですね。確かにもしその場に居たとして、「too many games」のイントロなんか流れ始めたら俺だって「ウォォォォーッ!!!」ですよ。DVDも出ているようでこれは買おう! 決めた! アメリカン・ソウルの王道ライヴ、これは本場に行って現地の人と一緒に観てみたいバンドですね。

★★
マイルスと言っても
Miles Jaye/miles (1987)
 単なるブラック・コンテンポラリーシンガーと思いきや、実はこの人ヴァイオリンも弾ける人なんですよね。内容的には80年代の典型的ブラコンです。ミディアムスロー系が多いかな。一曲目はロイ・エアーズがヴァイヴを叩いていますよ。

★★★ 聴けますね
Miles Jaye/strong (1991)
 音は典型的なブラコンの類なのですが、今回はさらにヴァイオリンも含めて曲もアレンジも、リズムの打ちこみ、キーボードもこなすマルチアーティストしちゃってます。フュージョン系ブラコンともとれて、どちらに紹介するか迷ったのですが、どちらかと言うとこっち寄りですので載せて見ました。

★★★ 実力派です
Montell Jordan/this is how we do it (1995)
 イントロ〜1曲目はヒップポップなアレンジになっているのですが、メロディーもしっかりと、歌を聴かせるアーティストなんですね。「closer the doar」では一転して生楽器をバックにルーサー・ヴァンドロス風のソウルになります。いいよ。

★★ おもしろいかも
Mr.FIDELLER/with respect (1990)
 ジャケ写が渋い感じだったので期待しましたが、内容はかなりバラエティに富んでいます。どんなタイプの曲が飛び出すか予想がつかない作りで最初は面白く聴けるかも。メロディアス系のナンバーが少ないのがちょっともの足りなかったかな。ブライアン・マックナイトやジョージ・クリントンなんて名前もクレジットされていました。

★★★ 結構豪華よ
Natalie Cole/everlasting (1987)
 レーベル移籍や夫の死、ショックにより自らも歌を歌えなくなるといったトラブルを乗り越え見事にカムバックしたヒット作。レジー・キャロウェイやマーカス・ミラーによるプロデュース、バックもジョン・ロビンソン、ニール・スチューベンハウス、ダン・ハフ、グレッグ・フィリンゲインズブルース・ロバーツ等そうそうたるメンバーにサポートされてカラフルかつ、アメリカン・ヒットチャートも意識したゴージャスな作りとなっています。ブルース・スプリングスティーン「pink cadillac」のカヴァーはこのアルバムに収められていますよ。

★★★ よしよしOK
NAUGHTY BY NATURE/nineteen naughty nine (1999)
 ラッパー3人組の全曲ラップアルバム。曲構成はバラエティに富んでいて、とにかく喋り倒しのナンバーから「would’ve done the same for me」のようなゆったりしたスローナンバーまで飽きさせずに最後までラップでいける作りになっています。こうじゃないとこのテのは最後までもちませんよねー。

★★ ディスコかよ!
NDUGU & THE CHOCOLATE JAM CO./do I make you feel better? (1980)
 こんなアルバムを再発しちゃうんだから日本もかなりすごいよね。個人的にはなじみの深いドラマー、ンドゥグちゃんのバンドなのでジャズ・フュージョンのコーナーにしようかと思いましたが内容的には完全にこっち寄り。なにしろジョージ・デュークはもちろんのことウエザー・リポートやサンタナで活動していた経歴のある人ですから。ブラコンに手を染めるドラマー数々あれどこの人ほどほとんど日の目を見なかった人もいないのですが、めでたく日本で再発とはね。サウンドもこの人のドラムに妙に合う泥クサ系のディスコサウンド。オモロイなあ。
THE CHOCOLATE JAM CO./the spread of the future (1979)コチラ
Leon NDUGU Chancler/old friends new friends (1989)コチラ

★★★ 内容良し
NEW JACK CITY (soundtrack) (1991)
 一時流行った黒人のライフスタイルから描かれた映画の中でも、注目度の高かった作品の同名サウンドトラックアルバムです。サントラでありながら、90年代ブラックミュージックが一枚に詰め込まれている内容で、純粋なブラックアルバムとして聴く事が出来ます。Keith Sweat,Christpher WilliamsJohnny Gillらが収録されています。

★★★ 男だね-
Nick Rolfe/the mind of an evolutionary (2006)
 “movin'on”のデラカッチョ良さにぶっ飛ばされて、思わず即買いしてしまったのがこの一枚。このニック・ロルフという男、まだ30前だというのに、いや、若いからこその熱さと言う部分も確かにあるのですが、音がなにしろ嬉しいんです。プログラミングを使わない生演奏のジャズ・ファンクを基調としつつ、曲によっては歪んだギターを前面に出したロックであったり、ジャズ・ピアノが下地であった彼の音楽ベースがチラチラと現れる鍵盤プレイ、明らかに70年代〜80年代グルーヴに影響を受けた「ふる新しい」感覚のアレンジ等、めまぐるしく飛び出す音の、あまりの多彩さに戸惑ってしまうほど。今並べたように表現される新進アーティストは他にもいるし、近年はニュー・クラシック・ソウルに位置づけられる音も増えてきているようですが、彼が圧倒的に違うのは、音楽に「男気」がある事。良くありがちなオシャレ〜な音でも、甘ったるい音でもなく、そこにあるのは「男のジャズ・ファンク」。でもただ骨太ってわけじゃない。あの“just the two of us”なんて往年のナンバーをカヴァーしてしまうくらいだから、優しさも持ち合わせたヴォーカルは瑞々しくて洗練されている。しかしクールなのだ。本当にオススメ。カッコいいぞ!


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